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梅は中国産を使った加工製品が多い。安全性が気になるよね。

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

梅の原産地、中国産は安全なのか。
梅干しを買ったら中国産だった。

食べて害はないのか、大丈夫なのか。
中国産の〇〇。

 

よく耳にするのは、安全性への不安。

これは過去のできごとからの
マイナスイメージが多いためでしょう。

実際は、過去と現在とでは
随分と状況が変わってきているようです。

しかし詳しい情報はあまり報道もされない
ことから、現状がわからないまま
過去の印象だけが残る。

そのために不安はいつまでも
つきまとうのです。

 

ということで今回は、
中国産の梅にまつわることについて
調べてみることにします。

それでは、いってみましょ~。

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中国梅の輸入

梅の輸入が始まったのは、1962年台湾から。

1980年代には健康食ブームなどで
梅の需要が伸びるとともに、
国内の生産量が急激に増え、輸入量も増加。

当初は台湾からの輸入が多かったが、
台湾よりも安価に生産できる
中国からの輸入量が増えていき、
1990年代半ばには逆転。

その後も大幅に増加を続けるが、
2000年代半ばをピークに減少し続けている。

その理由としては、需要の減少や
原産地表示の義務付け(2001年)、
残留農薬問題(2002年)などがあるようです。

しかし現在でも輸入梅の割合は、
中国産が9割以上を占めている。

中国の梅の品種

中国産の梅の品種に違いはあるのか。

そう思い調べてみると、
やはり土地が違えば品種も違うものですね。

日本に輸入される代表的な中国の品種は、
次の2種。

  • 青竹梅(アオタケウメ)
  • 白粉梅(ハクフンバイ)

これらは日本人も好む品種だということ。

 

そして品種改良種として生まれた品種が

  • 白粉青竹梅

次に、日本から中国へ
逆輸入品種として植栽されたのが、
梅干しに最適と有名な品種の

  • 南高梅

南高梅については、質の良いものならば
日本産と比べてもわからない、
ということのようです。

輸入梅の加工と表示

輸入梅は当初、主に加工業者向けとして
作られていた。

しかし現在ではほとんどが、消費者向けの
製品として輸入されるようです。

輸入梅の加工

輸入梅は、生の青梅の状態ではなく、
主に加工された2通りの状態で輸入される。

  • 塩漬けして乾燥させたもの(白干梅)
  • 白干梅をさらに加工し製品化したもの

以前は白干梅の状態で輸入し、
国内で製品加工されることが多かった。

しかし2000年代に入ると、
後者のように現地で製品化されてから
輸入される割合が増えたということです。

これには、ある理由がある。

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原料原産地表示の義務化

梅を輸入する形態が変わった、その理由は
「原料原産地表示」の義務化によるもの。

〔2001年以前〕

  • 白干梅を輸入

中国現地で白干梅にする理由は、
保存性を考慮してのこと。

生のままでは、数日から数週間かけて
輸送しているうちに梅が傷んでしまうため。

これはごく当たり前の流れですよね。

では、国内で加工する理由は?

 

当時は外国産の梅を使っていても、
国内で何かしらの加工をすれば「〇〇県産」
などという表示ができていた。

つまり日本で最終加工をすれば、
中国産ではなく、国産と表示できるのだから
多少のコストがかかったとしても
国内加工をしたほうが得策というわけです。

〔2001年10月以降〕

  • 梅を製品化してから輸入

今ではこれが主流となっているようです。

2001年10月から法が改正され、
梅干しについては原料原産地表示が
義務付けられた。

原料が中国産ならば、
たとえ日本国内で加工したとしても
原料の原産国は中国と記載しましょう、
ということ。

このため、コストをかけて国内で加工する
意味はなくなり、中国国内で製品化までが
行われることが多くなったのです。

なんだか変な話ですよね。

 

現在では、梅干しについては
原料原産地表示がされているので、
国内産と書いてあるのに実は中国産!という
ことはなくなりました。
(偽装されていないと信じるならば…ね)

 

余談ですが、梅干しなどいくつかの加工品
以外では、国内で何かしらの加工をすれば
国産と表示できる、というものがしばらく
続いていたのですが…

他の加工品においても改正(※)が行われる
ことになりました。

※2017(平成29)年9月1日~2022(令和4)年
3月31日までを猶予期間として、
全ての加工食品において
原材料の産地表示が義務付けられます。

農林水産省:加工食品の原料原産地表示制度について

中国からの輸入食品問題

以前から中国産の農産物や加工食品に対する
イメージは、やはりよくない。

それは残留農薬などの問題が
たびたび繰り返されるため。

  • 基準値を上回る残留農薬
  • 無登録農薬の使用
  • 無認可の添加物の使用
  • 有毒有害物質の混入

など。

その他、卸業者による産地偽装などもある。

この場合、たとえ食品の品質には
問題なくとも、産地を偽装する行為自体
イメージがよくない。

過去にこれらの報道を何度も目にしていると
大丈夫だろうかという不安がいつまでも
拭えないのも、致し方ないですよね。

近年は農薬などの対策もされてきており、
随分品質は向上しているということですが…

さて、実態はどうなのでしょうか。

中国農産物の安全性

国が違えば基準が違う。

中国産の農産物は、
やはり安全性が心配される。

中国国内

2002年、日本向けに輸出された
中国産野菜の残留農薬問題があった。

中国では当時、他国へ輸出する野菜だけでは
なく、自国で消費する野菜の安全性も
問われていた。

中国国内で生産された農産物を消費している
香港では、農薬汚染野菜を「毒菜」などと
呼び、大きな問題となっていたようです。

 

