梅で何かを作るとき。
とくに初めて梅を使う場合には、
うまく出来るかなと不安に思ったり
失敗してしまうことなどはよくあること。
梅は塩漬にして干す梅干しにしたり
各種調味料と一緒に漬けてみたり。
あるいは火を入れて使うこともできます。
そのなかでやはり多いのは、
梅干しや梅シロップなど
梅を生で漬けて作るもの。
失敗が多いのもまた、
梅を生で漬け込むときですね。
梅で失敗する時には、たいてい原因が
決まっていることも多いものです。
梅を漬ける時の失敗には
どんな要素があるのでしょうか。
今回はとくに梅干し作りを例として、
梅を漬けるときに失敗しないための基本や
注意点について書いていくことにします。
梅で失敗しない3つの基本
梅を扱う上で気をつけないといけないこと。
それは大きく分けて3つあります。
- 清潔第一
- 水に注意
- 金物厳禁
梅でなにを作るにしても
この3つは確実に守ります。
この3つについて気にかけていれば、
たいていうまくいくものです。
清潔第一
梅を漬けるときには、清潔第一。
いかに菌を入れず、増やさないかが大事。
それは梅にも、使う道具にも言えること。
- 容器
梅を漬け込んでいる間は通常、常温である
冷暗所に置いておくことになります。
その間に菌が増殖しないよう、あらかじめ
容器の消毒を行い菌を減らしておくのです。
- 道具
梅の加工に使う道具は、きれいに洗って
乾かしておきます。
汚れが付着していると雑菌などが付きやすく
その餌になるようなものは極力排除する
ようにします。
水に注意
梅を扱う時には、水に注意が必要です。
梅に水
若くて新鮮な梅は水弾きがいいですが、
熟したり古い実には水が染みやすい。
傷が入った梅はそこから水が侵入して
痛みやすくなります。
梅を水に晒す場面はいくつかあります。
- 梅を洗うとき
- 水に浸けてアク抜きをするとき
この2つの作業をするときには、
よく梅の状態を見ながら行います。
熟した梅はとくに水に弱いので、
手早く行う必要があります。
梅を漬け込むときにも、梅の表面に
水滴が付いていないか気をつける。
梅に付く水気を切り、乾かす。
もしくは拭き取って漬け込むようにします。
これは漬け方によっても違う場合があるので
その場合は選んだレシピに従いましょう。
道具に水
基本的に梅しごとに使う道具に水は禁物。
道具はきれいに洗って干し、
完全に乾いたものを使います。
洗い作業以外の工程で使う道具は
乾いていることを確認して使いましょう。
水滴や水気が残っているときには
清潔な乾いた布巾やキッチンペーパーなどで
水気を拭き取ります。
金物厳禁
梅は金物を嫌う。
昔からそう言われるほど、
梅と金物とは合わないもの。
うっかり梅を漬ける道具に
金属のものを使ってしまうとどうなるか…。
ひと月もすれば、アルミなどは腐食して
溶けてしまいます。
ひと月経たなくても徐々に腐食は進んで
いくので、使わないようにしましょう。
アルミに限らず他の金属も。
道具の一部分に使われている金属であっても
同様に注意が必要です。
ただし、これは長期間に渡る場合。
作業時など、金属の道具をちょっとした
短時間に使う場合は大丈夫です。
使った金属の道具は
すぐにきれいに洗ってしまいましょう。
梅を選んで失敗しない
ここからは梅の実で失敗しないための
コツみたいなものを書いていきます。
梅選び
梅は用途に合ったものを選びます。
- 梅干し
熟した梅(青ければ追熟する) - 梅干し以外
青梅(新鮮なものを使う)
基本的にはレシピに記載してあるとおりの
状態の梅を選びます。
初めて梅を漬ける場合には、
指示通りの梅を選ぶのもコツなのです。
レシピの条件に合っていない梅でも
うまく作れることはよくありますが、
それはある程度梅を扱うことに慣れてからの
方が失敗しにくいものです。
また、傷や傷みのある梅は
トラブルの原因になることがあるので
外してしまう方がいいでしょう。
- 関連記事はこちら
・ 未熟な梅ってどんなもの?
・ 梅の熟度が違うとき
・ 梅の傷の種類を見分けよう
・ 梅の実の虫食い
梅を傷つけない
梅を扱うときには落ち着いて丁寧に。
荒々しく扱ってしまうと、うっかり
落としたり力が入ってしまいがち。
梅は熟してくると
より傷つきやすくなります。
- 梅を洗うとき
梅をこすらない、傷つけない。 - 梅を水に浸けるとき
黄梅や完熟梅は浸水しやすいので手短に。 - ヘタを取るとき
うっかり楊枝で傷つけないこと。
梅に傷が入ると、変色したり痛みやすくなる
ということがあります。
とはいえ、少々の傷は大丈夫なので
神経質になりすぎず^^;
気をつけて扱う、という意識を持つだけでも
随分と違うものです。
- 関連記事:梅の変色の原因と対処
失敗しない梅干しの作り方について
レシピって意外と
テキトーにやってしまいがち…
ということはないでしょうか。
初めての梅干し作りに失敗しないためには、
まずはレシピ通りに作ってみましょう。
アレンジしたいのならそれからです。
- 関連記事はこちら
梅干し作りの失敗ってどんなこと?
