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梅干しは腐らない?でも傷むのがあるのは何故なのでしょう。

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

市販の梅干しは、保存方法を守らないと案外腐りやすいもの。
それでは何故、昔からの製法で作られた梅干は腐らないのか。

今回は、梅干しって腐らないの?ということについて書いていきます。

0. そもそも腐るとは
1. 常温で保存できる梅干し
1.1 塩の保存性
1.2 塩の濃度
1.3 梅の成分

2. 減塩しても腐らない?梅干し
2.1 梅を漬ける時に塩を減らす
2.2 梅干を作った後に塩分を減らす

3. 梅干しを腐らせないために
3.1 保存したその後は?
3.2 日常的な梅干しの取り扱い
4. 後記

それでは一つずつ行ってみましょ~!

0. そもそも腐るとは

食品が腐敗するのは、空気中にいる細菌などの微生物が、生きて繁殖するために食品にくっつき、餌として食べて分解することでおこるもの。

その微生物などが活発に働くためには、エサの他に次のものが必要です。

・水
・空気
・程よい光と温度

まるで動物と同じですね。
微生物も人と同じように生きています。

その微生物が生きるための必要条件が揃っているところに食品を置いておき、その食品にいつでも微生物がくっつける状態にあれば…食品はあっという間に分解されて傷んでいってしまうのです。

もちろん、梅も同様。

梅に対してちょっかいをかけてくる微生物は、酵母菌。
それが繁殖すると白カビが出てきます。

この酵母菌自体は無害なものらしいのですが、これを放置しておくと、他の毒素を出すような菌も増殖して、いよいよ腐敗してしまうようです。

つまり梅を腐らせないためには、あらかじめ微生物を極力減らした上で、微生物が繁殖するための条件をできるだけ排除することが大切ということ。

1. 常温で保存できる梅干し

生の梅はそれだけで、もともと保存性の高いもの。
梅干しを作る時には、その生梅を塩とともに漬けるわけです。

漬物の基本的な塩分濃度は、食材の重さの20%程度といわれています。
梅も同様に、20%の塩で漬けて干し上げれば、問題なく長期保存の効く梅干を作り上げることができます。

1.1 塩の保存性

塩は昔から保存食作りで用いられてきたように、高い保存性があります。
それは塩を使うことで微生物の増殖を抑えるとともに、食品の水分を抜いて活動を止める働きがあることから、保存性が上がるものです。

1.2 塩の濃度

梅干しに使う塩の濃度は、先程も書いたとおり20%もあればいいとされます。
酵母菌を抑制するためには少なくとも塩分が18%は必要で、浸けムラを考えると20%で漬けるのが妥当ということのようです。

梅干しを漬ける時の塩の濃度は、生梅の重量の20%として考えます。
しかし梅干しが傷まないように考えるには、梅干しが出来上がったとき、梅干し内の塩分が何%になっているのか、ということが大事だそうです。

梅を何%の塩で漬けたからといって、全ての塩が梅に残るわけではないのです。
梅酢に溶けている塩分もあるので、そのぶん梅の保持する塩分量は薄くなります。

たとえば減塩で漬けた場合でも、少しでも保存性を上げるために梅干しの塩分濃度を上げようとするならば、梅を干すことです。梅を干せば梅の水分が抜けるので、その分濃縮されて塩分濃度は濃くなります。

干さない梅漬けよりは、干した梅干しのほうが、保存性は増すのです。

1.3 梅の成分

梅の成分には、有機酸という酸が含まれています。
この有機酸というのは主にクエン酸、リンゴ酸などですが、これらの酸は強い抗菌作用を持つようです。

梅干しが腐らない理由は、この梅の成分と塩との強い作用があってのこと。

2. 減塩しても腐らない?梅干し

梅は昔ながらの製法で漬けるのが一番保存性が高いと思われますが、それでも塩分が気になるという場合には、減塩を考えるのもいいでしょう。

減塩梅干しというのは、大きく分けて2つあります。
・梅を漬ける時に塩を減らす
・梅干を作った後に塩分を減らす

塩分量によりますが、単に減塩にすると梅はすぐに傷んでしまいます。
梅干しとして一定期間でも保存することは難しいでしょう。

それなら市販の減塩梅干しはどう作っているのか、ということになりますよね。
もちろん減塩しても傷まないようにする方法というのがあります。

しかしながら、本来の梅干しと同じように長期間保存とはいきません。
ある一定期間くらいは持ちますよ、という限定ものです。
ですから、減塩梅干は家庭で作るときにも1年を目安に食べ切るようにします。

2.1 梅を漬ける時に塩を減らす

これは、梅の塩漬け時に、はじめから塩を減らして作る方法。
家庭で梅干しを漬けるときには、こちらの方法で漬けることも多いでしょう。

(1) 塩をただ減らしてみる

塩をただ減らしてみるのは簡単。
しかしその分傷まないように、維持するのが大変です。

実際に塩だけで漬ける場合には塩分18%を切るのは難しく、15%になれば傷む危険も増えてきます。梅を傷ませないようにするためには、冒頭で書いたように微生物が好む環境にしないよう、何かしらの工夫が必要でしょう。
ですから現実的には、塩を減らした分、別のもので補うことが必要になってきます。