中国政府は法を制定し、対策を実施。

食の安全を目指して基準を設け、
全体の底上げを図った。

そして食品に付加価値をつける制度を作り、
認証機関も設置。

流通する野菜を検査し、合格したものだけを
販売、違反があった野菜は処分する。

 

一部地域ではかなり改善されてきては
いるようです。

しかしまだ整備されていない地域では、
そもそも意識的な部分から大きく違うようで
まだ全体に安全とはとてもいえない状況の
ようなのです。

中国国内では今もなお、農薬関連の事件が
多発し、毎年中毒者が数万人単位で発生、
死亡者も数多く出ているという記事も
ありました。

問題は農薬だけではなく
殺菌剤、殺虫剤などの薬剤によるもの、
カビ毒、食中毒菌による汚染なども
あるのです。

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中国の輸出向け農産物

中国国内ではまだ多くの問題があるが、
中国から輸出する農産物は
国内向けとは別に管理されている。

輸出向け農産物の生産については
届け出が義務付けられており、
これは企業にしか認められていない。

企業が生産者と契約して栽培することも
あるが、企業が現地で直接生産管理を行い、
自社栽培という形が取られる場合も多く、
輸出時には企業が自ら検査を行う。

そこに日本の企業も多く参入している。

中国政府は産地の登録・生産・加工・流通
までを管理し、輸出時には検査を実施する
こととなっている。

なお、この検査は日本の基準によって
行われる。

日本の対策

中国からの輸入量が多くなる中、
残留農薬の問題などがあり、
日本国内においても対策が取られた。

法の施行や改正

国内外の農産物の安全性を確保するために、
各法律が施行、改正された。

  • 食品安全基本法の施行
  • 農薬取締法の改正
  • 食品衛生法の改正
  • ポジティブリスト制度の施行

ポジティブリスト制度とは、
すべての残留農薬などについて
基準を決めて対処する制度。

基準が定められていない農薬等が残留して
いた場合、健康を損なう恐れがない一定量を
超えれば流通が禁止される。

以前は残留基準が定められていない農薬
などに対しては、残留があったとしても
流通の規制がなかった。

コワイはなしですよね。

なお、これらの法は輸入食品だけではなく、
国内で流通する全ての食品が対象
とされている。

輸入農産物の検査

農産物や食品等を輸入する事業者は、
自主検査をした上で国に届け出をする。

輸入時に国は、検疫所にて書類審査と検査を
行う。

  • 食品衛生法に適合しているか
  • 食品添加物
  • 有毒有害物質
  • 残留農薬
  • カビ毒

などなど。

なお、直接の検査は全てではなく一部のみ。

 

審査が通らず違反となった場合には廃棄、
または差し戻し。

検査に合格して国内に流通したものは、
国産品とともに地方自治体において
調査される。

これも全数ではなく、一定数を行う。

検査に適合しなかったものは回収され、
廃棄される。

 

検査されているというのは安心できること
ですが、これが全てではないということ。

全てではないからこそ、中毒などの事件が
たびたび起きているのでしょう。

2018年6月、食品衛生法が15年ぶりに改正
されました。
(猶予期間は内容により3年で施行)

どうやら日本は国際基準から遅れている
らしく、今後はより食の完全化を目指し、
情報管理などが徹底されていくようです。

中国産の梅干し

日本企業による輸入梅の開発は
古くから行われていたようです。

1962年、台湾から始まり、中国へ移行。

現在も中国産の梅干しが現地で加工され、
製品化されています。

現地で日本向けの梅干しに加工するためには
日本の加工技術を伝える必要がある。

そのため日本の梅業者が直接
栽培方法や加工方法を指導、
梅や梅製品の品質向上が図られている。

 

ただし、すべての輸入梅が日本企業を通して
作られているわけではなく、
輸入事業者が現地の業者を通して
輸入しているという場合もあるようです。

中国産の梅干しを選ぶ際に心配であれば、
販売会社等が公式サイトなどで
安全性について掲示していることもあるので
確認してみてはいかがでしょうか。

中国の業者であれ日本の業者であれ、
誠実に管理されていることを願うばかりです。

後記

さて今回は輸入梅…主に中国産の梅について
調べてみました。

調べれば調べるほど…
大丈夫っぽいのかな?と思ったり、
やっぱり危ないな…とか
見方により変わる部分もあります。

一部の側面だけを見ると意見は分かれそう
ですが、総合して見ると、まだまだ
気を許せるものではないよねぇ…と。

ただ、しっかり管理されている業者さんも
いらっしゃるようなので、信頼できそうな
ところを選ぶしかないですよね。

 

食の安全性については輸入品に限らず。

日本も怪しい部分はかなりあり、
農薬の残留基準を大幅に緩めることなども
しているようです。

世界から見ると、日本は農薬大国である。

日本産だから信じる、
と鵜呑みにするのは違うと思っています。

今後はますます安全性が問われ、
品質向上が求められるでしょう。

どの国であっても、最終的には食に携わる人
の知識や良心に安全性がかかっています。

 

ただし、農薬や添加物などを
使わざるを得ない事情の一つとして、
消費者側の要求を満たすため、という理由も
あることを覚えておきましょう。

野菜の形や大きさがバラバラでも、
虫が居たり虫食い痕があったとしても
それは仕方のないことなのですから。

 

長くなりましたが、今回はこのへんで。

ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

せっかくの梅ちゃん、安心して
おいしく食べたいよね~ヽ(´ー`)ノ

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