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梅干しや梅シロップなど
梅を漬けるときには前もって
容器の消毒が必要です。
容器を消毒するとか面倒くさいなぁ~
なんて思うかもしれませんけどね。
しかし消毒するかしないかで
失敗するか、無事に出来上がるかどうかが
変わるかも?と思えば…
しっかり消毒しておきたいですよね。
失敗する要素というのは他にもあるので、
消毒をしないと必ず腐るというわけでも
ないのですけど、念には念を入れて。
梅を漬ける場合はだいたい数週間から
一月くらいは置いておくものですから、
消毒しなかったからカビが出た…
なんてことになれば、とても残念で
後悔しかないです^^;
ということで今回は、
何かと使うことの多い瓶(びん)容器の
消毒方法について紹介します。
瓶の消毒方法を知っていれば、
梅だけはでなく、他の野菜や果物の瓶漬け
などを作るときや、瓶を保存容器として
使うときにも役立ちますよ。
梅を漬ける前の瓶の消毒方法について
まずは、瓶の消毒方法などについて
簡単に説明しておきます。
瓶の消毒はなぜ必要なのか
梅を漬ける前に、
瓶を消毒するのは何故なのか。
簡単に言うと、瓶に付着している
雑菌類を容器に残さないため。
容器の中の雑菌類を排除することで、
なるべく梅が傷みにくいようにするのです。
たとえば梅干しを漬けるときには、
瓶の中に梅と塩を入れて
常温でひと月くらい置いておきます。
他のものを漬けるときにも、
だいたい数週間くらいは
常温でそのまま置いておくのです。
梅の実が出回る時期というのは初夏で
気温もだいぶん暖かくなっている頃。
しかも梅干しを仕込むのは梅雨時期で、
長雨でジメジメ、湿度は特に高い頃。
気温が高くて湿度が高いとどうなるか…
食べものが腐りやすかったり、
カビが生えたりしますよね。
梅が腐ったりカビが生えたり…
そうならないためにも、しっかりと
消毒をしておくことが大切なのです。
瓶の消毒方法は大きく分けて二通り
瓶の消毒方法は大きく分けて
二通りあります。
- 熱による消毒
- アルコールや消毒剤などを用いた消毒
瓶の容器を使う場合は、
この二通りの消毒を行うのが理想的。
そして、それぞれの消毒方法には
いくつかのやり方があるのです。
【熱による消毒方法】
・煮沸(しゃふつ)消毒
・熱湯消毒
湯を使う消毒で、
どちらかの方法で消毒を行います。
【食品用アルコールや消毒剤を用いた消毒】
消毒液として使えるもの
・度数の高いお酒(アルコール)
・食品用エタノール(アルコール)や消毒剤
消毒液として使えるものはいろいろあるので
どの消毒液を使うのかを決めて行います。
それぞれの消毒方法の詳細は後ほど。
梅を漬けるとき瓶は二段階で消毒する
さきほど、瓶の消毒方法は
二通りあると書きました。
これは梅を漬けるときに限らずなんですが、
瓶の容器を使う場合には、だいたい両方の
消毒を行うのが定番かなと思います。
一回目:熱による消毒
梅を処理する前に実施しておきます。
瓶を自然乾燥させる時間が必要ですからね。
二回目:食品用アルコールや消毒剤などを
用いての消毒。
これは、梅を漬ける直前に行います。
菌によっては、熱に耐えるものや
アルコール耐性のあるものもいるようです。
しかし通常は、この二段階での消毒をして
おけば、殆ど菌はいなくなるでしょう。
うちでももちろん、毎年のように二段階で
消毒をしてから梅を瓶に漬けています。
