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アク抜きし忘れちゃった!どうしよう!?
梅干しなどの指南書には、
「梅を漬ける前にアク抜きをしましょう」
と書かれていると思いますが、
うっかり忘れてしまうこともありますよね。
アク抜きを忘れてしまったら失敗?
はじめての場合は焦ってしまうかも
知れないですが、そのままで大丈夫。
梅のアク抜きを忘れたからといって
失敗してしまうわけではないので
落ち着きましょう。
慌てて取り出してやり直し…なんて、
そんなことはしなくてもいいのです。
一度漬けたものを取り出して
いじってしまうより、
そのままにしておくほうがよほど安全です。
アク抜き忘れは、そのまま続行。
うっかり忘れていたけど、
どうにでもなるよね~♪
というくらいの感じでいいんですよ。
そういうことで今回は、
アク抜きを忘れちゃったらどうなるの?
ということについて書いていきますよ。
梅の熟度とアク
梅のアクというのは
梅の熟度によって変わってくるものです。
梅がまだ青くて硬い時には、
かなり強くアクがある。
そして梅が徐々に熟していくと
アクはなくなっていくようです。
アク抜きが必要な梅というのは、
まだ硬くて青々とした青梅の場合。
具体的には、濃い緑色をしているくらいの
青梅のことです。
この硬くて濃い緑色の状態にある梅は、
やはりアク抜きをした方がいいといわれて
います。(忘れていたなら、そのままで)
そして熟した梅については
アク抜きはしないほうがいいとされて
いるのです。
熟した梅はアク抜きをする必要がない
ばかりか、アク抜きをしたことによって
問題が出てしまうこともあるのです。
◇ 未熟な梅
↓
◇ 青梅 …アクが強い
↓
↓ …徐々に熟して色が青から黄色へ
↓ (熟度によってアク抜き時間を短く)
↓
◇ 黄梅(熟した梅) …アクがない
↓
◇ 腐る
梅のアク抜きについての詳細は、
こちらの記事へどうぞ → 梅のアク抜き
アク抜きを忘れたとしても慌てない
さきほども書いたように、
あるていど熟した梅の場合なら
アク抜きを忘れても問題はないのですよ。
熟した梅ならばむしろ、
アク抜きしなくてよかったよね~!
と思います。
では、青梅の場合はどうなのでしょう。
もしアク抜きを忘れていて
アク抜きをしなかったら…。
じつは青梅の場合もそんなに
気にしなくても大丈夫です。
アク抜きを忘れて漬けちゃったなら、
もうそのままにしておきましょう。
結果的にどうなるのか…
については後述します。
熟した梅のアク抜きはしなくていい
何度も書きますけど、
熟した梅はアク抜き不要。
梅干しを漬ける時には、
たいがい熟した梅を使いますよね。
作り方に「アク抜きをします」と
書かれているものもよく見かけますが、
このアク抜きで失敗することも
多いのですよね。
おそらく梅を漬けた経験のある人は、
多かれ少なかれアク抜きの失敗を
経験していることでしょう。
皆が通ってきた道ですよ~。
かくいう私も、アク抜きでどれほど
失敗したことか…笑。
とにかく熟した梅を使う場合には
アク抜きは不要。
「熟した梅」の判断も難しいですが、
少々黄色っぽくなった梅は
熟しているとみなしていい。
アク抜きを忘れていたとしても、
やらなくてちょうどよかったのですよ。
青梅のアク抜きは必要か
青梅の場合でも、アク抜きについては
さまざまな意見があります。
実際、
青梅のアク抜きは全くやったことがない。
毎回アク抜きせずに漬けているよ!
