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梅干しは塩の量を減らせばカビが付く。それを防ぐためには?

この記事を読むのに必要な時間は約 16 分です。

梅干しの塩の量とカビ対策。

梅干しを漬ける時の塩分量というのは
概ね決まっています。

通常は、梅の重さの18%の重さの塩で
漬ければよく、塩の濃度ムラを考えると
それ以上の20%~22%くらいの塩分量で
漬ければ安心できるといいます。

では塩の量を減らした場合はどうでしょう。

 

カビが発生しやすいのは
塩分が18%を切るあたり。

これでは塩分18%未満の減塩梅干しは
成立しない気がします。

それでは一体どうすれば、カビが付かずに
減塩で梅干しが作れるのでしょうか。

 

結論としては、
塩の他に補助剤的なものを添加します。

それは焼酎や酢。

減塩梅干しのレシピに、
焼酎や酢が入っているのはそのため。

 

しかし減塩梅干しをカビから守るためには、
作る工程や保存、使用時など、各工程の
ちょっとしたことでも差が出てくるのです。

今回はそんな、
減塩梅干しでカビを生やさないための対策
について書いていきます。

 

それでは一つずついってみましょ~。

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梅干しを漬ける塩の量とカビ

まずは基本的なことから。

梅干しを漬ける時に必要な塩の量は?
梅の重量の18%

これは塩だけで漬ける、
ギリギリの線だと思いましょう。

塩分18%を切れば、
梅が大好きなカビは活動できてしまいます。

カビの活動を抑えるためには、補助として
塩以外に焼酎(アルコール35度以上)か酢を
添加します。

これで抗菌性を上げて
梅が傷まないように保たせるのです。

そして漬け方などの工程も
注意しておきましょう。

でないと、カビはスキを突いて
喜んで繁殖していきますよ~。

そうはならないように、
できることをしていきましょう。

減塩で漬けるときにカビさせないために

減塩で梅干しを作るには、
カビにスキを与えないことが大事。

各工程で、カビが繁殖しにくい環境を
作っていきます。

  • 使う容器
  • 漬ける前
  • 漬けるとき
  • 漬けた後
  • 塩漬け時の置き場所

使う容器

梅を減塩で漬ける時には、極力空気を
遮断できるものを使うといいです。

カビは繁殖をするのに酸素を必要とします。
酸素が少なければカビが繁殖しにくいのです。

  1. 瓶(ビン)
  2. 甕(カメ)
  3. 漬物用の樽
  4. 漬物用ビニール袋

a~c.の容器は、漬ける量に比べて
容器が大きすぎないように
丁度いい大きさを選ぶといいでしょう。

 

甕と漬物用樽は、重石を乗せるために
フタを閉められない場合があります。

ホコリよけに新聞紙をかけたりしますが、
減塩で漬ける場合には、空気が通りやすい
状態では心配です。

新聞紙を被せるなら容器のフチに
紐で括るとか、あとはラップをするとか
ビニール袋で覆うなど、

極力外部の空気を入れないように
フタをしておくといいでしょう。

 

空気を入れないために一番いいのは、
漬物用のビニール袋を使う方法ですね。

空気を抜くのも遮断するのも、
一番やりやすいです。

ビニール袋を使うと、なにかと柔軟に
対応できることが多いので、かなりラク。

減塩梅干しをラクに漬けるなら、
ビニール袋がおすすめです。

漬ける前

梅を漬ける前には、
カビなどの微生物を繁殖させないために
特に注意を払って準備をします。

  • 容器の洗浄、消毒、乾燥
  • 梅の洗浄、乾燥

基本的なことですが、これを徹底するだけ
でもずいぶん違うでしょう。

 

(1) 容器の洗浄、消毒、乾燥

とくに梅を漬ける容器は
きれいに洗って消毒。

そして必ず気をつけるのは、乾燥。

梅を入れる前には、水滴が付いていることの
無いよう、事前によく確認しておきます。

 

(2) 梅の洗浄、乾燥

梅は流水でよく洗い、
表面の水滴が乾くようにしておきます。

漬けるとき

カビを発生させないためには、
早く梅酢(梅の汁)を抽出させることが大事。

そしてその梅酢に、
梅全体が早く浸かるようにします。

そのためには、梅酢が出やすい状態にして
梅を漬け込む必要があるのです。

梅干しは次の手順で梅を塩漬けにします。

  1. 梅を焼酎(35度以上)や酢に浸す
  2. 梅に塩をまんべんなく付ける
  3. 焼酎や酢を添加する(減塩で漬ける場合)

梅を漬け込む前には、
梅の表面やヘタ(なり口)のあたりに
水滴が残っていないか確認し、残っていれば
拭き取ってしまうといいでしょう。

 