そのおかげもあってか、減塩で梅を漬けても
カビが出て腐ってしまうということはなく、
無事に仕上がっていますよ。
(保存性のある漬け方をした場合です)
熱による消毒方法
熱による消毒方法は2つありましたね。
- 煮沸(しゃふつ)消毒
- 熱湯消毒
これらはその名の通り、沸かした湯で熱を
加えることによって消毒するという方法。
どちらかひとつの方法を選べばいいですよ。
その違いは次で説明します。
煮沸消毒と熱湯消毒の違い
煮沸消毒と熱湯消毒の違いは、
やり方の違い。
使いたい瓶と、
家にある鍋の大きさで決まります。
・煮沸消毒をするのは
大きな鍋に入る程度の小さい瓶
・熱湯消毒をするのは
鍋に入らない大きな瓶
つまり、消毒したい瓶容器が、
家にある大きい鍋に入るかどうかの違い。
【煮沸消毒とは】
湯を煮立たたせて消毒する方法。
瓶を鍋に入れてグツグツと煮るので、
鍋に入らないとできないのです。
【熱湯消毒とは】
熱湯を瓶に注いで消毒する方法。
家の鍋に入りきらない大きな瓶の場合に、
瓶に熱湯を入れることで消毒をします。
消毒の効果としては
煮沸消毒の方が高いのですが、
できなければ熱湯消毒で充分です。
次に、それぞれの具体的な方法を説明して
いきますが、そのまえにひとつ。
瓶を扱うときの注意事項を
覚えておきましょう。
そもそも瓶に熱湯はダメじゃないの?
瓶はガラス製品。
「ガラス製品は
熱いものを入れると割れてしまう」
というイメージがあると思います。
実際、通常のガラス容器に
いきなり熱いものを入れると
簡単に割れてしまいますよね。
中には割れないものもありますが、
それは「耐熱ガラス」仕様のもの。
「耐熱ガラス」とは、「耐熱性」という
性質をもたせたガラスのことです。
ガラスはそもそも、その性質として
「熱に弱い」のではなく
「温度差に弱い」ものなのです。
そのためガラス容器は、
いきなり熱いものを入れたり
急に冷やしたりすると割れてしまいやすい。
ガラス容器が割れる温度差の目安は、40度。
40度の温度差ね。
ガラスの容器は「割れるかもしれない」
と思うと怖いかもしれませんが、
正しい方法を用いて行えば大丈夫。
それでは順次、
瓶の具体的な消毒方法を説明していきます。
ただしここでは、
通常の瓶容器の消毒方法について書きます。
特殊な作りの瓶などは、説明書の注意事項を
よく読んで、それに従いましょう。
また、傷の入った瓶などは割れる危険も
あるため、使用をやめておきましょう。
煮沸(しゃふつ)消毒の方法
【 煮沸消毒の準備と手順】
用意するもの:
- 消毒する瓶
- 瓶が入る鍋
- 布巾(ふきん)
- (キッチンペーパー)
- 熱い瓶を持てるもの
煮沸消毒の手順:
- 瓶を食器用洗剤で洗い、きれいにすすぐ
- 鍋の中底に布巾を敷いて瓶を入れる
- 鍋にたっぷりの水を入れる
- 鍋を火にかけて沸騰させる
- 沸騰したら5分間グツグツ煮る
- 火を止めて鍋から瓶を取り出す
- 瓶を伏せて自然乾燥させる
【 煮沸消毒の具体的な手順】
1. 瓶を食器用洗剤で洗い、きれいにすすぐ
瓶の使い始めや再利用する場合にも、
洗剤でよく洗い、きれいに水ですすいで
おきましょう。
2. 鍋の中底に布巾を敷いて瓶を入れる
布巾を中底に敷く理由は、
鍋と瓶がガチャガチャと当たらないためと、
鍋の底が高熱になるため。
3. 鍋にたっぷりの水を入れる
水は常温かぬるま湯くらいを使いましょう。
いきなり高温はだめですよ~!
