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梅のアク抜きは、熟度によっては失敗しやすい要注意ポイント

この記事を読むのに必要な時間は約 15 分です。

水に強い梅、ニガテな梅~水をはじく力~
梅を取り扱う上で、
みんなが比較的失敗の多い、アク抜き。

梅のアク抜きというのは
簡単そうに思えるのですけど、
やってみると意外とむずかしいものです。

 

梅のアク抜きについて調べてみると、
ほんとうにいろいろな説があるのですよ。

基本的なアク抜き方法は
だいたい同じようではあるのですが、
細かい部分で見ると違っている。

梅の熟度による違いもさることながら、
梅の品種や作るものによっても
違うようです。

 

これはなかなかどうしたものかと
調べれば調べるほど、
なんだかわからなくなるばかり。

悩んでいても進まないので、
今回は集めた情報と
私の少々の経験とを織り交ぜて、

梅のアク抜き方法から
水につけておく時間の違い、
変色して失敗(?)してまったら…

などなど、気になることを
書いていくことにします。

 

失敗しないようにできればいいよね~、
という気楽な気持ちでやっていきましょう。

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梅のアク抜き方法

梅の実にはアク(灰汁)があります。

アクとは、苦味やエグミ、渋みなどの
口に残ってクセのある嫌な味のこと。

このアクを抜くために、
梅を加工する前に「アク抜き」
をするのです。

アク抜きをしないまま梅を漬けると、
食べた時にエグみが残ることが
あるのですよね。

 

【梅のアク抜き方法】

梅のアク抜きは、
梅をたっぷりの水に浸けておくだけ。

  1. 梅をやさしく洗う
  2. たっぷりの水に梅を浸しておく

これだけならば、いかにも簡単ですよね。

 

しかしここで問題なのは、
どのくらいの時間、梅を水に浸けておくか
ということ。

ここを誤ると梅が傷んでしまうことも
あるので注意が必要なのです。

 

そして、もう一つ。

そもそも梅って、
すべてアク抜きをしなければならない
というわけでもないのです。

アク抜きする梅、しない梅

全ての梅がアク抜きの対象ではなく、
アク抜きをする梅と
アク抜きをしなくていい梅があります。

その違いは、
・梅の熟度による違い
・梅の品種による違い

ひとつずつ見ていきましょう。

梅の熟度によるもの

梅は未熟で青いほどアクが強く、
黄色く熟すにつれてアクがなくなると
いいます。

つまり、アク抜きをするのは青梅だけ。
熟した梅はアク抜きの必要はないのですよ。

  • アク抜きをする …青梅
  • アク抜きをしない…黄梅(熟した梅)

 

もちろん、青梅から熟した梅へは徐々に
変化していくので、アク抜きの時間も
変えていく必要があります。

【梅の熟度によるアク抜きの時間】
・青梅 …長時間水に浸ける

・(中間の梅) …水に浸ける時間を短くする

・黄梅(熟した梅) …水に浸けない

梅の品種によるもの

梅の品種によってもアクが強いものと
そうでないものがあるようです。

しかし品種によるとなると、
品種のわからない梅は困りますよね^^;

品種を特定出来ない梅も多いと聞きますし。

 

品種によって、アク抜きの必要が
あるかないかという点で、例えば、

白加賀などの硬い梅はアク抜きが必要で、
南高梅はアク抜きが必要ない、
と書いている業者さんがあります。

しかし同じ南高梅でも、アク抜きをする
と書いている業者さんもあるのですね。

あれ?と思いますけど、
これは単に前提条件が違うのではないか
とも考えられるのですよ。

前者では、
白加賀は梅酒(青梅)で使う前提。
南高梅は梅干し用として黄梅(完熟)を
前提としていてアク抜きが不要。

後者の場合では、
南高梅を梅酒(青梅)として使う前提なので、
アク抜きが必要となるわけです。

なので品種がわかっていて
アク抜きの有無を推奨されているのなら
それに従うもよし。

品種がわからなければ、
熟度によってどうするかという
判断をするといいかなと思います。

アク抜きは必要か

実のところ、アク抜きは必ずしも必要
というものではないようです。

 

実際はアク抜きするかどうかは
人によって違います。

これは好みなのでしょう。

青梅でもアク抜きをしない、必要ない
という人もいれば、

毎回アク抜きをする、
しないといけないと言う人もいる。

 

