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梅干しのことわざには、体にいいよ~というものが多いけど…

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

梅干し。
毎日食べていますか?

毎日食べるのは無理でも、
一年で何度かは梅干しを見たり食べたり
することでしょう。

梅干しは日の丸弁当に見るように、
昔から当たり前のようにあったもの。

現在でもお弁当やおにぎりの具として
使われており、日常のものとして根付いて
いるけれど、昔と今とでは好まれる梅干しが
変わってきていますよね。

昔の梅干しは、
塩っぱくて酸っぱいものでした。

今回は「梅干しのことわざ」について
書いていきますが、現代の梅干しは…

さて、どれほど当てはまるもの
なのでしょう。

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梅干しと、ことわざ

梅干しが庶民に当たり前に食べられる
ようになったのは、
江戸時代の頃と言われています。

それまで梅は、薬として使われる
貴重なものでした。

古い時代には始めに天皇、
次に貴族階級の人々。

時代が下がると鎌倉武士たちの間で広まり、
江戸時代になってからようやく庶民にも
手の届くものとなりました。

江戸時代には、家で梅干しをこしらえたり、
行商人が売りにまわっていたようです。

この頃の梅干しは、梅と多めの塩だけ、
あるいはそれに赤紫蘇を入れて漬け、
干したものでした。

梅干しのことわざは、
そんなシンプルな梅干しについて語られ
伝えられてきた言葉。

当時から、体にいいことがいわれている
のですが、現代の梅干しにはどれほどの
効力があるものなのでしょう。

それを考えつつ、
ことわざを見ていくことにします。

梅干しと時

梅干しは本来、長期保存ができるもの。
また、長期に熟成して味わうことが
できるものです。

・梅干しと友達は古いほど良い
・八年梅干三年味噌

梅干しと友達

「梅干しと友達は古いほどよい」
うめぼしとともだちはふるいほどよい

友人は古い付き合いの人ほど
気心が知れていてよい。

梅干しは長く漬けたものの方が
味がよいことから。

梅干しと味噌

「八年梅干三年味噌」
はちねんうめぼしさんねんみそ

梅干しは八年経ってもおいしく食べられるが
味噌は三年目がおいしい。

◇◇◇

どちらも当時の製法では、
という注釈を付けたいところですよね。

実際、梅干しは出来たてよりも
しばらく熟成させる方が味がまるくなり、
食べやすくおいしくなるのです。

しかしそれは保存に充分な量の塩で
漬けられた梅干しの場合。

減塩梅干しや調味漬けの梅干しなどでは、
数年置くことが適わないのです。

梅干しは体にいい

梅干しは体にいい、ということを
うたったことわざがいくつかあります。

・梅は三毒を断つ
・梅はその日の難逃れ
・梅干しには命を守る七つの徳がある

毒を断つ

「梅は三毒を断つ」
うめはさんどくをたつ

三毒とは、食毒・水毒・血毒のこと。
梅はこれらを解毒し、解消する作用がある。

詳細については別記事で書いていますので、
興味があればどうぞ~。
「梅は三毒を断つ、とは」

難を逃れる

「梅はその日の難逃れ」
うめはそのひのなんのがれ

梅干しを食べると、
その日一日を難から逃れられるということ。

難とは、三毒にあたる体調不良などから
逃れることができるとともに、
災厄などを避けることもできるという
験担ぎも含んでいるようです。

これについても別記事で書いていますので、
よろしければどうぞ~。
「梅はその日の難逃れ~」

七つの徳

「梅干しには命を守る七つの徳がある」
うめぼしにはいのちをまもるななつのとくがある

梅干しの七徳とは、江戸時代後期の書
『飲膳摘要(いんぜんてきよう)』に記されている。

「梅干の七徳」

一、毒消しに功あり。
うどん屋は必ず梅干を添えて出す。

二、防腐に功あり。
夏は飯櫃(めしびつ)に梅干一個を入れておけば腐らず。

三、病気を避けるに功あり。
旅館では必ず朝食に梅干を添えるを常とす。

四、その味かえず。

五、息づかいに功あり。
走る際、梅干し口に含めば息切れせず。

六、頭痛を医するに功あり。
婦人頭痛するごとにこめかみに貼るを常とす。

七、梅干しよりなる梅酢は流行病に功あり。

一の”うどんに梅干し”
これはいいですよねぇ~。

うどんを食べるときにはぜひ、
梅干しを入れてみてください。

味が引き締まるとともに、
胃腸に優しいのです。

六の”こめかみに梅干し”は、
薬が手に入りやすい現代においては
やる人は見かけないけれど、
自然療法では頭痛に効くとされています。

他の項目についても全て、
現代でも効果アリといわれていること。

昔の人はすごいですね。

しかし現代の梅干しには、いかほどの効力が
残っているものでしょう…。

製法によっては、ずいぶんと別物になって
しまっている「梅干しもどき」もありますからね。

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医者が嫌う?

