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青梅の毒って大丈夫なの?具体的にどんなもので何処にある?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

梅の毒はどんなもの?
「梅は食うとも核(さね)食うな
中に天神寝てござる」

このような言葉を
聴いたことがあるでしょうか。

核(さね)とは、梅の種のこと。

天神とは、天神さん。
あの菅原道真公のこと。

梅の種には毒があると云われることから、
食べないようにするための戒めとして
使われてきた言葉です。

 

では、梅の種の毒、
とは具体的にどのようなものなのか。

どの部位に、
どの状態で毒があるのでしょうか。

そしてこの毒はどうすれば解消されるのか…。

 

今回はこのあたりについて
調べてみることにします。

それではいってみましょ~。

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梅の毒とは

梅の毒。

「毒」とひとくちに言っても
いろいろな種類があるかと思います。

まずは梅の毒とはどんなものなのか、
見ていきましょう。

梅の毒の成分

梅が持つ毒の成分はどんなものか。

梅に含まれる毒といわているのは、
その成分をアミグダリンといいます。

 

アミグダリンとは、
青酸配糖体(シアン化合物)の一種。

青酸というと有名な青酸カリを
思い起こしますが、異なる物質。

 

アミグダリンという物質そのものには
毒性はないとされます。

しかし人や動物がアミグダリンを摂取すると
腸内細菌が持つ酵素によって分解され、
シアン化水素(青酸)と
ベンズアルデヒド(芳香成分)を発生させる。

このシアン化水素(青酸)に
毒性があるのです。

青酸の中毒症状

梅が持つ毒であるアミグダリンを少量
摂取したとしても、あまり心配はない。

しかし、もし大量に摂取してしてしまうと
急性中毒を起こします。

 

青酸の中毒症状には
以下のようなものがあります。

頭痛や目眩、悪心や嘔吐、
他に肝障害・低血圧・眼瞼下垂・発熱。
さらに神経障害・痙攣・呼吸困難、
意識混濁・昏睡など。

そして最悪は死に至ることもあります。

 

なお、アミグダリン(別名レートリル)は、
ビタミンの一種でありビタミンB17だと
いわれたことがありますが、
これは現在否定されています。

また、癌に効果があるという説もあるが、
これも根拠はないようです。

健康のための目的で、
健康食品などでの過剰摂取が
青酸中毒を起こす可能性があると懸念され、
問題になっているので注意しましょう。

 

梅の他にも、杏や桃、スモモ・ビワ、
サクランボなどの種子や未熟果にも
シアン化合物が含まれているので注意。

もちろん熟した果実は食べられますが、
うっかり種をかじってしまわないように
気をつけましょう。

梅の毒の致死量

青酸の致死量は60mgといいます。

これを梅のアミグダリンの量にすると、
青梅で100~300個くらいにはなるようです。

とてもこれほどの量を食べてしまうことは
無理なため、少量を齧ってしまったくらい
では過剰に心配することはないでしょう。

しかし幼い梅の実を種ごと食べたりするのは
危険なため、子供が誤って口にしたり、
かじったり飲み込んだりしないように
注意が必要です。

梅が毒を含む時期と部位

梅の毒であるアミグダリンは、
ずっと含有され続けるというわけでは
ないのです。

梅がアミグダリンを持つのは、
植物の生理的な性質から。

毒を含有する時期

梅の実は幼いほどに、
高濃度のアミグダリンを有しています。

梅の場合、実が結実してからしばらくの
幼果期には、まだ種(核)が形成されていない。

種は徐々に形成(核形成期)されて、
種の外側が硬くなる。(硬核期)

 

梅の実はその期間を経て、
成熟した頃に収穫されます。

梅は、硬い種(核)ができるまでは、
梅の実を人間や動物に食べられないように
守る必要があるのです。

そのため、実が成ってしばらくの
未熟な時期には、一番多くのアミグダリンを
含有しているのです。

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毒を含む部位

梅は特に、種(核)の内側の部分(仁)に
多くのアミグダリンを含む。

まだ種が柔らかい時期には、
種ほどの高濃度ではないが
果肉にもアミグダリンが含有される。

そして硬い種が形成され、
徐々に実が成熟していくと
アミグダリン濃度は減少するのです。

収穫期を迎えた青梅の果肉にはそれほど
残らないようですが、種の中の仁に含まれて
いるのは濃度が高いため、分解には時間が
かかるようです。

梅の毒の分解

梅の毒(アミグダリン)は、
時間とともに分解されます。

梅が成熟するにつれて
自然に分解されて濃度が低下する。

そして梅を加工にすることによっても、
分解が促進されるのです。

成熟に伴う自然分解

アミグダリンは、未熟な梅に含まれている
エムルシンという加水分解酵素の作用に
よって分解され、無害化していく。

この分解時にも青酸は発生するが、
徐々に消失するものです。

 

つまり梅の実が成熟するにつれて
毒素も徐々に消えていくため、
追熟した梅の実や完熟した梅の実に関しては
過度に心配する必要はないでしょう。

ただ、青梅の場合には、まれに成熟しきって
いない未熟なものが出回ることもあるよう
なので、生のまま口にするのはやめたほうが
いいでしょう。

幼果→未熟果→成熟した青梅→黄熟・完熟梅
【危険】→【ほぼ問題ない】→【心配ない】

 

まぁ、梅の実は通常、生で食べないので…
普通に加工して食べていれば問題なしです。

加工による分解

梅を加工することで
アミグダリンの分解は進む。

加工とは、何かに漬け込んだり加熱したり
すること。

梅を漬け込んでいるあいだに
アミグダリンは酵素とで分解される。
時間をおくことによって無毒化させるのです。

また、加熱することでアミグダリンを
分解する酵素を失活させる。

 

昔から作られてきた梅干しなどは、
まさに理にかなっているのです。

梅を塩漬けにしたり、
天日干しするなどして無害化している。

梅酒や梅シロップなどの加工も同様。

 

ただ、梅酒や梅シロップなどは
青梅を漬け込むことが推奨されるため、
漬け込み期間が短い場合には、
果肉は食べても種の中の仁を食べることは
避けたほうがいいという話もあります。

実際、漬ける期間が短い梅の仁は不味く、
長年漬け込んだ梅干しの仁などはおいしく
感じます。

まず、不味いよ~と感じたら
やめておきましょう。

後記

さて今回は梅の毒について書いてみました。

アミグダリンについては
いろいろな資料がありますね。

アミグダリンの毒性。
アミグダリンの分解について、とか。
アミグダリンを残して?毒性をなくす
ことについて…とか。

毒毒と言っていると怖くなりますが、
基本を守って過剰摂取しなければ大丈夫。

  • むやみに生の青梅を齧ったり
    飲んだりしないこと
  • 種が硬くなっていない時期以前の
    梅の実には手を出さないこと
  • 梅は漬け込むか加熱するなどの
    加工をすること

梅を漬けておく期間は、基本的には
レシピに書かれていればそれに従い、
味をきいて、味が渋いとかキツイと感じたら
まだ寝かせておきましょう。

熟成させることによって味は丸くなるし、
その頃になると毒性などほとんどないでしょう。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

梅は基本を守っておいしく
いただきましょ~ヽ(´ー`)ノ

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