とある専門書籍では、
“青梅は水につけてもアクは抜けない”
と書かれているものもあるのです。

いや~。困ったもんだ(笑)

しかしこれも掘り下げると
水の違いというものもある。

湧き水か水道水かでも違う。
水道水に浸けるからアクが抜けると
聞いたこともある。
(この辺は科学に強い人ならわかるのかな)

 

梅は品種が多いし、
雑種なども含めるとすごい数。

アクも強かったり弱かったりするでしょう。
植物ですから環境によっても違うでしょう。

それを一括にこうですよ~と
限定することはむずかしいのかなと。

 

なので初心者さんは熟度を見て、
水に浸ける時間を気にしながら
アク抜きをしてみる。

慣れてくると、アク抜きが必要か不要か
というのは自分で何度もやってみて、
その積み上げで自分の好みで判断をしていく
ことになりますよね。

水に漬けておく時間の違い

梅の熟度によって、水に浸ける時間を
変えていきましょう~と書きました。

では具体的にどのくらいの熟度で
どのくらいの時間、水に浸けるのか。

梅の品種やらいろいろな違いはさておき、
熟度だけを見て一応の目安としての時間を
紹介しておきます。

そのまえに…

 

次の図はすでに書きましたけど、
再度確認しておきましょう。

【梅の熟度によるアク抜きの時間】
・青梅 …長時間水に浸ける

・(中間の梅) …水に浸ける時間を短くする

・黄梅(熟した梅) …水に浸けない

 

青梅→黄色く(あるいは赤く)熟した梅

青梅、黄梅、と単純に判断がつけば簡単
ですが、梅は徐々に熟していくもの。

一見してどのくらい水につけておくのが
適切か、というのはわからないものです。

初めて梅を扱うという場合に、これを
見極めましょうというのは無理な話です。

これは失敗を繰り返してわかることですが、
失敗はしたくないものですよね。

初めのうちは、目安とする時間の間で
確認しながら行うといいでしょう。

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青梅の場合

青梅といっても、収穫の時期でも違うし
新鮮か古いものかでも随分違います。

時期の早い、青々として若くて硬い青梅
ならば、丸一日水に浸けても大丈夫。

実際、青梅のアク抜きは24時間浸ける、
と書かれている書籍もありますし、
一晩水に浸けておく、というものもある。

しかし実が成熟して日が経ち、
まだ青いけれど色が薄くなってきたような
梅の場合には、一晩も水に浸けてしまうと
失敗することもあるのです。

 

はじめての場合には熟度が
よくわからないと思うので、

青梅の場合はだいたいの目安として、
2~4時間程度が無難だとしておきましょう。

この目安を基準に、水に浸ける時間を
長くするとか短くするとかします。

スーパーに梅が出回りだして、
しばらくしてから出ている青い梅の場合は、
硬くて色濃い青梅よりは熟度が進んでいる
ので、だいたいこの2~4時間程度で充分。

 

そして水に浸けている間は時折、
梅の様子を確認します。

確認も目視ではわかりづらいので、
いくつか水から取り出して
見て触って変化がないかを確認しましょう。

柔らかくなってきているようなら、
それ以上は浸けておかずに取り出します。

長時間水につけておきたい時には、
必ず様子を見ながら行いましょう。

黄梅(熟した梅)の場合

黄熟した梅は、
アク抜きをする必要はないでしょう。

梅を洗ったらアク抜きはせず、
すぐに水から上げて乾かします。

 

“熟した梅”の場合も状態はいろいろ。

 

  • まだ実が硬く、少し黄色がかっている梅

これは30~40分くらいは浸けても大丈夫。
でも無理にやらなくてもいいので、
やりたかったらこのくらい、という目安。

 

  • 実は少し柔らかく、黄色くなっている梅

この状態なら水に浸けるのは
やめておきます。

 

梅はいい香りがして、少々黄色く
色づいていれば熟していると判断していい。

その状態ならば、アクはもうないとして
水に浸けなくとも大丈夫です。

変色して駄目にしてしまうよりは、
やらないほうがいいでしょう。

アク抜きが終わったら

アク抜きが終わればすぐに水から上げ、
ザルなどに置いて乾かします。

梅の表面が乾けば、梅を漬けましょう。

乾かす時間もあまり長く置きすぎると、
熟度が進んで柔らかくなってしまったり
水分が抜けていって干からびてしまいます。

(わざと長く置く場合もありますけどね)

