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調味梅干しとはどういうものか、ラベルを見て選びましょう。

この記事を読むのに必要な時間は約 17 分です。

市販の梅干しには、調味梅干しが多くあります。

調味梅干しというのは、
見た目だけではわからないのですが
昔ながらの梅干しとは異なるもの。

元の梅はたとえ同じものであったとしても、
その加工段階で塩分を抜く処理をするために、
梅の栄養成分もあるていど抜けてしまうのです。

梅干しというと、健康食品にあたるもの。
しかし全ての梅干しが同じかといえば、
全くそうではないのです。

今回は、そんな調味梅干しについて
書いていくことにします。

それでは、いってみましょう。

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調味梅干しとは

調味梅干しとはなにか。

調味梅干しとは一般的に、塩漬けして干して
作った梅干しを、水や湯につけて塩抜きをし、
調合した調味液に漬け込み作るもの。

なぜ調味梅干しなのか

なぜ調味梅干しを作るのかといえば、
理由はいくつかあるでしょう。

まず第一の目的は、減塩にすること。
そして次に、消費者の好む味付けをすること。

昔の梅干しは塩っぱい。
健康のためには、減塩が必須だといわれるよう
になってからというもの、漬物類に使われる
塩の量は減り続けているそうです。

昔と今とでは、日本人の労働も変わってきて
おり、塩分を多く取る必要もない人が増えて
いるということなので、時代に合っていると
いうことなのでしょう。

そのためか、現代の梅干しに慣れている人たち
は、昔ながらの塩っぱくて酸っぱい梅干しは
キツすぎて食べられない、というようです。

人の体も味覚も変わってきているのですよね。

問題はあるのか

調味梅干し。
これが今の時代に合っていて、
人々が好むものならばよさそうなもの。

では何が問題なのか。
少なくとも2つはあると思います。

  • 塩分を減らすために脱塩する
  • 塩分を減らせば保存が利かない

塩を減らすというだけで、他の問題が
出てくるのです。

◇ 塩分を減らすために脱塩する
→脱塩すると、梅の成分も抜ける

塩分を減らすためには、脱塩処理をする。
しかしこの処理をすると、梅の成分もある程度
抜け出てしまいます。

梅の成分が抜け出るということは、
梅の栄養成分が失われるということ。

もちろん梅独特の味や酸味、風味なども。

つまり脱塩処理をする工程があるために、
調味梅干しには、梅の栄養などがどれほど
残っているのかという疑問が出てくるわけです。

◇ 塩分を減らせば保存が利かない
→保存性を補うためには代わりのものが必要

梅干しを作る上で、塩を減らすということは
保存性を損ねるということ。
梅は塩分を減らせば簡単に腐ってしまいます。

梅干しが何年も何十年も、何百年も状態を保つ
スーパー保存食だといわれる所以は、
梅の成分とともに、塩の量が効果を成しているからです。

では塩分を減らし、梅の成分も失われた梅干しは、
どうやって保存性を保っているのでしょう。

それは、脱塩処理をしたあとで特別な調味液に漬けるのです。

調味液とは、脱塩で失った梅の酸味や風味など
味を調整するとともに、保存性を維持するための
物質などを調合したもの。

その物質は、保存料やpH調整剤などの
食品添加物であったり、類似の効果が得られる
物質を使っているのです。

梅干しと調味梅干しの塩分

普通の梅干しと調味梅干し。
その塩分量はどのように違うのでしょう。

塩だけの梅干し

梅干しは本来、梅を塩漬けにして干したもの。
とてもシンプルな作り方なのです。

他にあるとすれば、赤紫蘇を入れるくらいで
あとは何も必要がない。

梅は収穫されるとまず、塩漬けにされる。

塩だけの梅干しの多くは、
梅の重量に対して塩分18%以上で作られたもの。
これなら常温(冷暗所)で長期間の保存ができます。

市販されている梅干しで塩だけで作られたもの
ならば、だいたいこのくらいの塩分でしょう。

調味梅干し

調味梅干しの場合は保存がきかない。
その都度処理しては、出荷する形でしょう。

しかし梅が収穫できるのは年に一時期。
梅が収穫されるとすぐに塩漬けにされる。

梅を漬けるときには、
塩分にむらが出てかたよってしまうと、
傷んでしまう心配もあるため、念のために
22%~25%の高い塩分で漬けるといいます。

高い塩分で漬けるのは、管理に手間をかけず
コストを抑えるためもあるでしょう。
こうして塩漬けにして干し、できた梅干しは
何年でも長く保存ができるもの。

塩分が高くても、どのみち脱塩してしまうのでいいのです。

年に一度の収穫期しかない梅であっても、
いつでも必要なときに必要な量を取り出し、
脱塩して調味液に漬け込むことで、
調味梅干しに加工することができるのです。

現在、スーパーなどで出回っている梅干しは、
塩分8%前後が主流ではないかと思います。
極端なものだともっと塩分の少ないものが
ありますよね。

しかし塩分を減らすのと引き換えに、
