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梅干し作り。
梅を塩漬けしている段階でカビが出た。
梅を干しているときに白いものが…
保存時の梅干しにカビ…?
そんなときにはどうすればいいのでしょう。
その対処法は?
状況や状態で対処方法は変わってきます。
何をどうしているときにどうなったのか。
そしてどう対処すればいいのか。
今回はそんな、
梅干し作りのカビ対策について
調べて書いていきます。
それでは一つずついってみましょ~。
梅の塩漬け時
梅干し作りで一番カビのトラブルが多いのは、塩漬け時。
梅を塩漬けしている状態で、ひと月以上も置いておくのです。
うっかり忘れていた、手を抜いたらいつのまにやら出ていた…
なんてことになりかねないものです。
減塩で漬けた、という場合には特にね。
塩漬け時によくある問題を上げてみます。
- 底に白いものが溜まっている
- 梅酢の上にカビが浮いている
- 梅酢の表面に白い膜のようなもの
- 梅の一部にカビ?
- 梅酢が濁った
カビかな?と不安に思うのはこのくらいでしょうか。
順番に説明していきますね。
底に白いものが溜まっている
〔状態〕
- 液体(梅酢)自体は透明
- 底に白いものが溜まっている
この白いものはおそらく、塩。
塩が底に落ちて溜まっているものでしょう。
通常、梅酢の中にカビは生息できないようなので、塩だろうという判断です。
〔対処法〕
溜まった塩が溶けやすいよう、容器をゆっくりまわす。
1日に数回行います。
徐々に塩が溶けて透明度が上がるでしょう。
それでも溶けきらなかった場合は、塩の入れすぎかも。
塩の量は適切だったのか、確認してみましょう。
梅酢の上にカビが浮いている
〔状態〕
梅酢の上にぽつんとそこだけカビが浮いている
これはホコリか何かにカビが付いて繁殖したものかも。
他にカビらしきものがなければ、これだけで済む可能性あり。
〔対処法〕
発見次第、そっとすくい取る。
容器に付着している場合は、焼酎で拭き取ります。
他に異常がなければ、きっちりフタをしてそのまま様子を見ます。
表面に白い膜のようなもの
〔状態〕
梅酢が空気と触れる表面に、白い膜のようなものが浮いている。
白い膜はおそらく、産膜酵母と呼ばれるもの。
ぬか床や漬物、味噌や醤油などにも現れる酵母菌の一種です。
耐塩性があるので、塩分の濃い場所でも発生して増えます。
少々なら問題ないのですが、増えすぎると困るもの。
放置しているとどんどん増えて、最悪カビか生えるので早めの対処が必要です。
〔対処法〕
産膜酵母についてはいろいろあり、対処方法が分かれます。
これは産膜酵母をどう捉えるか…ということも関係してくるため、感じ方によって対処法を分けてみました。
- 対処法1 …きもちわるいと感じるなら
- 対処法2 …いやだけど気にならないなら
- 対処法3 …気にならないなら
対処法1. 産膜酵母を取り除いて徹底排除
- 産膜酵母をすくって取り除く。
- 梅を容器から取り出し、熱湯で洗い天日に干して乾かす。
- 梅酢を濾して鍋(※)に移し、火にかけて沸騰してから冷ます。
- 洗って消毒をし、乾いた容器に梅酢と梅を戻す。
※鍋は酸に強い琺瑯やステンレスなどを使い、終わったらすぐ洗いましょう。
対処法2. 産膜酵母の塊は取り除く
- 産膜酵母をすくって取り除く。
- 容器ごとゆらして梅酢を回すように混ぜる。これでしばらく様子を見ます。
対処法3. 産膜酵母を混ぜ込んでしまう
これは産膜酵母が少ないときにやるほうがいいでしょう。
- 容器ごとゆらして梅酢を回し、産膜酵母を混ぜ込む。
◇ 対処後の対策
対処を実施したその後の対策としては、空気を遮断すること。
産膜酵母は酸素がないと生きていけない。
そのため、梅酢に混ぜ込んでしまうと消えるのです。
〔再び出現したときの対処〕
産膜酵母が表面を覆ってしまわないうちに、うっすら白くなれば容器を揺すって混ぜてしまいます。そのためには、時折様子を見ておく必要があります。
〔注意!〕
産膜酵母は再度出現する可能性は高いです。
特に対処法2と対処法3での場合。
産膜酵母は、梅の質を良くしてくれるという説があります。
このため、産膜酵母が出ても混ぜ込みながら漬け続けるという方法があるのです。
これは全てではないでしょうけど、梅業者さんがされているようです。
対処法1では、熱による殺菌処理をしてしまうので、再度出る可能性は低くなります。
産膜酵母が気持ち悪いと感じるならば、阻止するほうがいいですよね。
ちなみに自家製の場合、対処法1で処理するのが多いのではないでしょうか。
私も産膜酵母を利用して…というところはまだ未経験。
産膜酵母が出るたびに混ぜ込んでいると、やはり梅酢は濁るようで、「梅酢が濁る=傷んでいる」という認識があるため、なかなかきびしいな~と。
どの方法を用いるかは好き好きですが、慎重に^^;
梅の一部にカビ?