1. 梅を焼酎(35度以上)あるいは酢に浸す

梅を焼酎に浸けることにより、
消毒するとともに塩の付きをよくします。

焼酎の代わりに酢を使うのもいいでしょう。
アルコールを使いたくないので、
全て酢で行うという方もいらっしゃいます。

 

2. 梅に塩をまんべんなく付ける

梅を容器に入れる前に、
あらかじめ梅に塩をまぶしつける。
これをやるかやらないかで、随分違います。

 

3. 焼酎や酢を添加する(減塩で漬ける場合)

焼酎(あるいは酢)と塩を付けた梅をすべて
容器へ入れ、漬け材料の分量内の残った塩と
焼酎(あるいは酢)をすべて入れる。

焼酎や酢は、梅酢を早く抽出させるための
呼び水としての役割もあります。
添加するタイミングは、梅を入れた直後、
あるいは梅酢が上がってきてからでも
いいようなので、お好みで。

焼酎や酢を入れる分量は、だいたい
梅の重量の5%~10%くらいでいいでしょう。

漬けた後

梅の漬込みが終われば、
ときおり梅の様子を見ます。

減塩で漬けるときにはなおさら、
塩漬け後しばらくは確認が必要。

なぜなら減塩で漬ける場合には、
梅酢が抽出しづらいからです。

 

(1) 梅酢を早々に抽出させる

梅から梅酢を抽出させるには、
次の方法があります。

  • 容器ごとゆっくり回し、梅を梅酢に浸らせる
  • 重石を乗せて圧力をかける

これらは通常行うことですが、
減塩時にはなおさら梅酢が出にくいため、
よく様子を見ておき行います。

→ 梅酢に浸らせる回数を増やす
→ 重石を少し重くする

なかなか梅酢が上がらないときには、
日に何度か梅が梅酢に浸るように
容器を回します。

梅酢に浸らせると梅酢の抽出を促すとともに
梅が傷みにくくなります。

 

しかし大容量で漬ける場合や重い容器の
場合には、容器を動かすのは大変。

この場合、重石を少し増やして
梅酢を早く抽出させるよう促します。

あまり手間をかけられなかったり
面倒だと感じるならば、
酢を追加して様子を見てもいいでしょう。

 

(2) 梅酢に浸かること

梅酢がたっぷりと抽出されて
一番上の梅の頭が出なくなったら大丈夫。

そのまま冷暗所に静置して
干す時期まで待ちます。

瓶容器などで重石をせずに漬けている場合、
一番上の梅がしばらく梅酢に浸っていた
としても、そのま置いておくうちに
梅酢の量が減って、梅の頭が出てしまって
いるということがあります。

これは再び梅が梅酢を吸収して
しまっているだけ。

瓶では密閉している状態なのでそのまま
放置でもすぐに問題は出ないのですが、
基本的には梅酢に浸かって濡れている状態が
一番いいので、ときおり梅が梅酢に濡れる
ように容器を傾けてあげるといいでしょう。

(とくに減塩で漬けている場合には
しておいたほうがいい)

塩漬けの期間に、梅が梅酢に浸っていたか
というのはとても大事なこと。

この違いで、その後の状態が違ってくる
といってもいいでしょう。

 

  • 浸かりがよくない
    干す時期までもたないことも。

 

  • うまく浸かっていない
    梅干しに仕上がっても
    すぐに傷んでしまうことも。

 

  • うまく浸かった
    無事に梅干しに仕上がり、保存性もある。
    減塩の場合は1年、あるいはそれ以上保つ。

 

減塩梅干しは、1年保てばいいかな~
くらいに思っておきましょう。

冷暗所(常温)で1年置いて、
その年の夏を超えられるかどうか。

やり方と塩分量によっては
数年でも保ちますが、

心配ならば翌年の夏を迎える前に使い切るか
冷蔵庫に入れて早く消費してしまうほうが
いいでしょう。

同じ容器で同じように漬けていたのに
と思っても、漬かりムラもあります。

減塩梅干しは干す日が来るまで、
時折様子を見ておきましょう。

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塩漬け時の置き場所

梅の漬け込み時の置き場はもちろん、
冷暗所。

…といいたいところですが、
塩の量にもよります。

うちで試したのは塩分8%までですが、
これは常温(冷暗所)でも大丈夫でした。

10%は何度も作っているので
不安感もさほどないのですが…。
更に塩分の少ないものはどうなのか。

 

低塩で漬けたものは冷蔵がいい
と書かれている書籍もあります。

対して、ある程度温度のある方がいい
という話もあります。

超減塩で漬ける場合には、
そのレシピに沿った方法というものが
あるでしょうから、一度はそのレシピ通りに
従い作ってみるのが一番いいでしょう。

 

