この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。
梅の実は果実。
梅の見た目はスモモや杏に似ていて
桃を小さくしたような姿をしている。
そして熟せばとてもいい香りがして
おいしそ～と感じる果実。
しかし梅は、一般的には生で食べるという
ことはしないもの。
それは、梅は生で食べるものではない
という認識があるからこそなのですが、
それは一体何故なのでしょう。
そんななか、じつは生梅は食べられる、
という話を聞いたことがあります。
本当なのかと詳しそうな知人に聞いてみた
ところ「食べたことあるよ」と。
おいしいよ、ということでした。
ということで今回は、
生梅は食べちゃいけないんじゃないの？
食べられるの？なんで？
ということについて
書いていくことにします。
それではいってみましょ～。
生梅は食べてはいけない
木に成る果実というと、リンゴのように
生で食べられる果物を想像します。
しかし梅は通常、生では食べないもの。
それは何故かと考えると
2つの理由が思い浮かびます。
- 強い酸味
- 梅の毒
この2つの理由だけで、
生食しない理由は充分のように思えます。
強い酸味
梅といえば、梅干し。
梅干しは、熟した梅を
塩漬けにして干したもの。
(青い梅でも作れるけど)
使う材料は主に塩のみ。
独特の強い酸味はやはり、
梅の果実そのものが持つ成分。
あの酸っぱさを知らない
という日本人は少ないでしょう。
普通の果物なら、
ある程度の塩を入れたところで
梅干しのように酸っぱくはならないもの。
むしろ、少なめの塩を入れる場合などは、
酸味よりも果物の甘みが引き立てられる
ことだろうと思います。
しかし梅干しは結果的に、
塩が少ないと酸味が余計に目立ってしまう。
あの思い出しただけで下顎の両側から
きゅーっと唾液がにじみ出てくる感触のする
あのすっぱい感覚は、他に類を見ない酸味。
あれほどのやたら酸っぱいだろうと思われる
ものを、生で食す気にはなれないものです。
梅の毒
梅が持つ毒については
それなりに有名でしょう。
梅が持つ青酸配糖体といわれる毒は、
青梅を生で食べるとお腹を下すくらいの
ものだといわれます。
しかしまだ小さな梅の幼体には
注意が必要です。
未熟な梅の実は、
まだ種が硬く形成されていないので、
種を守るために青酸配糖体を多く
含有しています。
実が成熟するに連れて
毒性は徐々に薄れていくものなので、
スーパーで売られている青梅を
生で1つ口にしたくらいでは
あまり問題はないでしょう。
致死量に至るには、大人で300個、
こどもで100個くらい食べる必要がある
といいます。
まず量的にそんなに食べられるもの
じゃぁない。
好んで食べられるものではないし、
無理して食べる必要もないものですが、
子供が興味本位で誤って口にしないように
注意しましょう。
熟した梅は、毒が自然と分解されるために
殆どないものと考えていい。
ちなみに青梅であっても、
加工をすれば青酸配糖体は分解されるので、
梅を加工したものを食べるには
何ら支障はないのです。
ただし、梅にアレルギー反応が出る体質の方
もいらっしゃるのでご注意を。
生梅は食べられるか
一般的な果物でも、
熟していない果実はあまり食べない。
なぜなら未熟な果実は、
たいてい硬くて青臭く、美味しくないから。
摘果した果実の場合はなおさら生では食べず
なにかしらの加工をして食べるでしょう。
梅の場合も同じようなものですね。
青い梅
青い梅は、漬物にしたり火を入れたりと
加工をして食べる。
毒性云々を抜きにしても、
青梅は生でそのままでは食べにくいもの。
聞くところによると、
生の青梅は強い酸味と渋味・えぐみがあり、
あまり食べられたものではないらしい。
たしかに漬物にした青梅でも、
漬け込み期間が浅いと酸っぱくて渋いだけで
はっきり言って不味い。(味の程度は
品種によっても違うのでしょうけど)
なんでも試してみるのが一番なのですが、
これは下手すると具合が悪くなるので
やめておきましょう^^;
少なくとも青い梅は無理してまで
生で食べるものではないですよ、
ということですね。
熟した梅
結論を言えば、熟した梅は生で食べられる。
一般的な果物は、
熟すと生でそのまま実を食べるけれど、
梅の場合は通常、生のままでは食べない。
梅は熟したらあまり日持ちせず
すぐに傷んでしまうので
樹上で熟した梅は市場に出回らない。
なので梅は通常、青い状態で収穫されて
出荷される。
これは他の果物でも同じこと。
まだ熟しきらない状態で出荷されても、
追熟すればおいしく食べられる。
梅の場合はというと、
追熟しても生でおいしく…とはいかない。
