梅干しの保存は冷暗所・期限なし。しかし減塩ではいろいろ。

梅干しの保存はというと、従来はこういう認識のものであったはず。

・冷暗所(常温)に保存するもの
・半永久的に保存が効くもの

そもそも梅干しは保存食です。
これがいつから違うものになったのか。
やはり減塩志向からのものなのでしょうか。

今回はそんな梅干しの保存について書いていきます。

1. 本来の梅干しと保存
2. 変わってきた梅干し
2.1 塩を減らす梅干し
2.2 塩を使わない梅干し
3. 嗜好品化する梅干し

4. 梅干しと塩と保存性
5. 梅干しの賞味期限
6. “梅干し”の向かうところ
7. 原点回帰
8. 後記

それでは一つずつ行ってみましょ~。

1. 本来の梅干しと保存

本来、梅干しは保存食であったもの。
常温(冷暗所)での保存が当たり前でした。

その梅干しの保存性の高さは、塩によるもの。
塩をある一定量以上入れることにより得られるものです。

梅干しは本来、1年や3年どころではなく、長期に渡って傷まずに保存しておけるもの。
現存する最古の梅干しは400年以上も前のもので、今なお食べられるそうですから、とんでもない長期保存食なのです。

ただし、それはかなり高濃度の塩分で漬けられた時代のもの。
現代でそれほどまでの長期保存が必要か?といえばそうではないでしょうけど。
冷蔵庫のない時代、傷まないようにとの配慮からの過剰な濃度だと思いますが、一例として。

2. 変わってきた梅干し

現代では塩の取りすぎが身体に悪いとされ、塩分摂取量が問題視されるとともに、梅干しの塩分も嫌煙され減塩が促進されました。

今では減塩梅干しが当たり前になっています。
今の市販の減塩梅干ししか食べたことがない、という人も多くなっているのではないでしょうか。

2.1 塩を減らす梅干し

ほかの漬物も同じくですが、梅干しも塩を減らすと保存が効きません。
塩を減らせば保存性が低いので、それを補うために他のもので代用します。

市販ではすぐに傷む可能性のあるものを市場には出せないために、いろいろな手法を用いて保存性を高めるのです。

2.2 塩を使わない梅干し?

市販の梅干しは塩分8%~10%程度が主流ですが、中には5%や3%というものも。
減塩も行き過ぎて、”塩を使わない梅干し”と謳って売られているものもあります。

「梅干し」とは本来、梅を塩漬けして干したもの。
塩を使わず他の調味料で漬けて干したものは、また別もの。
これを日本の規格では「調味梅干し」といいます。

ちょっとした違いなのかもしれないですが、違いを認識しておくのは大事なこと。
何でも混同してしまうと、本当のところを見過ごしてしまいます。

きっちり分けて考えて、わかった上で選ぶほうがいいですよね。

3. 嗜好品化する梅干し

本来の梅干しは酸っぱくて塩っぱいものでした。
ご飯とともにいただいたり、お茶とともにいただいたり。
何かしらのものと一緒に口に入るものだったと思います。

しかし現在の”梅干し”の多くは変わりました。
・塩気が少ない
・甘みがある
・単品で食べられる

おやつ代わりに単体で食べられるものに。
“梅干し”は嗜好品になったようです。

実際、砂糖漬けした梅は美味しく、おやつとして食べられます。
それは砂糖漬けであって梅干しではないのですが、梅を食べることに変わりはありません。
おいしい梅が出来ることはいいことだと思います。

このように嗜好品のような”梅干し”はおやつに食べるわけで。
昔の「梅干し」のように食卓でご飯とともに食べるのもではないようです。
(人それぞれの好みではありますが)

しかし特にその線引があるものではないので、なんだかややこしい。
これには個人の好き嫌いがあり、嗜好によりますよね。

そしてこの嗜好品と化した”梅干し”は、常温で保存できるほどの保存性が無いものが多く、冷蔵保存が主流で保存期間も短めのようです。

4. 梅干しと塩と保存性

梅干しの保存性は塩にあると冒頭で書きました。
酢漬けの場合もある程度保存できますが、それでも塩に優るものではないようです。

塩を排除することで保存性は失われます。
それを補うためには、別のものを添加せざるをえない。
その代表的なものに、食品添加物などがあります。

そもそも梅干しを食べるのは何故なのか。

梅干しは本来保存食であるとともに、薬としても用いられてきました。
梅干しには薬効があるとされているわけです。
つまりは健康のために梅干しを食べようとしていたはずです。

