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塩梅の語源は諸説あり。似た言葉との混同もあって今に至る。

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

どんなあんばい?
いいあんばいになったかね?

ときどき「あんばい」という言葉を聞くと思います。

「あんばい」は「塩梅」と書く。

この言葉は
けっこう年配の方が口にする言葉、
というイメージがあるのですが
どうでしょう?

あまり若い方が使っているのを聞いたことが
なく、十代や二十代の方々にはあまり
耳慣れない言葉かもしれないですね。

ちなみにウチでは、祖母が使っていたので
理解もしているつもりですが、
自分で使ったことはないのです。

では具体的にどんな意味で、
どこから来た言葉なのでしょう。

今回は、この「塩梅」について
調べてみることにします。

では、いってみましょ~。

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あんばいの意味

まず、塩梅(あんばい)とは
こんな風に使われています。

いいあんばいにできたかね。
いいあんばいだね。
あんばいはどうかね。

これは、次のような意味です。

いい感じにできたかね。
いい具合いだね。
ようすはどうかね。

塩梅というのは、ちょっと便利な言葉。

ちょうどいい、調整がうまくいっている、
良い加減、というような意味で使えます。

では、なぜ塩と梅で「塩梅」と書き、
そして「あんばい」と読むのでしょうか。

辞書を引いたり起源を調べてみると、
なるほど、と思うとともに、昔も今も
人は変わらないところがあるんだねぇ…
ということが見えてきました。

人は失敗し、順応し、
ここまでやってきたんだなぁと
しみじみ微笑ましく思えます。

塩梅とは

次は辞書より。

「あんばい」と読んで「塩梅」と書く。
この言葉はどんな状況にも幅広く使えます。

物事の具合いや状態、
加減などを表わす言葉。

いくつかの辞書によると、
以下のような意味で使われる。

(1) 料理の味加減など。
(2) 物事の加減や具合いなどのようす。
(3) 身体の具合いやようす、状態など。
(4) 適度に物事の折り合いをつけながら、
ほどよいぐあいに並べて整えること。

「あんばい」は別の漢字もあり、
(4)は按排・按配とも書き、
(2)~(4)は案配とも書くようです。

また他に「案排」という字もある。

漢字の読みと意味

「按排・按配」は元々「あんばい」と読み、
「塩梅」は「えんばい」と読んでいたようです。

しかしそのむかし、
この2つの意味が似ていることから混合され、
今に至るということ。

読みの違いや複数の漢字などややこしいの
ですが、現在では「塩梅」を「あんばい」
と読み、先程の(1)~(4)の意味をひととおり
全て持つことになっているようです。

「安排」という言葉

中国語に「安排(あんはい)」
という言葉がある。

〔意味〕
物事を安定した状態におくこと。
物事をいい状態に処理する、配置すること。
手配する、整えることなど。

「塩梅」の特に(4)の意味と似ていますね。

古い時代に中国でも
「安排」と「塩梅」とを間違えて使われて
いたということがあったようです。

日本で「按排」と「塩梅」を混同したのも、
なるべくしてなってしまったということ
なのでしょうか。

紛らわしいから間違っちゃったというのは、
昔からよくあることなのですね。

使用例

「いい塩梅(あんばい)」という言葉。

味や身体の具合い、物事、物事の順などが
「ちょうどいい、ほどよい加減」であること。

先程の意味の例にならうと、
次のような感じで使えます。

(1) いい塩梅に味が整った
(2) 今になって、いい塩梅に晴れてきた
(3) 休ませてから、いい塩梅になった
(4) いい塩梅にスケジュールが整った

けっこういろいろな場面に使えますね。

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塩梅の語源

「塩梅」の語源は諸説あるようですが、
ここでは2つご紹介します。

塩梅の由来

「塩梅」という言葉の由来。

「塩梅」はその文字の通り「塩」と「梅」
「梅」というのは「梅酢」のこと。

梅を塩で漬けると梅の汁がしみ出てくる。
これを「梅酢」という。

梅酢はとても酸っぱいので、
その昔、まだ酢がなかった時代に
調味料として使われていた。

また、醤油もなかったので
「梅酢」と「塩」とで料理の味付けを
していたわけです。

梅酢と塩とのバランス。
その微妙な差異によって料理の味付けは変わる。

この梅酢と塩との絶妙な味の加減が
「塩梅(えんばい)」という言葉になった。

このことから、物事の具合いや
ようすについてを表わすようになった
ということです。

そしてその後、似た意味を持つ
「按排(あんばい)」と混同され、
「塩梅」と書き「あんばい」と読む現在に
至るというわけですね。

雅楽の「塩梅」

日本古来の音楽「雅楽(ががく)」の世界でも
「塩梅」という言葉が古くから使われていたようです。

「塩梅」と書いて「えんばい」と読み、
雅楽で使われる楽器、篳篥(ひちりき)の
奏法を指します。

指使いを変えることなく、
吹き方の加減で音階をスムーズに上げたり
下げたりする奏法で、また、これについて
使われる言葉。

この奏法がうまくいくと、
とてもいい演奏になり気持ちがいいことから
「あんばいがいい」と言っていたということ
なのです。

このことから、この言葉が語源ではないか
という説があるようで、
これが元だとすれば「塩梅」という字は
後から付いたとも考えられます。

雅楽と塩梅(えんばい)という言葉。

その大元のつながりは今となっては不明
ですが、どちらも古くからあり、
それが現代にまで続いているということに
歴史を感じさせます。

ちなみに篳篥は、雅楽で主旋律を演奏する
楽器で、2つのリードを持つ小さな縦笛。
音が大きく、音程の扱いが特徴的で
その独特の奏法がとても印象に残ります。

たまには雅楽を聞いて、歴史の深さに
想いを馳せるのもいいものですね。

後記

さて今回は「塩梅(あんばい)」という言葉に
ついて調べ、まとめてみました。

諸説あるようなので
確実な答えというものはないのですが、
それは人づてに伝わっているのだから
仕方がないところなのでしょう。

しかしまとめ方が肝心。
「いい塩梅」にわかりやすく伝えられたでしょうか。

口下手な私は、そこが気になるところです^^;

言葉は生き物とは言いますが、
使う人が好きずきに考え発言したり
書物を書いたりするわけなので、
変化するのは当然のこと。

今から5年、10年後はどのようになって
いるのでしょう。

変化は止められないけれど、
いい言葉、きれいな言葉などは残って欲しい
ものですね。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

あなたも日々、いい塩梅に
お過ごしくださいませ~ヽ(´ー`)ノ

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