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梅シロップの保存方法と場所、期間はそれぞれの条件による。

この記事を読むのに必要な時間は約 15 分です。

梅シロップの保存方法と期間。
梅が出回る季節、
暖かいというよりは暑くなってくる時期。

毎年気温が上がり、
梅しごとをしている最中にも
汗が出そうになることもしばしば。

そんな中、毎年のように
梅シロップを作るという家も多いでしょう。

 

夏場にはとても嬉しい梅シロップ。

梅の季節にたくさん作っておきたいので、
長く保存するためにはどうすればいいのか
気になりますよね。

  • そのまま置いておいていいのか
  • 加熱したほうがいいのか
  • 梅はどうすればいいのか
  • 冷暗所か冷蔵庫か…

せっかく作ったものだし季節ものなので、
できれば安心な状態で長く保存したいもの。

ということで、今回は梅シロップの保存
について、一般的な保存性と、経験上の話も
交えて書いていくことにします。

それでは、いってみましょ。

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梅シロップの保存性

梅シロップの保存については
いろいろな話がありますよね。

極端な例では、
数週間で使い切りましょう、とか、
数年間保存できます、とか。

それはレシピや衛生面の違い、
保存方法などの差から出るもの。

つまり保存性というものは、
いろいろな面があって成り立つもの。

保存性は条件によって違う

梅シロップを漬ける材料面では、
砂糖だけで作るのか、量はどのくらいか、
酢や焼酎を入れるのか、分量はどのくらいか
などの違い。

そして漬けるときや使うときの衛生面、
完成後の処置などの違いで差が出ます。

あとは保存場所がどこなのか、
常温(冷暗所)保存の場合にはその環境、
冷蔵庫保存であっても、どんな扱いをする
のかでも差が出ますね。

シロップの保存性

保存食には、塩漬け・砂糖漬け・酢漬けなど
いろいろあるけれど、
梅シロップは梅の砂糖漬け。

大量に入れる砂糖によって
梅が傷まずに保たれています。

そもそも梅などの食品が傷んでしまうのは、
微生物の働きによるもの。

砂糖は梅から水分を抽出し、
微生物からも水分を奪う。

微生物は水分がないと活動できないため、
梅は守られる。

つまり梅を守るには、それなりの砂糖の量が
必要だということです。

また、砂糖だけではなく、これに
酢やアルコールを足し入れるレシピもある。

酢は抗菌作用があり、
微生物の増殖をおさえる働きをし、
アルコールにも同様の作用があります。

梅シロップの保存方法

梅シロップの保存方法は2通り。

  • 生のまま保存
  • 加熱して保存

生のまま保存

梅と砂糖で漬けた、梅シロップ。

梅が一緒に入った生のそのままで
使い切ってしまうのがいちばんいい。

生がいちばんおいしいですからね。

梅のエキスを抽出する期間は、
短くて10日~2週間くらいといわれます。
長くてもひと月~ひと月半ほど。

この期間を過ぎれば、そのまま冷暗所保存
でもいいのですが、冷蔵庫での保存が無難。

長く常温で置いておくと発酵することも。

 

酢やアルコールが入っていれば、
そのまま冷暗所でも可。

ただし近年の暑さは予測外のことが
起こることも…。

多少の酢を添加していたとしても、
見事に発酵してしまったりするのですよ~。

発酵と腐敗は紙一重…気をつけましょう^^;

加熱して保存

加熱するのは殺菌のため。

それと、シロップを煮ることで
水分が少々飛んで濃縮される。

あらかじめシロップを濾すことでも
さらに保存性は上がります。

火にかけることで風味は少々損ないますが、
より長く保存するためには必要でしょう。

 

〔シロップの加熱方法〕

  • 1. 鍋を用意

梅シロップを加熱するときには、
琺瑯(ホーロー)鍋かステンレス鍋(※)
あるいは土鍋などを使います。

※他の金属製の鍋は使わないこと。
梅は金属を嫌います。

 

  • 2. シロップを濾す

梅を別にし、目の小さめのザルなどで
あらかじめシロップを濾しておきます。

 