材料について
材料は基本的にレシピ通りに用意する。
手元に無いからと、いきなり違うもので
代用…なんてことをしないこと。
分量についても同じです。
作るものによっては、
勝手に分量を増やしたり減らしたり
しないほうがいいのですよ。
【梅干しによく使われる材料】
- 塩
失敗が少ないのは粗塩。
分量を減らすと保存性が低くなる。
【梅干しや梅酒に使われる材料】
- 焼酎
基本的には35度のホワイトリカー。
消毒に使ったり保存性を高めるために使う。
アルコール度数と分量は重要。
レシピにあるのに入れなかったり、
アルコール度数の低いものを使うなどすると
失敗の原因にもなります。
【梅干しの変わり漬けや梅シロップなど】
- 氷砂糖
「砂糖」ではなく「氷砂糖」と
指定されている場合には理由がある。
もちろん、他の砂糖で代用はできるのですが
初めて作る場合にはレシピ通りに。
他の砂糖を使いたい場合には、
他の砂糖を使っているレシピを用いましょう。
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梅干しの塩の量によってはカビが付く?
梅を漬けるとき
材料に限らず、レシピの手順なども
大きくは変えない方がいいでしょう。
何かを変えて作るのならば二度目から。
初めての場合、そのレシピで作ると
どんな感じのものになるのか
実際にやってみないとわからない。
いきなりアレンジして失敗した場合、
何が原因であったのかわかりにくいのです。
ただ、工程を間違えてすっとばしてしまった
などという場合には別ですよ。
【工程を間違えた場合の対処】
- 梅を漬け込む前
工程が前後しても
やり直しができることもある。
- 梅を漬け込んだ後
やり直しは諦めてそのままにしておく方が
いいでしょう。
例えば、漬け込む材料を入れ忘れた…
という場合は、後からでも足せばいい。
ですが、漬け込む前の工程をし忘れた
といって、漬けたものを取り出してまで
行う必要はないのです。
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梅のアク抜きするのを忘れちゃった
梅を漬けたことを忘れない
これはついうっかりやってしまうこと。
梅を漬けた後、漬けている期間が長いので
つい忘れてしまって放置…
ということがまぁ…よくあるようです。
今、他人事のように書きましたけど
私も時折やっちゃいますよね~^^;
梅しごとは、梅を漬けて終わり!
というわけにはいかないもの。
ある程度、梅の状態が落ち着くまでは
何が起きるかわからないのです。
何か不測の事態があったとしても
発見が早ければ対処がしやすい。
逆に発見が遅いと、
さいあく全滅ということも…。
梅を漬けた存在をしっかり忘れずに、
時折様子を見てあげることが大切です。
- 関連記事:梅干し作りの失敗談
梅干しの失敗や対処について
梅干しは、梅を漬けるレシピのなかでは
失敗しやすい部類のものかもしれないですね。
ですが梅の状態を把握してさえいれば、
失敗する可能性を減らすことができます。
必要なのは、
- ときおり梅の様子を見ること
- 異変に早く気づき、対処すること
これだけでずいぶん違うものですよ。
- 関連記事はこちら
・ 梅干し作りで梅酢が上がらないのはなぜ
・ 梅につくカビの状態と対処
できた後に感じる失敗?
梅干し作りに失敗した!と感じるときって
どんなときでしょうか。
たとえば梅が変色してしまったり、
カビがついたり梅酢が濁ったり異臭がしたり…
まぁ通常は、失敗=腐るかも?という場面で
失敗したー!と思うことが多いでしょう。
しかしなかには、
梅干し作り自体は成功しているのに
失敗した!と感じる場合があるようです。
それは、出来上がった梅干しが
「思ったのと違う」という点で。
現代の「梅干し」のイメージって
人それぞれだな~と思うことがあります。
それは、いろいろな「梅干し」と称される
商品が出回っているから。
人それぞれに理想の梅干しというものが
あるのでしょうけれど、
初めて作って理想通りの梅干しが出来上がる
なんていうことはまずないのかな~
と思うので、ご安心くださいな^^
理想を追うのは、回を重ねてその先ですよ。
- 関連記事はこちら
・ 梅干し作りの失敗ってどんなもの?
・ 梅干しが硬い原因と対処
できあがってからの保存を失敗しない
そうそう。忘れちゃいけないのは、
出来上がり後の保存について。
せっかく完成したものを、保存で失敗する
なんてことになるのは悲しいもの。
保存に失敗しないためにも、
冒頭で書いた3つの基本を守りましょう。
おさらい。基本の3つ。
- 清潔第一
- 水に注意
- 金物厳禁
この3つから、おのずと保存には
何が大切なのかが見えてきます。
- 保存容器を選んで消毒
梅を保存するのは、
密閉できるビン容器がおすすめ。
- 取り出す時には清潔な道具で
梅や液体などを容器から取り出すときは
乾いた清潔な道具を使うこと。
ほかで使った箸などで取り出さない。
保存食であっても、雑菌を入れるような
扱いをすれば傷んでしまいます。
- 適材適所、保存場所にも気をつけて
保存性を考慮して、保存する場所も適した
場所を選びましょう。
冷暗所保存の場合、本当にそこでいいのか。
もしくは冷蔵庫保存でなくていいのか。
せっかく無事に仕上がった梅干し。
保存時に傷んでしまわないように
保存中にも取り扱いに気をつけましょう。
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手作り梅干しを腐らせた失敗と原因
後記
梅を加工するときには、
いろいろと気をつけることが多くて
大変だと感じるかもしれないですね。
初めは小難しく感じたり、
面倒だったりするかもしれない。
けれどやってみると難しいことではないので
すぐに慣れて自然と身につくものです。
梅加工の基本的なことがわかってくると、
何を作ってもそんなに失敗することはないし
何かあっても対処ができるようになります。
やればやるほど奥が深くて面白くなるので
結局毎年やることになりますよ。
あなたの梅しごとが
うまくいきますように~ヽ(´ー`)ノ