梅子黄(うめのみきばむ)とは
6月も半ばの梅雨のころ。
季節の変化をあらわす
暦の七十二候(しちじゅうにこう)のひとつで
梅の実が黄色く熟すころとあらわしている。
梅の実は、梅の木になる果実。
しかし梅の場合は他の果実のように
生でそのまま食べるということは
ほとんどしないものです。
梅の実は通常、加工して食べるもの。
梅を加工するというと
難しく感じたりすることもあるでしょう。
けれどそんなことはないのです。
通常の食材と同じように、
少しだけ特徴を知って扱えばいいのです。
ここでは梅の実について、
簡単に紹介していくことにします。
それでは、いってみましょ~。
梅の実の時期
梅の実の時期はいつでしょう。
覚えやすい季節でいうなら、梅雨の頃。
梅の実の旬は一般的に、
5月中旬から6月下旬頃といわれており
この期間に順次収穫され、流通します。
日本列島は長いので、梅雨の時期と同じく、
梅の実の旬についても地域によって少しずつ
ずれていきます。
始めに梅が収穫できるのは、沖縄。
沖縄県では梅の生産量は少ないのですが、
収穫はあるようでだいたい4月下旬ころから。
梅の最後の収穫は、北海道か青森か…。
北海道も梅の木は少ないようですが、
7月下旬から8月上旬頃に収穫できるようです。
梅の旬について詳細はこちら
→ 梅の旬はいつ?
梅の時期と状態
一般的に梅の旬は5月~6月頃と書きましたが
この期間、梅はずっと同じではなく
順次出まわる梅の状態は違います。
〔小梅〕
小梅と普通の梅とでは、小梅が早い。
小梅の時期は早く短いので、お早めに。
〔普通の梅〕
早めの時期は若くて硬い青梅。
そして徐々に色の柔らかい青梅が出て、
時期も終わり頃、黄熟した梅が出回る。
熟度が違うというだけなのですが、
梅を加工するときには、
この熟度によって梅を選ぶこともあります。
梅の時期を逃しちゃった
梅は青果などを取り扱っている販売店や
一般的なスーパーなどで販売されています。
もし近所に取り扱うお店がなければ、
農家さん直通の通販などがあるので
お取り寄せという手もあるでしょう。
梅が不作の年には、スーパーでも
なかなか見かけないというときがあり、
他県の梅は出ているのに地元の梅はないな~
ということもあります。
また、その年の気候によって
時期が少々ずれることもあるのですよ。
梅の旬の時期を逃しそうだなと思ったら
お店の方に梅の入荷について
確認しておくといいでしょう。
そしてもし旬を逃してしまったら、
「冷凍梅」というものもあります。
通販で取り扱いがされていますので
どうしてもというときにはいいかもですね。
季節外れの梅について → 冷凍梅について
梅の実の品種と加工
梅の品種はとても多く、
数百種類はあるといいます。
大きく分けて、花梅と実梅に分類されますが
実の収穫を目的に育てられるのは、実梅。
実梅だけでも品種は多いけれど、
さらに育てやすく、よりよい実を
付けるための研究がされています。
品種によって合う気候が異なるため、
各地域で栽培される品種は違うのです。
ですから、ご当地だけの品種の梅、
というのもあるようですよ。
合わない品種を育てようとすれば、
不要な農薬が増すだけといいますしね。
梅の加工はどの品種?
梅をどのように加工するかで、
向き不向きの品種があるようです。
例えば有名なところでは、
梅干しにするなら、南高梅。
梅酒にするなら、古城(ごじろ)とかね。
しかしよほど梅にこだわりがなければ、
特に初めて梅を漬ける場合には、
あまり考えなくともいいでしょう。
品種にこだわると、地元には流通しない
品種ばかり…!ということになるので、
通販でお取り寄せするしかなくなります。
品種についてはこちらへどうぞ~
→ 梅の品種と適した加工
中国産の梅はどうなの?