そもそも目的であるはずの梅の成分を減らしている。

梅干しの塩分が全てではないはずですから、
なにか本末転倒のような気がします。

栄養成分は

梅干しと調味梅干し。
その栄養成分はどれほど違うのでしょう。

抜ける梅の成分

…と言ってはみたものの、
これは一概にはわからないものです。

なぜなら梅干しの栄養成分は、梅の品種や
育った場所、収穫の時期などで皆違うため。

そして調味梅干しにしても、加工方法が違えば
全て違うものになるためです。

それはどんな野菜や果物にしてもそうですよね。

ただはっきりしていることは、
調味梅干しで塩抜きの工程がある場合には、
普通の梅干しと比べると、ある程度の梅の成分
が抜け出ているでしょう、ということ。

「塩抜きの工程があれば」ですよ。
そして塩抜きの方法や時間によっても
流れ出る成分の量は違うのです。

一括にはできない

「調味梅干し」とこれまで一括にして
書いてきましたが、全て同じ作り方ではなく
違うものもあります。

「塩抜きをしない作り方」をしている
業者さんもあるのです。

全ての業者さんが加工の工程を明かして
いるわけではないので、どれほどの割合で
塩抜きの工程がない加工がされているのか
定かではないのですけど。

とにかく調味梅干しの全てが同じ加工方法
ではないということ。

つまり全ての調味梅干しが、梅の成分を
失っているものではないということです。

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調味梅干しには種類がある

先程書いたとおり、
調味梅干しの加工にはいくつか異なる点が
あり、異なる種類があるようです。

◇ ごく一般的な調味梅干し

  • 梅干しを脱塩、調味液に漬けたもの

◇ ちょっと違う調味梅干し

  • 梅を調味料に漬けたもの
  • 減塩で塩漬けし、調味料に漬けたもの

ただし「ちょっと違う調味梅干し」の
加工方法については、すべての業者さんの
加工がこうだというわけではないのでご了承ください。

ごく一般的な調味梅干し

これは一般的な調味梅干しの工程。
一度塩漬けした梅を脱塩して作るもの。

梅干しを脱塩、調味液に漬けたもの

(1) 梅を塩漬けにする
収穫した梅を、梅の重さの22~25%くらいの
塩で1ヶ月程度漬ける。

(2) 塩漬け梅を干す
塩漬けした梅を数日間干す。
干したものを白干し梅という。

(3) 白干し梅を脱塩
水や湯に数時間浸すなどし、塩分を抜く。
※塩とともに梅の成分もある程度抜ける。

(4) 調味液に漬ける
脱塩した白干し梅を、調味液に漬ける。

調味液は、味や香りなどの風味付けとともに、
保存性を持たせるために調合した漬け液。

※この調味液にどういったものを使うのか、
ということも重要。

市販の調味梅干しの多くが、食品添加物による味と風味付け、保存剤などが含まれる。

ちなみに調味梅干しは家庭でも作れるもの。
脱塩してのちは、好きな調味料に漬けるだけ。
保存性については少量作れば問題ない。

ちょっと違う調味梅干し

次に、先程の調味梅干しとは違った方法。

  • 梅を調味料に漬けたもの
  • 減塩で塩漬けし、調味料に漬けたもの

現在ではいろいろなことが見直されており、
調味梅干しでも塩抜きをせずに済む方法で
作られたものもあるようです。

つまり初めから塩を減らして保存性も保つ
という漬けかたをしているということ。

その業者さんたちの具体的な加工方法という
のは不明なのですが、家庭でも似たようなもの
を作ることがあります。

その家庭で作る方法を元に、原材料表示と
塩分濃度を見てみれば、こんな作り方であろうと思います。

梅を調味料に漬けたもの

(1) 梅を調味料に漬ける
収穫した梅を、調合した調味料に一月以上
漬け込む。

塩分を控えた量にし、別の調味料によって
保存性を補えるように調味料を調合する。

例えば、焼酎や酢などを一定量以上入れる
ことで、塩が少なくても保存性をある程度
保つことができるのです。
これは減塩梅干しを作るときに使う手法。

(2) 天日に干す
梅を天日で数日間干す。
調味梅干しの完成。

最終的に干すことにより、保存性は増します。

減塩で塩漬けし、調味料に漬けたもの

(1) 少なめの塩で梅を漬ける
収穫した梅を、少なめの塩で漬ける。
減塩すると梅は痛みやすいため、補助的に
焼酎を入れて補う。このまま一月漬け込む。

(2) 天日に干す
梅を天日で数日間干す。(白干し梅)

(3) 調合した調味料に漬ける
調合した調味料に減塩の白干し梅を漬け込む。

できるだけ保存性を保てるような調味料を
含めて調合したものに漬け込む。

以上のような方法ならば、塩抜きをしなくても
減塩の調味梅干しができるわけです。

脱塩しないので梅の成分が流出してしまう
ことはないし、味付けや保存のために
食品添加物で補うということもないため、
安心できます。

この違いを見分けるためには、
パッケージの表示を見ることは大事です。

普通の梅干しとの違い

ここまで調味梅干しについて書きましたが、
では実際、普通の梅干しと何が違うのかを
まとめてみます。

普通の梅干しと比べて調味梅干しは?