(2) 減らした塩の分、別のもので補う

塩を減らすと、まず梅の水分が出にくくなります。
梅は自らの水分(梅酢)に浸かることで傷みにくくなるのです。
ですから梅を漬けたらまず、梅酢を多く出すことが大事。

そこで使えるのが、焼酎(アルコール度数35度以上)や酢。

これらを塩漬けに添加することで、梅酢の呼び水となり、抽出させやすくすることができます。さらにアルコールや酢には抗菌力があるため、梅を傷ませないよう保持することが可能なのです。

そして梅を天日に干してしまえば、梅の成分は凝縮される上、太陽の光で殺菌されるので、塩を減らしたとしてもある程度は保存性が保たれるのです。

しかしどのくらい持つのか、というのは塩分濃度によるし製法にもよることでしょう。

2.2 梅干しを作った後に塩分を減らす

はじめに濃い塩分で塩漬けして梅干しを作った後、塩分を抜いて作る方法。
これは家庭でも行う方法ですが、市販の梅干しは殆どこの方法を用いるようです。

(1) 塩抜きをする

梅干しの塩を抜く方法は、水に一定時間、梅干しを浸しておくだけ。
これだけで梅干しの塩分を減らすことができます。

しかしこれには注意が必要です。

塩抜きをした梅干しは塩が抜けるのはもちろんですが、余計な水分も含んでしまうことになります。そのため、傷みやすくなってしまうのです。

すぐに食べたり料理に使う場合にはいいのですが、長く置いておきたい場合には不向きなので、使うたびに使う量ほど塩抜きすることをおすすめします。

(2) 失った保存性を別のもので補う

塩抜きは、水に浸けておく時間の長さで、塩の抜ける具合をある程度調整できます。
初めてやる場合には時折、味見をしてみるといいでしょう。

しかし塩を抜けば抜くほど水っぽくなり、味も保存性もなくなります。
それは塩とともに梅の成分も抜けてしまうからです。

ほどほどの塩抜きした梅干しなら美味しくいただけます。
しかし塩分をかなり抜いた場合の梅干しはどうするのか。

次のような方法があります。
・好みの味を調合したつけ液に漬け込む
・好みの味付けをして煮る

このような方法で減塩するとともに、また違った味付けの梅干しを味わうことができます。
しかし保存性は無いに等しいので、早めに食べきるようにします。

(3) 食品添加物などによるもの

これは市販の調味付け梅干しのことです。
家庭では出来ないことですので、ご参考までに。

市販の調味梅干しの多くは、高塩分で梅干しを作った後、塩抜きして塩分量を下げます。
どのくらいの塩分を抜くかでも違いはありますが、そのままでは味は薄く風味も薄れるために、独自の調味液の中に漬込みます。

そしてもちろん保存性も薄れてしまうので、一定期間持たせるための調合がなされているわけです。そうしてだいたい賞味期限が6ヶ月くらいになるのでしょう。

ここで一つ、誤解があるといけないのですけど。
「調味梅干」という名称の商品が全て、食品添加物が使われているというわけでは無い、ということを書き添えておきます。
どんな方法で減塩するのか、保存性を維持、あるいは持つようにするのかは、それぞれの業者さんの手法によるもの。皆が同じというわけではないようです。

3. 梅干しを腐らせないために

梅干しは作り方によって腐る・腐らないが別れます。
しかし気にすべきはそれだけではないのです。

梅干しが出来上がった後の保存についてはどうでしょう。
保存状態がどうであるか、ということも梅干しを腐らせないための大事な要素の一つなのです。

3.1 保存したその後は?

梅干しが完成すれば、きちんと洗って乾かし、消毒をした保存容器に入れます。
これは当然のこと。そしてその後の扱いも肝心です。

保存容器から梅干しを取り出す時には、清潔な道具を使うこと。
間違っても口につけた箸で取り上げるなんてことは絶対にしませんように。

清潔な道具というのは、例えば、洗ってよく乾かした菜箸などのこと。
一回一回、そうした細かいことを気をつけているだけでも、保存状態は違います。

3.2 日常的な梅干しの取り扱い

適切な方法としては、保存容器から取り出すのは、扱いが慣れている人と決める。
そして数日間で食べる量ほど、別の容器に入れて食卓に出しておくといいでしょう。

家族がご飯の時に取り出すのは、その容器からのみにすること。
それでも直接口を付けた箸ではない方が望ましいので、菜箸などを置いておくといいですね。

このようにちょっとした気遣いをするだけでも、梅干しは随分と長く持ってくれるのです。減塩の梅の場合は特に気をつけましょう。

4. 後記

ここまでの話で、もうわかりましたよね。

「梅干しは腐るのか?」

答えは、腐る。

本来保存食である梅干しは、保存食足り得る製法で作られていました。
だから梅干しは何年、何十年、何百年と傷まず食べられるような、スーパー保存食なのです。

それが近年の減塩ブーム?減塩志向により、その製法が崩されてきたのです。
そのような作り方をした梅干しだから、短期間しか持たない梅干しに仕上がるのは当然のこと。

なので「梅干しは腐るのか?」というその答えはやはり
「製法によるよね」ということになりますね。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。

あなたの作る梅干しが、最後の一つまで美味しく食べることができますように。
ではごきげんよ~うヽ(´ー`)ノ

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