水の量は瓶にかぶるくらいがよいですが、
多少はみ出ても問題はないです。
4. 鍋を火にかけて沸騰させる
瓶は急激な温度差には弱いけど、
じわじわと温度が上がるのは平気なのです。
5. 沸騰したら5分間グツグツ煮る
瓶の付属品なども一緒に消毒をする場合は、
熱に強いものか確認しておきましょう。
金属製の蓋やゴムパッキンなどは、
数秒ほどで引き上げるか
80度くらいのお湯で2~3分消毒。
熱に弱く、変形などの恐れがあるものは、
熱による消毒はやめておきましょう。
この場合は二回目の消毒だけを行います。
6. 火を止めて鍋から瓶を取り出す
熱いので慎重に、瓶を取り出しましょう。
瓶を伝って熱湯がかかることがあるので
充分気をつけましょう。
7. 瓶を伏せて自然乾燥させる
瓶を清潔な布巾かキッチンペーパーなどに
伏せて、自然乾燥させる。
瓶の口の下に割り箸などを差し込んでおくと
隙間ができて乾きが早い。
また、晴れた日なら太陽光が入る場所に
置いておくのも、自然の殺菌効果があり
有効です。
熱湯消毒の方法1~基本編~
【 熱湯消毒の準備と手順】
用意するもの:
- 瓶容器
- 布巾かキッチンペーパー
- 熱い瓶を持てるもの
熱湯消毒の手順:
- 瓶を食器用洗剤で洗い、きれいにすすぐ
- 瓶に60度くらいの湯を入れて瓶を温める
- 瓶の中の湯を捨てる
- 瓶の中全体に行き渡るよう熱湯をかける
- 瓶を清潔な布巾かキッチンペーパーなどに
伏せて置き、自然乾燥させる
瓶が弱いのは急激な温度差。
瓶に触れる湯は、
徐々に温度を上げていくのがコツ。
瓶の温度が一緒に徐々に上がれば
割れる心配はないのです。
なので「60度くらいの湯」と書いている
ものの、気温が低い場合にはもう少し低めの
温度の湯を入れて徐々に上げていきます。
そして熱湯をかけたあとには、
熱湯が入っているそのままの状態で
しばらく置いておくほうがいいようです。
熱湯を扱うので、やけどをしないように
よく気をつけて行いましょう。
熱湯消毒の方法2~手抜き編~
余談ですが…
うちの母がやっているのは、
ちょっと手抜き?な熱湯消毒の方法です。
基本となにが違うのかと言うと、
いきなり熱湯を注ぐこと…
普通なら割れそうなので
こわいですよね…(゚Д゚;)
うちの母は言いました。
「瓶が濡れてれば大丈夫」
さらに
「瓶のフチにかけちゃダメ」
私も試しにやってみましたが、
意外と平気でしたのでここで紹介します。
ただし、真似してみる場合は自己責任で
お願いしますよ~ヽ(´o`)ノ
【 熱湯消毒の準備と手順~手抜き編】
用意するもの:
瓶容器、清潔なカゴかキッチンペーパー、
熱い瓶を持てるもの
うちの母による煮沸消毒方法の手順:
1. 瓶を食器用洗剤でよく洗い、
水できれいにすすいでおく
ここまでは同じ。
2. 瓶に水滴がついたままで、
沸騰した湯を瓶の中心へ向けて注ぐ
※瓶が乾いている場合は、
必ず瓶を常温の水で濡らしておくこと。
※瓶のフチに熱湯をかけないこと。
必ず瓶の中心へ熱湯を注ぐこと。
3. 熱湯を瓶の中全体に行き渡らせるように、
瓶の中で熱湯をまんべんなく回す
熱いのでお湯がかからないように
よくよく気をつけること。
※これは湯の量が少ない場合です。
熱い瓶を持って回したくないのなら、
容器一杯に熱湯を注くだけでいいです。
4. 瓶の中の湯を捨て、清潔なカゴかキッチン
ペーパーに伏せて置き、自然乾燥させる
キッチンペーパーに伏せる場合は、
瓶の口を下にして割り箸を置いて浮かせ、
乾燥させます。
以上です。
通常の方法と比べると1段階抜けていますが、
瓶が割れなければそれでよし…。
不安な場合には、少しずつ温度を上げて
お湯をかけていく基本的な方法で行いましょう。
食品用アルコールや消毒剤を用いた消毒
食品用アルコールや消毒剤を用いた
