本サイトは広告を利用しています。

梅干しの無添加という表示は要確認。具体的に何を示すのか。

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

「無添加」

この一言でどんなイメージを思い浮かべるでしょう。

この言葉が食品のパッケージに表示されていると、多くの人はこう思うようです。

「添加物を使用していない」

「安全で健康によさそう」

「美味しそう}

そんなことはひとつも書いていないのですが…
しかし勝手に「こうだろう」と、都合の良いように解釈をしてしまう。

「無添加」以外に、
「〇〇不使用」という言葉も同様。

このような誤解を生じさせることを
「優良誤認」というそうです。

【優良誤認】
実際のものより優れたものであるかのように誤解させるもの。
他のものより優れたものであるかのように誤解させるもの。

これは、消費者が勝手に勘違いするから悪いのではなく、そう見えてしまうような表示をしていることもよくないのです。

梅干しにも「無添加」「〇〇不使用」の表示がされているものがあります。

これらが全てよくない表示ではないのですが、誤解をさせるような記載がされているものもある、ということです。

梅干し・調味梅干しを選ぶ際には、表示を注意深く見ておくことが大事です。

今回はそんな、梅干しの表示にまつわることについて書いていきます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

「無添加」「〇〇不使用」という言葉

「無添加」あるいは
「〇〇不使用」という言葉。

これらは正しく表示がされていれば問題なさそうなのですが…。

しかし注意深く見てみると、おかしな表示というものがいろいろあるのです。

「無添加」ということば。
これだけで具体的に何が添加されていないのか、ということが記載されていない場合がある。
「無添加」の一言だけで、全ての食品添加物が入っていないかのような誤解を与えるのです。

あえてそれを狙っているのではないか…
とすら思えてしまう。

「〇〇不使用」ということば。
〇〇内には、とある名称が書いてあり、それが真実ならばいいのですが…
その食品にはそもそもが通常不要なものであったり、定義の曖昧な用語が書かれていたりもするのです。

真実でないことや誤解を招く書き方がされていると、いろいろな混乱を招きます。

しかし近年、これらの表示が規制される動きがあります。
消費者庁などでも、表示のあり方についてたびたび検討がなされていたようです。

そのためか、現在では随分と極端な表示は減ったように感じます。

しかし「表示」について知らないでいると、知らず識らずのうちに「優良誤認」をしてしまいかねない。

本当のところが見えず、希望しない製品を購入してしまうこともあるのです。

何を添加していないのかを確認する

「無添加」「〇〇不使用」という表示に対してはまず、何を添加していないのかを確認します。
何を添加していない、何を使っていないと書かれているのか。

そしてもちろん、材料表示も確認します。

「保存料無添加」と書いてあれば、保存料として使われるものが入っていないということのはず。

しかし材料表示を見ると、保存の役割を果たす別のもの(日持ち向上剤やpH調整剤など)が使われていることもあるのです。

「無添加」「〇〇不使用」で書かれるものには、次のようなものがあります。

・化学調味料
・甘味料、人工甘味料、合成甘味料
・着色料、合成着色料
・保存料、合成保存料
・着色料、合成着色料
・香料、合成香料
…などなど。

ただしこの中には今後は使えなくなる言葉もあります。

◇「化学調味料」という言葉

化学調味料という名称には、実は定義がない。

化学調味料というと、現在のうま味調味料(グルタミン酸ナトリウムを主とする調味料/食品添加物)のことを差しているのですが、定義がない曖昧な言葉として今後は表示しないように検討するほうが望ましいとされている。

また、「化学調味料無添加」と書かれている製品のなかには、代替えになるたんぱく加水分解物や酵母エキスなどが使われているものがある。
これらは食品添加物ではなく、食品扱いではあるが同じような物質であるため、すり替えられているに過ぎないという印象もある。

◇「人工〇〇」「合成〇〇」という言葉

これまで食品表示基準において「人工〇〇」「合成〇〇」の用語が規定されていたのですが、表示の改正により今後は「人工」「合成」という言葉は削除されて使えなくなります。
(経過措置:2022年3月31日製造まで)

・人工甘味料、合成甘味料→甘味料
・合成着色料→着色料
・合成保存料→保存料
・合成着色料→着色料
・合成香料→香料

理由としてはふたつ。

・食品衛生法において「食品添加物は天然と化学合成品とに差を設けず」とされていることと矛盾するため。
・消費者の誤認(※)防止の観点から。

※誤認…消費者が「人工」「合成」と名のつく物質を避ける傾向にあり、添加物に対して正当な理解の妨げになるから、ということです。

なお、これに伴い「天然」という表現の使用も認められないことになります。

スポンサーリンク

無添加の梅干し?