脱塩したものの場合

  • 塩分が少ない
  • 梅の成分が抜けている
  • 味や風味は食品添加物で補われている
  • 保存性は食品添加物で補われている
  • 食べやすい(人による)

脱塩して梅の成分がある程度抜けて、
食品添加物で酸味・味・香りなどが補われて
いる…一体何を食べているのかと思います。

最後に「食べやすい(人による)」と書いたのは、この味を受け付けない人も居るため。
私もその一人で…後味がよくなく、ずっと口に変な味が残るのがだめ…。

脱塩しないものの場合

  • 塩分が少ない
  • 梅の成分は変わらない
  • 味や風味は梅と調味料による
  • 保存性は調味料の調合による
  • 食べやすい

この場合、調味料に食品添加物が使われて
いないものなら、特に心配することはないのでは。

通常の梅干しと調味梅干しを見分けたり、
食品添加物の有無を見分けるためには
ラベルに記載されている表示を見るといい
でしょう。

梅干しと調味梅干しの区別

市販の食品には、内容の表示が義務付けられて
おり、梅干しと調味梅干しについても区別し、
表示するように規定されています。

品質表示基準制度

「品質表示基準制度」は義務なので、
必ず表示がされていなければならないもの。

梅の加工品については、農林水産省の
「農産物漬物の日本農林規格」により
次のように定義されている。

【梅漬け】

農産物塩漬け類のうち,梅の果実を漬けたもの又はこれを梅酢若しくは梅酢に塩水を加えたものに漬けたもの(しその葉で巻いたものを含む。)。

【梅干し】

梅漬けを干したもの。

【調味梅漬け】

梅漬けを砂糖類,食酢,梅酢,香辛料等又はこれらに削りぶし等を加えたものに漬けたもの(しその葉で巻いたものを含む。)。

【調味梅干し】

梅干しを砂糖類,食酢,梅酢,香辛料等若しくはこれらに削りぶし等を加えたものに漬けたもの又は調味梅漬けを干したもの(しその葉で巻いたものを含む。)。

出典:農林水産省/農産物漬物の日本農林規格(PDF)

上記を読むと、その違いと定義付けがわかるでしょう。

食品ラベルの表示を見てみると、
名称には梅干しとか調味梅干しなどと書かれ
ているので、これを見ることでどちらなのか
がわかります。

なお、「調味梅干し」が認められたのは、
1973年のことだということです。
今から47年前…なるほど、国民の多くが
調味梅干しに慣れきっているのも頷けます。

食品添加物の表示

食品添加物の表示についても義務があり、
原材料とともに表示されていなければならない
もの。

梅干しを選ぶ際には、食品表示ラベルを
確認するようにすると、だいたいどんなもので
漬けてあるのかがわかります。

これでどんな感じの味付けのものなのか、
わかるものもありますし。

食品添加物に詳しくなくとも、
一般家庭で見かけないもの、使わないものが
表示されていれば、食品添加物や科学的に
処理をしているものの類だと考えられます。

食品添加物をあるていど許容するならば
詳しく知る必要もありますが、
まずはラベルを確認して知るということが
大事だと思います。

後記

さて今回は、調味梅干しについて
書いてみました。

市販の梅加工品は調味梅干しが多いですね。
塩だけで漬けた梅干しって、スーパーでは
なかなか見ないなと思います。

こういうときにはやはり、ネット通販が便利。

梅の原産地や原材料表示が細かく書かれている
サイトを見ると好感が持てるし、選びやすい
ですよね。

調味梅干しであっても、食品添加物が使用
されていないものもあるようですし、
じっくり検討できるのが通販のいいところ。

塩だけで漬けた梅干しは塩っぱくて酸っぱい。
ご飯のお供としてでないと、かなりきつい。
単独で食べるというのはできないですよね。

それに比べて調味梅干しの良さは、味がきつく
ないのでお茶請けにも食べられるということ。

しかし私は市販の調味梅干しはちょっと…
ということで、ウチではもっぱら家で食べ
やすい梅干しを作るというのが今の目標。

家で漬けるのはちょっと…という場合には、
やはりラベル表示を見て選ぶのがいいでしょう。

それでは今回はこのへんで。
ここまでおつきあいくださいまして
ありがとうございます。

あなた好みの梅干しが見つかるといいですね~ヽ(´ー`)ノ

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