消毒方法は簡単です。
消毒に使える液体は次のようなもの。
・度数の高いお酒(アルコール)
・食品用エタノール(アルコール)や消毒剤
消毒ができる液体をどれかひとつ選んで
塗布するだけ。
消毒方法の詳しくは後述します。
度数の高いお酒(アルコール)
アルコール度数の高いお酒を使って
消毒することができます。
瓶の消毒に使われるお酒(アルコール)は、
ホワイトリカーを使うのが一般的。
ホワイトリカーとは、
アルコール度数35度以上の焼酎です。
ホワイトリカーは果実酒用の焼酎として
売られており、梅酒を漬ける代表的なお酒
でもあります。
梅酒は漬けないし、お酒は飲まないから
買っても余らせてしまう…というのなら、
200mlくらいの少量タイプがおすすめです。
ホワイトリカーは瓶の消毒にも使いますが、
その他の道具の消毒にも使えます。
そして梅干しを作る際などにも、
材料のひとつとして使うこともあるため
一本あるととても便利なものです。
また、ホワイトリカー以外にも、
アルコール度数が35度以上のお酒が家に
あるのなら、それを使うのもよいでしょう。
例としては、ブランデーやウォッカ、
スピリッツなどがあります。
食品用エタノール(アルコール)や消毒剤
食品用エタノール(アルコール)は
薬局などで売られています。
消毒に使われるアルコールは、
アルコール濃度が60~95%のものが有効で
80%のものが最も効果があるとされています。
種類は多数ありますが、
「食品・食材にかかっても安心」と
書かれているものがいいでしょう。
私は通常、ホワイトリカーを使いますが、
知人からおすすめと紹介されたのは
ドーパー酒造の「パストリーゼ77」
というアルコール製剤。
これは「口に入っても安心」
ということで購入して使ってみました。
食材に直接かけても大丈夫ということと、
スプレータイプでとても使いやすいです。
ただ、アルコールの匂いが強いので
苦手な方は注意ですね。
食品用の消毒剤などは種類も多く、
いろいろなタイプのものがあるようです。
食品用アルコールや消毒剤での消毒方法
食品用のアルコールや消毒剤を用いての
消毒方法は簡単。
どれかひとつの方法を選んで行います。
【食品用アルコールなどでの消毒方法】
- 瓶の中に消毒液を入れて、
全体に行き渡るように瓶をまわす - キッチンペーパーなどに
消毒液を含ませて瓶の中を拭く - 瓶の内側にスプレーで
消毒液を吹きかける
どの方法でも結果的には同じで、瓶の内側
全体に消毒液がまわればいいだけです。
うちでよくやるのは1番目と3番目。
2番目は瓶の中に手を入れるので、
瓶の内側に手が当たるといやだなぁと。
どれも一度はやってみるといいですよね。
ただ、消毒剤などを使う場合には、
お使いの製品の使用方法や注意事項などを
よく読み、その製品に合う方法で消毒を
行いましょう。
まとめ:梅を漬けるときの瓶の消毒方法
◇ 瓶の消毒方法は大きく分けて2つ
- 熱による消毒(煮沸消毒、熱湯消毒)
- 食品用アルコールや消毒剤での消毒
◇ 梅を漬ける場合の瓶の消毒は
二段階で行うとよい。
梅を処理する前に、熱による消毒。
梅を漬ける直前に、食品用アルコールなどで
消毒をする。
◇ 熱による消毒で気をつけることは
瓶は温度差に弱いため、
急激に熱を与えたり冷やしたりしないこと。
消毒は慣れないと、
面倒だなぁ~と思うこともあるでしょう。
しかし慣れればなんてことのない単純作業。
せっかくの梅ちゃんを傷ませないためにも、
ぜひやってみてくださいね~。
ただし、熱湯には充分気をつけて
行いましょう。
ではでは、これにて。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
無事に瓶の消毒が
できますように~ヽ(´ー`)ノ♪