しかし今、その梅干しはどんなものになっているのでしょう。
一般的な減塩梅干し(調味梅干しの場合)は次のようなものです。

〔減塩〕
通常の梅干しから塩を減らしたい
→塩抜きをする

〔結果〕
塩分を抜いて梅の成分もいくらか抜けた
→味が薄くなり、保存性もなくなる


〔味と保存性を補う〕
・味を調節した調味液に梅を漬け込む
・保存性を補うための添加剤を加える

【出来た減塩梅干し】
・梅の成分は流出
・梅干しの本来の味ではなく、別ものの味
・食品添加物が含まれている(※)
・保存性はそれなりにあるが要冷蔵

(※なかには食品添加物を使わない業者さんもあるようです。)

塩を抜いた梅干しって一体なんでしょう。

5. 梅干しの賞味期限

賞味期限を必ず表示する、というのは国が決めた義務なのですが。
そもそも梅干しに賞味期限という概念はなかったものでしょう。

本来の塩分で漬けた梅干しならば、3年くらい熟成させたほうが美味しく食べられるといわれるくらい、長期保存ができるもの。

市販の梅干しのなかには次のようなものがあります。
・充分な塩の量で漬けたもの
・充分な塩の量で漬け、そこから塩分減らしたもの
・初めから塩の量を減らして漬けたもの

本来の梅干しは長期的に保存が効くもの。
そのような梅干しでも表示上の賞味期限は必須なので、ある程度の期間を決めて表示しているというものもあります。

対して、塩を減らしたものは保存性が低くなるため、ある程度の期間保存が効くように何かしらの調整をされています。

6. “梅干し”の向かうところ

梅干しに賞味期限がある。
しかしこれも仕方のないことなのでしょう。

塩分の少ない梅干しを消費者が求める。
応えるために、結果的に保存の効かないものになる。
しかし保存が効かないと商品にならない。
そのためにいろいろな手段を講ずる。

それが当たり前になってしまうのですよね。

面白いのが、減塩は当たり前で冷蔵保存も当たり前。
そして梅に味付けするのも当たり前になっていること。

今ではその味付けが追求され、梅単品でいかにおいしく食べられるかという嗜好を追求するものが多くなっているのです。
本来の製法で作られた梅干しよりも、そういった減塩加工をされて味の付けられたものの方が価格が高い場合もあり、まるで逆転してしまっているのです。

ほんとうに今の”梅干し”ってなんなのでしょう。

しかしそんな嗜好の”梅干し”の傍ら、やはり本来の梅干しが好きだという人もいて。
また「本来の梅干し」という製品も、一時期よりは増えている気がします。

もう、一言で「梅干し」といっても幅の広いものです。
本来の梅干しも根強く残り、それとは別に嗜好品の”梅干し”もどんどん発展している。

今では梅に対して求められるのは、保存性よりも嗜好性が重視されるのですね。

7. 原点回帰

梅干しのよいところはやはり、身体にいいということ。
そして長期の保存が効くというところ。

梅干しは本来の方法で漬ければ、保存性は自然と高いもの。
そのままが一番質もいいものでしょう。

特別な疾患などを身体に抱えている場合には、極端な減塩梅干しも必要かもしれないですが、普通に元気な人には極端な減塩は必要のないものでしょう。

嗜好品的な梅干しも否定しているわけではないのですが、そもそもの梅の質を損ねれば、もったいないのではないかと思うのです。

しかしこれも好みの問題ですね。
本来の梅干しと嗜好品の梅干し、使い分ければいいというだけのことなのかな。

8. 後記

今回は梅干しの保存について書いてみました。

私は個人的には、市販の調味梅干しが苦手です。
何故ならば、あの味が…
ものにもよるのかも知れないのですが、味が苦手なのです。
後味がずっと口に残り、気持ち悪く感じるのです…。
(好きな方、ごめんなさい。)

他にも私と同じような方はいらっしゃるのではと思うのですけど。
どうもだめなのですよね。

甘い梅がダメとかではなく、市販の調味梅干しが受け付けない。
家で漬けた甘塩っぱい梅干しとかは大好きなのですけどね。
やはりそれは、添加されているものによるのでしょう。

これは味の慣れ…とかなのかな。
生理的な問題か、好みの範疇の問題なのか。

市販の梅干しが受け付けない人も、家庭で漬けてみると食べられたりするかも。
塩っぱい梅、酸っぱい梅、甘酸っぱい梅、甘い梅。

家で漬ける場合には、日頃から口にしている調味料などで漬けるわけなので、軽い減塩梅干しでも嗜好品的な梅干しでも、口に馴染んだ梅干しが作れると思います。
もちろん、ある程度の保存性があるままに。

まだ手作り未経験ならば、是非挑戦してみてほしいものです。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。

“梅干し”を選ぶ時には、違いを認識しつつ選んでみませんか~ヽ(´ー`)ノ

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