梅の表面が乾くまで待てない場合には、
清潔なふきんやキッチンペーパーなどで
よく水気を拭き取ってから漬けると
いいでしょう。

アク抜き失敗?茶色く変色

梅は水に浸しすぎると、
茶色く変色してしまうことがあります。

梅のアク抜きは誰もが失敗しやすいもので、
皆一度や二度くらいはあるでしょう。
(私はもっと沢山あります^^;)

変色してしまった梅は、
もう戻すことはできないのです。

しかし完全に傷んでいない梅なら、
対処方法はあります。

軽い変色の場合

少々柔らかくなって、
すこしばかり色が変わってしまったら。

梅干しの場合なら多少は大丈夫なので、
水を切って乾かし、梅に塩をまぶして
早々に漬け込んでしまいます。

この場合、あまり減塩せずに漬ける方が
いいでしょう。

他の用途には向かないので、
梅干し以外ならジャムにします。

一部がひどく茶色に変色したら

梅干しの場合はしっかり水気を取れば
あまり気にしなくてもいいでしょう。

もし気になるのなら、茶色くなった部分を
えぐって取り去り、残りのきれいな部分を
漬けるということもできます。

そのえぐった部分に塩をたっぷり付けて
漬け込むと、失敗したことはないですね。
うちでは実際よくやっていました^^;

 

残りの部分がまだ硬さが残る梅ならば、
塩漬け時にもひどく崩れることなく
(漬け方にもよりますけど)
塩漬け後に干すことも支障なくできます。

塩漬け後に柔らかすぎて干せない場合でも、
干さずにそのまま梅漬け(塩漬け)として
問題なく食べられます。

全体が茶色く変色してしまったら

状態の程度にもよりますが、
あまりにもひどい場合には残念ながら
廃棄するしかないでしょう。

全体に柔らかくなりすぎてしまった梅は
梅干し作りには向かないのです。

ひどいとはいえ、まだ使える状態ならば
ジャムにしてしまうのが無難かと思います。

 

これは自己判断で決めるしかないですよね。

まだいけるかも…と思えば漬けてみる。
これはちょっと無理だなぁ…と思えば
廃棄するかジャムにするか…。

なにごとも失敗してわかることも
ありますからね。

アク抜きをしなかったら

アク抜きをせずに梅を漬けた場合、
思いの外アクが強くて食べられない…
ということが稀にあります。

 

この場合、もうしばらくそのまま漬けておく
ことで、エグみが抜けることもあります。

ある程度の期間を置いて、
また味見をしてみましょう。

梅は浸けておくほど味や風味が変わって
いきますが、エグみなども薄れていき
まろやかになっていきます。

 

また、火を通してもいい類のものであれば、
火にかけて浮いてくるアクを取ることで
エグミを取り去ることができます。

どちらにしても対処の仕方があるので、
うっかりアク抜きを忘れちゃった!
という場合でも気にせず、
漬け上がりを待ちましょう。

後記~アク抜きで失敗しないために

アク抜きで失敗しないためのコツは、
なにより無理して長時間水に漬けないこと。

例えばレシピなどに、
「梅のアク抜きは◯時間水に浸けます」
とか書いてあったとしても、
その時間をきっちり守る必要はないのです。

 

そして梅を水に浸けている間は、
梅に変化がないか、時折様子を見ること。

目視だけではわからないこともあるので、
いくつか梅を手に取ってみる。

柔らかくなりそう…とか、何かしらの変化が
見られたら、水から引き上げましょう。

 

ギリギリまで水に浸けておく必要は全く
なく、変色して傷んでしまうことのほうが
コワイので、早めに対処します。

うっかり浸けすぎると、しまった…!
ということになりますが、そうなってから
後悔してもどうにもならないのです。

何度もやっちゃった私が言いますよ~(;_;)

 

忘れそうならタイマーでも
かけておきましょう。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

梅ちゃんの様子を見ながら、
適度なアク抜きが
できますように~ヽ(´ー`)ノ

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