  • 3. シロップを火にかける

濾したシロップだけを鍋にあけます。
ゆるい火でコトコト加熱しましょう。

そのうちアクが出でくるので、
アクをこまめにすくい取り
アクが出きったら火を止めて冷まします。

沸騰させず弱火で15分くらい煮るのが目安。

あまり長く煮ると、
シロップの粘度は増して風味も飛び、
やりすぎると固まってくるのでほどほどに。

冷めたら保存容器へ。

 

ちなみに加熱処理をして冷蔵保存しても、
後日発酵することはあります。

保存容器

容器は保存ができて
使いやすいものがおすすめ。

おすすめはやはり瓶(びん)。
使いやすさを考慮すれば
ペットボトルなどでもいいでしょう。

容器はシロップを加熱する前に、
あらかじめ準備をしておくといいですね。

 

◇ 瓶を使う場合

熱湯消毒をして、よく乾かす。

※瓶は熱の温度差に弱いので、
割れないように充分注意しましょう。

 

◇ ペットボトルを使う場合

使いまわしていない容器がいい。

水とか炭酸水のペットボトル容器とか…
口をつけていないものを推奨。

熱消毒はできないので水道水で何度も洗ぐ。

内部を用具などで洗うと傷がつくため、
あまりやらないほうがいい。

ペットボトルは乾きにくいので
よく乾かすこと。

 

◆ 容器が乾いたら

保存容器が乾いたのをよく確認したら
アルコール消毒もする。

アルコールを使いたくない場合には、
加熱して冷めたシロップを少量入れて
よく振って内部を洗浄、中身を捨てる。

それから保存するシロップを入れます。

保存場所

梅シロップを漬けた材料が
梅と砂糖だけの場合は、冷蔵庫が無難。

酢かアルコールを添加しているのなら、
冷暗所でも可。

すぐに使わない、使い切れない場合には、
使い切れる量ごとに小分けにして密閉保存。

あるいは冷凍保存するのもいいでしょう。

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保存期間

梅シロップを生で冷暗所に保存する場合には
早めに使い切るのが無難。

充分な量の砂糖を使っていれば、
数ヶ月から半年、もって1年くらい。

火入れをしたなら、1年はもつでしょう。

冷暗所でもいいのですが、念のために
できれば冷蔵保存がいい。

ただし、冷蔵すれば傷まないという
保証はないので、そこは注意ですよ。

 

酢を入れているレシピの場合には、
生でも冷暗所で1年くらいはもつ。
しかし酢の量や環境などにもよります。

経験則でいえば数年はいけますが…
自己判断での使用になるので、
できれば早めに使い切りましょう。

長期保存について

長期保存できるかどうかは先に書いたとおり
材料の分量だけによるわけではなく、
できあがるまでのさまざまな要因が
関わります。

これは梅シロップに限らず何にしてもですが
たとえば次のようなこと。

  • 消毒は充分できているか
  • 漬け込み時は清潔に行ったか
  • 材料が充分混ざり漬かっているか
  • 置き場所は適切か

 

また、保存をする上での管理の仕方でも
違ってきます。

  • 利用時には清潔な道具を使っているか
  • 蓋の開閉が多くないか
  • 温度差が激しくないか

道具を使い回すと雑菌が入りやすい。
また、蓋の開閉が多いと何度も空気に触れる
ために雑菌が混入やすい。

 

長期に保存をしようと思えば、
つぎのようにしましょう。

  • 量が多いならいくつかに分けて保存する
  • 完全密閉にして保存する

開封したら早めに使い切るようにしましょう。

余談:酢を入れた梅シロップの保存記録

梅シロップは、ある程度の酢を入れると
発酵しにくいし、少々保存が効く。

ただやはり酸味が強いシロップになります。

これに対し、酢を入れない砂糖だけの
シロップは、味がクリアで雑味などのクセが
なく、万人が美味しく飲める味。
(※使う砂糖によっては雑味やクセが出ます)

ただ、あまり長期間の保存は期待できない
ようです。

ここでウチの経験談を少々書いておきます。

酢を入れる梅シロップ:ウチの例1

  • 梅の重さ1kgに対し
    砂糖500g、純米酢100cc
    割合は、1:0.5:0.1

冷暗所で5年物がある。

間であまり開けていないが、
先日傷んでいないのを確認した。
(※完全に素人判断です)