梅干しが医者を嫌うのか、
医者が梅干しを嫌うのか…
そんなことわざがあります。

・一日一粒で医者いらず
・番茶梅干し医者いらず
・医者を殺すには刃物はいらぬ、朝昼晩に梅を食え

医者いらず…その1

「一日一粒で医者いらず」
いちにちひとつぶでいしゃいらず

意味は文面通り。

梅干しは体の調子を整えるとともに、
いざというときの薬のように用いられてきた。

そのため、
梅干しが一粒あれば医者はいらない、
ということなのでしょう。

医者いらず…その2

「番茶梅干し医者いらず」
ばんちゃうめぼしいしゃいらず

梅干しに番茶を注いで飲んでおけば、
医者はいらない。

先ほどと同じようなこと。
梅干しはずいぶんと重宝されていたようです。

医者をコロす?

「医者を殺すには刃物はいらぬ、朝昼晩に梅を食え」
いしゃをころすにははものはいらぬ、あさひるばんにうめをくえ

朝昼晩に梅干しを食べておけば、
医者が暇になって死んでしまうというもの。

これを強めに揶揄った言葉なのでしょうけど
なんとも物騒な物言いです^^;

しかし毎日の梅干しには、それだけ充分な
効力があったということでしょう。

ただし、体に良いからと食べすぎには注意。

まぁ、塩っぱくて酸っぱい梅干しは
そんなに多くは食べられないものですが、
なんにしても過ぎることはよくないこと。

また、朝昼に一つずつはいいとしても、
夜に梅干しは食べない方がいいという話も
あります。

夜は寝ている間に水分が不足しやすいのに、
塩分の強いものを食べるとむくみやすいし
夜中にトイレに起きやすい。

とくに持病がある場合は注意ですね。

食べ合わせ

梅干しと食べ合わせのよくないものとして、
鰻が有名ですね。

鰻と梅干し

「鰻と梅干し」
うなぎとうめぼし

鰻と梅干しは食べ合わせが悪い。

これはじつのところ特になにも根拠はなく、
逆にいい組み合わせだといいます。

梅干しは消化を助け、
食欲を増進する作用がある。

では何故、逆のことが言われたのでしょう。
これにはいくつかの説があります。

・脂っこい鰻と酸味の強い梅干し。
一緒に食べるとさっぱりと食べられるために、
つい食べ過ぎてしまうことから。

・鰻を食べるというのは贅沢なこと。
鰻が人気を得て、よく食べられるように
なったのは、江戸時代の後期あたりの頃。

質素をよしとした時代であったために、
食べ過ぎないようにとの戒めから。

天神さまと梅干し

梅と天神さまにまつわる言葉。

天神さまとは、菅原道真公のこと。

道真公はとても梅を愛されたことから、
梅といえば道真公、道真公といえば梅、
といわれるのです。

・梅は食うとも核食うな 中に天神寝てござる
・梅の種を齧ると字を忘れる

どちらも種(核)にまつわること。

梅は食うとも核食うな…

「梅は食うとも核食うな 中に天神寝てござる」
うめはくうともさねくうな なかにてんじんねてござる

梅の種には毒があるため、
食べてはいけないことを戒めていったもの。

梅の種の毒とは。
種の殻の中にある白い「仁」という部分に
含まれる、微量の青酸配糖体(アミグダリン)
のこと。

未熟な青梅には、実(果肉)にもこの「毒」が
含有されるため、天神さまの名を借りて
口にすることを戒めたものです。

なお、熟した梅の実や梅干しに加工した梅は
毒が分解されるために食べても支障はないようです。

種を齧ると…

「梅の種を齧ると字を忘れる」
うめのたねをかじるとじをわすれる

天神さまは、いわずと知れた学問の神様。
これも同じく、種を食べてはいけない、
という戒めからいわれたもの。

後記

さて、梅干しにまつわることわざについて
書いてみました。

梅干しのことわざについてはやはり、
体にいいよ~というものが多いです。

本来の梅干しは、長期に置いておける
保存食でありました。

梅と塩、あるいは梅と塩と赤紫蘇。
これだけで漬け、天日に干したもの。

現代の”梅干し”には、
いろいろなタイプのものがあります。

本来の梅干しとそうでない”梅干し”の違い。
それは、製法による違いです。

梅自体の品質などは見た目ではわからないし
どうにもならない部分もありますが、
製法については表示を確認するだけでも
わかることがあります。

(こちらの記事もどうぞ~
梅干しを表示で見分けよう)

体にいいことを求めるのなら、
本来の作り方をした梅干しか、
あるいはそれに近いものを選ぶようにすると
いいでしょう。

製法によって、栄養価が大きく変わって
しまいますからね。

梅干しひとつを取っても、やはり「食」。
食べるものというのは大切にしていかないと
いけないですね。

それでは今回はこのへんで。

あなたの毎日のお供に、
梅ちゃんはいかがですか~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
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