〔状態〕
梅自体にカビのようなものが付着している。
梅にカビが付くのは、だいたい梅酢から出ている部分。
梅酢から頭の出た梅は、産膜酵母やカビが付きやすいのです。
- 産膜酵母なら
白い膜のようなものなら、産膜酵母かも。
その場合、先程の「1.3 表面に白い膜のようなもの」を参照。 - カビなら
カビはふわふわしていたり、菌糸が見られるもの。
この場合はカビ。
〔対処法〕
カビの付いた梅は取り出し、廃棄。
容器に付着しているなら、焼酎で拭き取ります。
梅酢は透明なら、そのまましばらく様子を見ます。
梅酢が濁っていれば、次項を参照のこと。
梅酢が濁った
〔状態〕
梅酢に透明感がなくなり、白く濁っている。
この場合はかなり状態が進んでいます。
〔対処法〕
梅酢は廃棄。
梅は溶けていたり皮が破れているものは廃棄。
無事な梅は熱湯で洗い流す。
このとき皮が破れるものも廃棄。
残った梅は天日で干して乾かす。
新たに梅酢を用意して漬け直します。
梅酢は、前年のものがあればそれを使用。
無い場合には、市販で販売もされています。
どうしても梅酢が手に入らない場合には、食酢で代用。
赤紫蘇を入れた後
梅干しを赤くするために、赤紫蘇を入れる場合。
赤紫蘇を入れるときには注意しないと、カビの原因になることがあります。
- 赤紫蘇にカビ
- 赤梅酢が濁った
赤紫蘇にカビ
〔状態〕
赤紫蘇に直接カビが付いた。
〔対処法〕
赤紫蘇をそっと取り出し、廃棄します。
赤紫蘇にカビが付く原因はいくつか考えられます。
- 赤紫蘇が古かった
- 赤紫蘇のもみ具合が足りなかった
- 赤紫蘇の水切りが不十分だった
- 赤紫蘇が梅酢に浸っていなかったなどでしょうか。
赤梅酢が濁った
〔状態〕
赤梅酢に透明感がなくなり、濁った状態。
〔対処法〕
「梅酢が濁った」と同様の対処をします。
梅を干したときに白いもの
梅を干した時に、白い粉や粒状のものが付くことがあります。
〔状態〕
梅の表面に白い粉のようなものが付いた。
あるいは、白いつぶつぶが付いた。
これらの場合はカビではなく、塩が結晶化して出ることが殆どです。
夜露に濡れるとこの白いものは消えてなくなり、また日中干すと出てくる。
出たり消えたりする場合にはまず、塩だと言えます。
まれに、赤茶色っぽい結晶のようなものが出ることもあります。
梅干しのバランスによっては、梅に含まれるカリウムなどが結晶化して出ることもあるようです。
〔確認方法〕
カビか梅の成分なのかは、水に漬けてみるとわかるようです。
カビなら溶けず、梅の成分ならば水に溶けるでしょう。
梅を天日干しする場合、滅多なことではカビが出ることはないといいますが、ごくまれに、塩が少なすぎたり漬け具合が良くない場合に、梅を干している最中に傷むということもあるそうです。
梅干しが完成して保存後にカビ
梅干しが完成すると、保存容器に移して保管します。
その後、カビが生えた場合にはどうすればいいのか。
〔状態〕
白い粒状ものはやはり塩の可能性が髙い。
ふわふわした感じのもの、別の色のものはカビかも。
カビが生えてしまった場合は、次のようにします。
〔対処方法〕
- 直接カビが付いた梅干しは取り除いて廃棄
- カビが付いていない梅は、梅酢か焼酎で洗い天日で干す
- 保存容器はきれいに洗って消毒
- 冷蔵庫で保存
保存後のカビも、軽ければ対処もできるでしょう。
しかしカビが全体に回っていそうなら、廃棄してしまうほうがいいかも。
もったいないと感じても、カビたものは口にしないほうがいいですからね。
後記
さて今回は、梅干しのカビの対処法について調べて書いてみました。
ただここで書いたことは、ほんの一例です。
調べれば調べるほど、様々な対処方法があることがわかります。
まさに先人たちの知恵。一番自分に合う方法を探してみるのもいいですよね。
基本的なことに気をつけていれば、あまりカビと遭遇することもないもの。
(減塩しなければね)
しかし同じ材料・分量で漬けても、容器の違いや手法によって違いが出ることもあるようです。
梅干し作りは沢山の工程があります。
ところどころで何かしらのトラブルがあってもおかしくはありません。
毎年梅の状態も違うし、気温も湿度も違う。
なかなか同じようにはいかないものです。
去年うまく出来たから、今年も…と思って手を抜くと失敗したりします^^;
梅干し作りは同じようにならないから面白いのでしょう。
毎年挑戦して、毎年経験を積んでいくしかないですね。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。
あなたの梅ちゃんが無事に仕上がりますように~ヽ(´ー`)ノ