〔漬けてから2ヶ月経過時〕
酢の風味が強いが、梅の風味もあり、
割って飲むにはよい。
梅の実は皮が硬く、ミイラ化している。

〔漬けてから5年経過後〕
実の状態は、皮は硬いが中はやわらか、
クセがなく、梅の味はしないが
ほんのり砂糖の匂い。

シロップも甘くまったりで、
酢のエグさは少ない。

このあと小ビンに入れ替え、
冷蔵保存をすることにした。

いきなり環境を変えてしまったが
傷まないように祈る。

酢を入れる梅シロップ:ウチの例2

  • 梅の重さ1kgに対し
    砂糖は800g、純りんご酢150cc
    割合は、1:0.8:0.15

〔漬けてひと月後〕
火を入れ、アクを取り冷蔵保存。
シロップは酸味は少ない。
梅の実はもったりと甘く、酸味は少々。

その後は早めに使い切っている。

酢を入れる梅シロップ:ウチの例3

  • 梅の重さ1kgに対し
    氷砂糖800g、りんご酢125cc
    割合は、1:0.8:0.125

漬け始め頃に、
余ったからと家族が氷砂糖を追加。
割合は、1:0.845:0.125 と
とても中途半端な数字に…。

〔漬けて半年後〕
梅の実は風味があり、甘味が濃い。
甘ったるいと想定されたため、
シロップの味見はしていない。

〔その後(日付の記録ナシ)〕
梅の実はエグみ(※)が強く出ていた。

※梅は数カ月置くと
酸とともに梅のエグミも出る。
シロップも同様で少々飲みにくくなる。

〔漬けて13ヶ月後〕
梅の実はエグみがなくなり
美味しくなっていた。

〔漬けて2年後〕
梅の実はまったりとして美味しく、
酸味は少ない。

シロップは少し酸味があるが、
香りよくコクがある。

 

以上、ウチの酢入り梅シロップの
経験談でした。

なお、砂糖と記載しているのは、
氷砂糖以外の砂糖を使っています。
例1と例3は、常温保存での話です。

定期的に味見をすれば
変化などがわかりやすいのですが、
なかなかそうもいかずですね。

しかし気が向いたときの記録でも、
こうして記しておくと便利です。

保存期間については、ご参考までに。

どこまで確実に大丈夫とは言い切れないため
長すぎる保存はおすすめしませんよ。

後記

さて今回は、梅シロップの保存について
書いてみました。

ウチではしばらくずっと
酢入りで漬けていました。

しかしある日、知人から梅と砂糖だけで
漬けたシロップをいただきました。

酸味はあっても強すぎず、
すっきりとした味わいの梅シロップ。

これはいいなぁ~と。

それからはウチでも砂糖だけで
梅シロップを漬けています。

酢を入れないことで発酵しやすく、
保存性は少々落ちるようなので
火を通してからの冷蔵保存が望ましい。

 

砂糖漬けは、もって半年から1年。
梅の保存性はあるにしても、心配。

砂糖は雑菌の大好物。

未開封で腐っていなかったとしても、
開封してしまえば数日後にはわからない。

そんな怖さがちょっとあるので、
あまり長く置かないようにと思っています。

 

近年は異様な暑さとともに湿度もあり、
そんな日々が続いたときには
あとから何かしら出てくることがあります。

これまでは意外と平気だった減塩梅干しが
傷んだりとか。

今まではあまりなかったことが
続けて起きるとちょっと…考えますよねぇ。

 

最近はなんだか、冷暗所保存に対して
大丈夫かなぁと少々不安になっています。

暑い時期…梅も梅雨どきだし、あやうい。

梅干しなどは、保存性の低い微妙ラインで
漬けるのはもうやめました。

今後は傷みにくい漬け方を選び、
対策もきっちりしたほうがいいでしょう。
(逆にこれまで運が良かっただけ説も…笑)

 

それでは長くなりましたが
今回はこのへんで。

ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

梅シロップの保存は
慎重にね~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
>> https://mekurie.jp/profile/

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