梅の季節に出回っている生の梅は、
通常ほとんど…全部?が日本産でしょう。
なぜなら中国産の場合、
日本よりもう少し時期が早いということと、
生の梅では日本に輸入する間に
傷んでしまうから。
中国産の梅を生で輸入する場合は、
塩漬け状態でないと無理でしょう。
なので中国産の梅といえば
加工品に多いものです。
中国産の梅について
→ 中国産の梅って大丈夫?
梅の実には毒があるか
梅の実には毒がある、
というのを聞いたことがあるでしょう。
梅は基本的に生で食べることをしないもの。
それは、梅の種には毒になる成分が
含まれているからです。
梅の毒:青酸配糖体(アミグダリン)
しかし心配することはないですよ。
幼果のときに種ごと食べるとよくないですが
成熟した青梅の時期に含まれるのは微量、
さらに熟してしまえば分解されて無害です。
梅を加工した場合、
食べる頃には分解されているので
梅の実を安心して食べることができます。
梅の実の毒について → 梅の毒とは
生梅は食べられるか
先程、梅は熟せば無害、とも書きましたね。
実際、生の梅は熟しているものならば
食べることができます。
ただ、あまり沢山食べるものじゃない。
完熟した梅は甘くていい香りがして
とても美味しそう…
なんて思えるかも知れないですが、
やはり酸っぱくて多少の苦味も残ります。
生で熟した梅を食べてみるならば、
味見程度にしておくのが丁度いいでしょう。
詳細はこちらへ→ 生梅は食べられるか?
梅の実の病気
梅は植物ですから、病気もあります。
梅を使うときには気になることもあるかと
思いますが、市販されている梅は選別して
あることもあり、通常かなりきれいです。
市販の梅によく見られるのは
- 斑点(黒、赤黒など)
- 灰色の汚れのようなもの
時々見られるのは
- 樹液のようなヤニ
これらは人が食べて害になるものではなく、
加工して口にしても問題ないものです。
初めて使う場合に気になるならば、
ひどいものは外して、少々のものは
気にせず使ってみましょう。
詳しくはこちらへどうぞ~
→ 梅の実の病気
→ 梅の斑点はなに?
梅を育てて実をつける
梅の木を育てて実がなるまでには
何年もかかる。
この年数というのは条件によってさまざま。
一番育てやすそうなのは、
苗木で売られているもの。
梅を育てることに挑戦してみるならば、
苗木からが無難のようです。
また、梅の実をならせるためには、
あらかじめ準備をしておく必要もあります。
そうでなければ、木が大きく育ったとしても
いつまで経っても梅の実がならない…
ということになりかねないようです。
詳細はこちらへどうぞ → 梅の実がならない
梅の実に似ている
梅の実に似た果実はいくつかありますが、
一番のそっくりさんは、杏でしょうか。
杏は梅の親戚のようなもの。
間の子の品種もあるくらいですから。
梅と杏はそっくりで、似た品種もある。
あまりに似ているものは、逆に区別を
しなくてもいいのかも。
東北地方には、杏を梅に見立てた加工も
あるようで、杏で梅干し(実際は杏干し?)を
作ることもあるようです。
後記
ここでは梅の実について
概要的にざっと紹介していきましたが、
詳細は下記のリンク記事に書いているので
よろしければどうぞ^^
梅の実は1年で一時期しか出回らない
貴重な木の実。
毎年漬けているのですが、
もうちょっとなんとか出来たかなぁ…
あれをやっとくべきだった…!
などと、いろいろ後から出てくるものです。
毎年そうは思っても、
一年後にはまた忘れて延々とあれやこれやと
毎年思うという…その連続ですよね。
しかしまぁ、毎年なんやかんやありますが、
これもまた楽しいので、よし。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
あなたにとっての梅の実は、どんなかな~
ヽ(´ー`)ノ