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梅は三毒を断つ。この言葉は平安時代の書物に記されていた。

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

梅にまつわる言葉は昔から多くあります。

その中で、梅は身体にいいんだよ~
という意味の言葉がいくつかあります。

これもそのうちの一つ。

「梅は三毒を断つ」

この「三毒」とは一体なんでしょう。

調べてみると、三毒という言葉は
中医学にも仏教にもありました。

ではその内容は?

ということで今回は、
「梅は三毒を断つ」という言葉について
書いていきますよ。

それでは、いってみましょ~。

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梅は三毒を断つ

「梅は三毒を断つ」

この言葉がいつから生まれたのかは
定かではないようですが、古い書物に
記載されているようです。

日本最古の医学書『医心方』
984年。丹波康頼著。

平安時代、貴族であり医者であった、
丹波康頼(たんばのやすより)により編纂、
円融天皇に献上されたもの。

「医心方」は全30巻ほどあり、
中国の医学書から病気の原因や治療法など、
ありとあらゆることについてまとめられて
います。

このなかで「梅は三毒を断つ」という
記載があったようです。

実際に記されているものを見つけることは
できなかったのですが、梅の効用について
書かれている原文を見つけました。

興味のある方は見に行ってみてくださいな。
「医心方」の巻30。
ただし、漢文ですよ~。

データベース:
国立国会図書館デジタルコレクション
「医心方巻第丗」

上記リンクページの、17-18コマにかけて
梅についての記載があります。

三毒とは

「梅は三毒を断つ」
この三毒というのはなんでしょう。

三毒とは。
「血毒・水毒・食毒」を指す。

「血毒」…熱中症
「水毒」…水あたり
「食毒」…食あたり(食中毒)、魚毒

〔熱中症〕
熱中症は近年注目されていますが、
体内成分のバランスが崩れて
身体に熱がたまり、頭痛や吐き気、
めまいなどの症状が出るもの。

〔水あたり〕
水あたりは、体に合わない水や
汚染された水などを飲むなどして
具合いを悪くしてしまうこと。
また、水分の過剰摂取でお腹を
壊してしまうこと。

〔食あたり〕
食中毒は、食物に含まれる毒や細菌、
ウイルスなどの微生物を摂取してしまう
ことによりもたらされる中毒。

「梅は三毒を断つ」というのは、
これら三毒を解毒し解消するためには
梅干しがいいということのようです。

あともうひとつ。

魚毒を梅干しで消すというのは、
刺し身にワサビや大葉などといった、
現代でも残る付け合せの「薬味」と同じ
意味合いを持っているということ。

薬味は種類にもよりますが、
殺菌作用による食あたり防止や、
消化不良を防ぐ作用を持っていたり
するものです。

魚や肉などを食べるときには、
組み合わせの良い薬味を合わせるなどして
食すといいでしょう。

あ、こんなときにはやはり、
是非梅干しを添えて食しましょう^^

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中医学においての三毒

中医学というのは、中国の伝統医学。
陰陽五行説に基づいた理論があるといいます。

血毒、水毒、食毒の「毒」とは、滞ること。

「血毒」…瘀血(おけつ)
血の巡りが悪く滞ること。

「水毒」…津液(しんえき)が滞る
体液が滞ること。

「食毒(しどく)」…食滞・食傷
消化不良のこと。

水や食が悪かったり摂りすぎたりすれば、
血の巡りが滞る。
滞りがあれば具合いが悪くなり病気になる。

滞りをなくして流れをよくすることで、
身体のエネルギーが巡る。

なにごとも、過ぎても足りなくても滞り、
毒となるということだそうです。

梅干しには殺菌作用や解毒作用があります。

梅干しが体にいいことは確かですが、
そうは言ってもやはり過ぎてはならないもの。
なにごとも適切が大事ですね。

仏教における三毒

「三毒」という言葉を調べていると、
仏教にも三毒というものがありました。

仏教における三毒とは、
「貪瞋痴(とんじんち)」

「貪瞋痴」は煩悩(ぼんのう)であり、
これらの煩悩をなくせば
苦しみから開放されるという。

「貪(とん)」とは。
貪欲(とんよく)。欲深いこと。
欲を貪(むさぼ)ること。

「瞋(しん)」とは。
瞋恚(しんに)。怒りのこと。
妬(ねた)み、嫉(そね)み、恨み。

「痴(ち)」とは。
愚痴(ぐち)。不平をいうこと。
愚かさ、無知であること。
物事の道理がわからないこと。

仏教における三毒も、
梅が断ってくれる三毒と共通する部分が
あるように思えました。

それは、「過ぎる」こと。

貪瞋痴もほどほどならば可愛いものですが、
過ぎれば自らを壊してしまいます。

なにごとも「過ぎる」ことは、
心身ともに壊してしまうことを
示しているようです。

昔の人の教えは深いものですね。

後記

さて今回は「梅は三毒を断つ」について
調べてみました。

この言葉を調べている中で、
漢字の記述が二通りあることに気づきました。

「梅は三毒を断つ」
「梅は三毒を絶つ」

「断つ」の字が多かったのですが、
書籍や少数に「絶つ」の字が使われています。

辞書で調べてみると、どちらでも使うし
どちらでもよさそうではありますね。

どちらにしても、
梅は3つの毒を断って流してくれる
有り難い性質を持つもの。

多からず少なからず、適度に食べるのが
いいということですね。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。

日頃から梅干しを食べて、
身体を整えておきましょう~ヽ(´ー`)ノ

もちろん、適量でね。

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

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