梅干しとはそもそも、塩(と赤紫蘇)のみで作るもの。
すると本来の梅干しは、食品添加物や化学的に処理をされた調味料などを使う必要性はないものなのです。

なので「無添加の梅干し」というのは当たり前のはず。しかしあえて「無添加」と表示する。

これは少々不自然にも見えますが、主張したくなるのもわかります。

表向き”梅干し”と称する調味梅干しも多く、食品添加物あるいはそれに類似した物質を使っている製品も多いため、それらとは違うものだと差別化するために主張する。

使用していないものを、わざわざ使っていないと表示するのはどうか、という意見もあるようですが、逆を返せば、使用しているのに使っていないかのように表示する業者もいたりするためでしょう。

「梅干し」製品で添加物が入るとするならば、次の2点が考えられます。

・塩に使われるもの
・梅に使われるもの

◇ 塩に使われるもの
塩に使われる「フェロシアン化物(※)」という食品添加物。
これは塩が固まらないように使われる物質。

梅を加工するための材料(ここでは塩)に使われている食品添加物に対しては、「キャリーオーバー」といって表示の義務がない。
しかしもし使われている場合には、いくら表示の義務がないとはいえ、「食品添加物無添加」という表示はできない。

◇ 梅に使われるもの
梅を加工する前、漂白剤を使用して洗浄している場合。

これは加工後にその成分がほぼ残らない場合には、「加工助剤」として表示の義務がない。
この場合も「食品添加物無添加」という表示はできないのです。

実際、「無添加」と書いていながら、さらに上記のような物質も使っていませんよ、とわざわざ記載している業者さんがあります。
そうアピールするということは反面、虚偽の表示あるいは誤認されるような表示をされている業者さんがあるがために、わざわざ主張するのかも知れない。

しかし「無添加」という表示は推奨されているわけではなく、あくまでも任意。

今後は「無添加」や「不使用」の表示について、消費者庁でガイドラインを策定して明確化されていくようです。

無添加の調味梅干し?

かなり減塩の調味梅干しなどは、まず保存性が低い。
保存性を補うためには、塩以外の物質を添加する必要があります。

それは大きく分けると2種類があるのかなと。

・酢や砂糖など、昔から使われている調味料などによるもの。
・化学的に手を加えられた物質によって補うもの。

このどちらが使われているのかは、原材料表示を見ればわかります。

その表示の中身と、「無添加」や「〇〇不使用」などの主張が合っているのかどうか。

これをしっかり確認する必要があります。

後記

表示について、去年調べたときには「えっ?」と思うような表示が散見されたのですけど。

ここ一年くらいでずいぶん表示内容が変わったなと感じます。
正しい表示がされるのは良いことです。

しかし食品添加物を全く使用していないようなのに、やたら「〇〇不使用」と羅列して書かれているものがあるのには少々驚きます。

きっと一切不要なものを使わずに作っているからこそのアピールなのでしょう。

しかしひねくれた見方をすれば、「食品添加物無添加」などと一口に書けない理由があるのかな…などとも勘ぐってしまいます。

このように斜めの見方をしてしまうのは、やはりこれまでデタラメの表示があったりしたからということがあるでしょう。
疑心暗鬼にもなるものです。

表示と実際のところの乖離があるかないか。
これは製造者さんを信じるしかないもの。
しかし消費者側も、しっかり確認する必要があります。

他にちょっと気になることとしては、販売業者さんのこと。

インターネットの通販サイトにおいて、販売業者さん側が、売るために誤解されそうな記載をしていないかということ。

たまにあるのですよね。
紛らわしいな…という表示のされ方が。

誤解させることを意図してか気づかずにやっていることなのかは不明ですが、消費者が勘違い、あるいは間違って購入してしまいそうな紹介であったり配置がしてあるものを見かけます。

やたら優良だという言葉を並べているにもかかわらず、材料表示は掲載されていないものも…。
優良を謳うのなら、材料表示もしっかり見せてほしいと思うのですよね。

まぁいろいろありますが…。

食品選びに細かい表示を見なければいけない。
まぁ面倒ですね…。

しかし希望する商品を選ぶためには、注意深く見る必要があるでしょう。

他にも説明できていないことがたくさんあると思うので、興味のある方は次の資料を御覧くださいな。

消費者庁の資料より。(↓PDFです)
[食品添加物の不使用表示に関する議論の振り返り/令和3年3月消費者庁食品表示企画課]

また、見分け方の記事も書きましたので、こちらもどうそ。
→「市販の”梅干し”の見分け方

ではでは、今回はこれにて。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。

面倒だけど、表示を見るクセをつけましょ~ね~ヽ(´ー`)ノ

タイトルとURLをコピーしました