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梅を漬ける時の消毒には、焼酎がよく使われています。
そもそも何故焼酎なのかというのは、アルコールに殺菌作用があるため。
そして焼酎を使うのは、安全で使いやすく入手しやすいためもあるでしょう。
今回はそんな、梅しごとで使う消毒用の焼酎(アルコール)について書いていきます。
それでは一つずついきましょう。
焼酎(アルコール)での消毒は必要か
梅を漬けるときには消毒がかかせないものです。
まずは、何に対してなぜ必要なのか、そしてその効果を見ていきましょう。
容器などの消毒に
特に梅を漬ける容器などの消毒は必須です。
容器の消毒には方法がいくつかあり、煮沸消毒や熱湯消毒などの熱によるものがありますが、熱に弱い容器の場合にはアルコールを使った消毒がいいでしょう。
熱に強い容器の場合は、煮沸消毒あるいは熱湯消毒をしたうえで、乾いてからアルコールを使った消毒もするという、二重で消毒を行うとなおよいです。
なぜ消毒が必要なのか
そもそも何故消毒が必要なのか。
空気中には常に細菌などの微生物がいます。
微生物は活動したり増殖する上で、餌となるものにくっついて分解し、変質させてしまいます。
梅干しを作るには、梅を塩漬けしてひと月以上漬けおくのですが、そこに微生物がいて活動しやすい状況だとするとどうなるでしょう。
梅に付いて分解、変質して腐敗させてしまいますね。
そのようにしないためには、細菌などの微生物の働きを抑え、あるいは排除してしまう必要があり、そのために消毒をするわけです。
アルコールによる殺菌効果
アルコールには種類があります。
ここでいうアルコールとは、エタノール(エチルアルコール)を指します。
このエタノールというのは、お酒の成分です。
純粋なエタノール(無水エタノール)には殺菌効果は薄く、およそ40~80%の濃度になると殺菌効果が高くなり、70~80%では最大の効果があるといわれています。市販されている消毒用エタノールの濃度が75~80%程度なのはそのため。
では40%以下では殺菌効果がないのか。
というとそうではなく、40%以下の低い濃度では時間がかかるけれども効果はあるということです。
市販の消毒用エタノールのなかには、食器類などの消毒には向かないものもあるので、やはり安全面などを考慮すれば、梅仕事にはアルコール濃度35度のホワイトリカーが適しているため、よく使われているのです。
焼酎のアルコール濃度
焼酎は蒸留酒で、アルコール度数は20度、25度、35度などがあります。
梅を漬けるために使う焼酎のアルコール度数は35度以上のものが望ましく、それ未満の濃度の低いものでは効果が期待できないどころか、水分を含むために逆効果となることもあるようです。
また、梅しごとに使う場合には、味や風味などのクセがない焼酎がよいとされるので、「甲類焼酎」のホワイトリカーが丁度いいのでしょう。
焼酎以外に使えるアルコール
焼酎(ホワイトリカー)以外で使えるアルコールは次のようなものがあります。
・焼酎以外のお酒
・お酒以外のアルコール
焼酎以外のお酒
梅しごとの消毒に使うお酒は、焼酎以外でもアルコール度数の高いお酒で、なおかつ味や風味にクセのないもの。
たとえばジンやウォッカなど。
ちなみに私は強いお酒を殆ど飲まないので、あまり違いがわからないのですが…
家に常備されているご家庭では、これらを使うことも多いようです。
もし家にあるのならば、消毒用に少々使ってみてはいかがでしょうか。
お酒以外のアルコール
お酒以外のアルコールというと、エタノールでは消毒用アルコール。
ですが、食品に触れる場合にはちょっと…という感じもしますよね。
実際、消毒用アルコールの種類もいろいろありますが、なかには人体に触れることには適さないものもあるわけですから、消毒用アルコールを使用する場合には十分注意する必要があります。
ではお酒以外に何を使えば安心なのか。
食品には食品用のエタノールというものがあります。
これは食品に使用できるエタノールで、食品に直接かかっても大丈夫なもので作られているようなので安心です。(使用する際には、十分説明書や注意事項などを確認しましょう)
もちろん殺菌効果は充分にあります。
ちなみに私が使ってみたのは「パストリーゼ77」という製品。
これはアルコール77%の濃度があるため殺菌効果は充分にあり、そして醸造用アルコールとカテキンから成るものなので安心して使うことができます。
ただ、アルコール度数がホワイトリカーよりも高いので、アルコールにアレルギーなどをお持ちの方は注意が必要です。
特に噴霧するスプレータイプは、意外と飛び散るので気をつけましょう。
後記
今回は梅仕事で使う消毒に、焼酎(ホワイトリカー)を使うことについて書いてみました。
ホワイトリカーがあれば、容器の消毒はもちろんのこと、梅を漬けるときにも役立つので、用意しておくと何かと便利です。
以前は大きい容器でしか販売されていなかったのですが、近年は小さめのお手頃サイズがあるのでおすすめです。
アルコールの匂いが気になるという場合もあるでしょう。
しかし消毒で使うくらいの量なら、しばらくすると揮発して匂いは消えてしまいます。
梅にまで匂いが残るということもないので、アルコールに弱い方やお子さんが食べることを考えたとしても、気にすることなく使えます。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。
きっちり消毒して、安心して梅ちゃんのお世話ができますようにヽ(´ー`)ノ