青梅はきれいに追熟しにくいが、人工的に
追熟されたものが一般に流通している。
それでもやはり生食はせず、
梅干しなどに加工されるのが常なのです。
食べられる生梅
では食べられる生梅というのは
どんな状態のものなのか。
それは、樹上で熟した完熟梅。
スーパーで梅を購入している人々にとって、
木に成った状態の完熟した梅を手にする
ということがまずない。(私も含めて)
この特権はたとえば、梅農家さん以外では
庭に梅の木があって毎年頃合いを見計らって
梅を収獲してるよ～
というような人だけのもの。
たいてい梅の木を持っている人が
「生梅は食べられるよ」とか言っている。
そんな体験ができるというのは
いいものですよね。
(梅の木のお世話は大変なようですけど…)
近年では樹上完熟の梅は、農家さん直通の
通販などで手に入るようです。
それでもなかなか、梅の生食というのは
聞かないし、あまりやらないですよね。
想像では、甘みというよりも酸味がキツイ
でしょうから、完熟生梅を手にしたとしても
そのまま食べる気にはならないかも。
梅は熟すといい香りがするのですが…
そのまま試食するのはちょっと
気がとがめます。
実際は具体的にどうなのか。
食べた人の話を聞いてみるといいでしょう。
生梅ってどんな味？
食べたことがある、という人の話を
探してみると、その味は賛否両論。
その違いは何かといえば、
やはり梅の状態にあるようです。
冒頭でも書ましたが、
知人に言わせると「おいしいよ」と。
この知人が食べた梅は、
樹上で熟して落下したばかりの完熟梅。
これを食べたときの感想です。
他に生梅を食べたことのある人の話を
ネットで探してみたところ、
意外にも感想にばらつきがあるのです。
- 青梅の状態で収穫したのちに追熟させた梅
「おいしくない」
「おいしい」
- 樹上で完熟し落下した梅
「甘酸っぱくておいしい」
「フルーティでおいしい」
どうやら樹上完熟の梅はおいしいようですが
味覚は人によりけり。
しかしながら、
やはり梅の状態が大きいもよう。
◇ 木で育まれる期間
まず決定的な違いは木でどれだけ育ったか。
木から栄養をもらい育てられた期間によって
果実の成分は違ってきます。
樹上で熟すほどに甘みが増えて
渋みは薄くなる。
樹上完熟で自然落下したものは
果実として完全体！
それはおいしいでしょう。
◇ 梅の種類
次に、梅の種類による違い。
昔からある種類の梅と
品種改良された梅。
野生で放置状態の梅と
人の手により育った梅。
品種による違いでは、
梅の系統の違いで味も違うことでしょう。
その味はスモモのようであったり、
杏のようであったりするようです。
なんだか熟した梅を
食べてみたくなってきましたね。
なかには青梅を好んで食べる
という人もいるのですが、これは注意。
未熟果はとにかくやめておき、
青梅は少量でも気をつけて。
生食を推奨する梅ってあるの？
生食推奨という梅は、
今のところはないようです。
梅はそもそも、生で食べることを
前提としては考えられていないのでしょう。
加工して食べることが定着している
ことですし。
生食で果物のように食べやすく…と考える
ならば、似たものがすでにあります。
それはスモモだったり、杏だったり。
どうしても生梅がいいのならば、
完熟の梅を購入できれば食べてみることは
可能です。
また近年では、手の込んだ漬物などの加工を
しなくても、レンチンで済んでしまう。
青梅も熟した黄梅も、
レンジでチンして即席加工で食べられる。
そんなレシピが多く存在するのです。
もう今さら梅を普通の果物のように
生で食べられたらいいな～なんて思うことも
ないのかもしれないですね。
後記～まとめ
さて今回は、梅を生で食べられるのか？？
という疑問を解消するべく
調べて書いてみました。
結論としては次のとおり。
- 生梅は食べられる
ただし未熟な梅は危険なので食べないこと。
- 青梅は食べ…てもうまくない
酸っぱく、渋味・えぐみがある。
(これが好みという方もいらっしゃるもよう)
- 追熟した梅は食べられる
しかし収穫時期が早いものはおいしくない。
(品種にもよるかも)
- 完熟した梅は食べられる。
甘酸っぱくておいしい。
スモモや杏のようであるらしい。
(品種によるのかも)
以上ですが、食べてみるか否かは
あなた次第！
けっしておすすめすることはしませんので、
無理はされませんように。
特に、梅に反応が出るアレルギーなども
まれにあるので要注意です。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
美味しい？生梅を
一度は食べてみたいかな～ヽ(´ー｀)ノ