塩分濃度や作り方以外には、
それぞれの地域や家での保管場所の
環境など、さまざますべてが違います。

実際には、自分のところの環境と状況とで
試してみないとわからないことも
あるのです。

なので塩分◯%までなら大丈夫、
と一律にしては言い難いですよね。

減塩しなければ
普通に冷暗所で大丈夫なのですけどね~。

干すとき

塩漬け期間の約一ヶ月間を
無事に過ごせたのなら、次は干す作業。

土用の、暑くてカラッとした日に
干し上げます。
(土用の期間でなくてもいいけど)

晴れていてもジメッと湿度が高かったり、
微妙な天気だったりするときは
やめておきます。

カラッとした日に干したなら、
干すときにカビが出るというのは
考えにくいもの。

ある程度干せば梅の水分も抜け、
梅の中の酸と塩が凝縮されて
濃度が高まります。

ここまでくれば、ようやく梅干しの完成。

保存するとき

減塩梅干しができあがれば
ほっとするかもしれないですが…。

しかしここから気を抜かないように。

保存する容器はきれいに洗って乾かし、
消毒もしておきます。

そして保存場所。

 

これもまた塩の量にもよりますが、
10%以下ならば冷蔵保存が無難だと
いわれています。

しかし冷蔵したからといって
傷まないわけではないということ。

保存中にカビが付く可能性もあるので
注意が必要です。

 

減塩梅干しは傷むものだと
意識しておきましょう。

そしてなるべく一年くらいで
使い切るようにします。

 

ちなみに、傷んでいるかどうかの判断は
カビだけではないのです。

匂いや状態、味が変だと思ったら
廃棄しましょう。

使うとき

減塩梅干しを使うときにも、
カビを付かせないために気をつけることが
あります。

  • 保存容器からたびたび出し入れしない
  • 冷蔵庫保存なら
  • 直箸を使わない

保存容器からたびたび出し入れしない

保存時には、できた減塩梅干しをまとめて
保存容器に入れていると思います。

使うたびに保存容器を開け締めすると、
たびたび空気の出入りがあるわけですが
これはよろしくない。

毎日のように食べる場合には、
近いうちに食べ切れる量を小分けの容器に
入れておき、そこから出し入れをすると
いいでしょう。

小分けする場合には、きれいに洗って
乾燥した菜箸などを使います。

冷蔵庫保存なら

冷蔵保存している場合には、
小分けした容器からそのときに使う量だけ
取り出し、すぐに冷蔵庫にしまいます。

夏場などは特に温度差があるので、
小分け容器を出してしばらく食卓に置くなど
してしまうと、容器や梅が汗をかいて
しまいます。

なるべく変化のないうちに
冷蔵庫に戻すほうがいいでしょう。

直箸を使わない

小分けした容器から減塩梅干しを使う場合
にも、ご飯を食べている箸で直接取らない
ようにします。

菜箸などを使うのが一番いいのですが、
まぁ面倒だな~と思えば、
取り出す梅干し以外に自分の箸が触れない
ように…ね。(ずぼら~な方法ですね…)

直箸を使わないほうがいいのは
減塩に限らずですが、
梅干しに直接菌を付ける行為になるので
とくに避けましょう。

後記

今回は減塩梅干しを作るときに、
カビを付かせないための対策について
書いてみました。

減塩梅干しの塩分量は、最低でも10%までで
留めることをおすすめします。

そして必ず、焼酎か酢を補助で
入れておきます。

これだけで保存性は随分と違うものです。

というより、常温では補助的なものを
添加しないともたないのです。

 

塩分を減らせば味も変わる。

塩分10%で梅干しを作っても、
酸っぱいばかりが目立ちます。

これが好みの場合はいいのですが、
そうでなければちょっと食べにくい。

そしてもし、8%、6%、3%…と減塩するなら、
カビさせないためには空気を遮断するほうが
いいので、ビニール袋を使うのが
一番いいでしょう。

というより、他の容器で作るのは
むずかしいかも。

 

正直言えば、あまり極限のような減塩も
おすすめできないのですよね。

傷むかどうかの微妙なところの保存食を
あえて作るというのも…

なんだか矛盾しているしどうにも心配です。

作っているときも心配。
出来上がって保存をしていても心配。

 

減塩梅干しを作るなら、
減塩する意味を考えてみましょう。

それほど減塩にこだわる理由がなければ、
ほどほどにしておくのがいいでしょう。

極限を攻めていく必要は全くないのですから。

それでは今回はこのへんで。

ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

あなたの減塩梅干しが
うまくできますように~ヽ(´ー`)ノ

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