という方もけっこういらっしゃるのです。
そしてこの「青梅」にしても
条件はいろいろなのでまた難しいところ。
たとえば、こんなふうに条件は違うのです。
- 梅の木の違い
- 鮮度の違い
- 熟度の違い
条件が違えば、梅の質も状態も違う。
青梅のアクが強いかどうかも違うので、
厳密にはアク抜きが必要かどうかも
不明なのですよ。
だからあまり心配しなくてもいいでしょう。
梅の木の違い
梅の木は品種、樹齢、環境などによっても
違いがあるようなので、個体差という
ものもあるようです。
やはり生き物ですからねぇ。
梅の木は全て同じというものでないなら、
実の状態も同じものではないのです。
育つ土地も環境も違えば、
成分なんかも当然違うでしょう。
だから性質が少々違っても当たり前。
植物は環境によってアクがなかったり
強くなったりがあるようですし、
品種改良されたものには
アクの少ないものもあるといいます。
なのでアク抜きをしなかったという理由で
エグみが残るか、失敗するかどうか、
というのも厳密にはわからないものです。
鮮度の違い
梅の実の鮮度もそれぞれ違いますね。
- 今さっき梅の木から収穫した青梅
- スーパーで並べられている青梅
たとえ同じ木から同じ時期に収穫された
梅であっても、随分違ってくるでしょう。
梅の木から収穫されたばかりの青梅。
まだ硬くて青々としている青梅ならば、
水につけてアク抜きをしておきたいもの。
これに対して、スーパーに並ぶ青梅は
収穫されて箱詰めされて出荷され運ばれ…
店頭に並ぶまでには何日か経過しますよね。
地物ならば即日にでも店頭に並ぶかも
しれないけれど、遠方のものならば
店頭に並ぶ頃には鮮度は落ちる。
そしてさらに店頭に数日置いてあったなら…
梅の成熟度にもよりますが、
青梅を収穫して数日も経過すると
熟度が進んで色が薄くなってくる。
そして水分はなくなって柔らかくなる。
このような時間が経過した青梅の場合は
アク抜きを忘れてしなかったとしても、
とくにエグみが残るなどの心配は
それほどないかなと思います。
熟度の違い
さきほどと似たようなことですが、
「青梅」といっても熟度はいろいろです。
だけどみんなそれぞれに、
自分の感覚で青梅と認識しているので
それが同じ状態のものを指しているのかは
わからないものなのですよね。
- 深い緑色をした硬い青梅
- 色が浅くなってきてる青梅
- 少々熟して黄緑色っぽくなる青い梅
青梅って、かなり若いものでない限りは
けっこう熟していくのが早いものです。
熟度とアクについては先に書いたとおり、
未熟なほどアクが強く、
熟すほどにアクは薄くなります。
アクが強い梅は
長時間のアク抜きが必要だといわれており、
熟すに連れてアク抜きの時間は短くていい
といわれています。
しかしこれまで梅を漬けてきて思うのは、
本当にアク抜きが必要だなと思ったのは
「深い緑色をした硬い青梅」
くらいだなぁと。
他はあまり実感がないのですよね。
アク抜きをしなければいけないという
決まりはないですからね。
アク抜きをしなかったらどうなるの?
ではアク抜きが必要そうな、
硬い青梅のアク抜きをしなかったら
どうなるのでしょうか。
アク抜きをしなかった結果
アク抜きをしないことで、
何事もない場合もあれば
次のような場合もあります。
- 渋み、エグみが残る
やはりこれは
どのような青梅をどのように漬けたのか、
ということにもよるのですが…
渋みやエグみが強く出る場合、
実を食べるにしても
抽出されたエキスを使うにしても、
けっこうきついものがありますよ。
そんな渋みやエグミさえも味わう、
という考え方もあるようですが
あまり万人受けはしないでしょう。
しかしそのような場合でも
梅というのはなかなかいいものなのです。
解決策
渋みやエグミが強すぎて食べられない…!
そんなときには、
しばらく放置しておきましょう。
漬けたまましばらく熟成させておくと、
そのうち渋みやエグミなどは消えて
美味しく食べられるようになるものです。
ただし、保存が効く漬け方をしたものなら、
ですけどね。(例:梅干し、梅漬けなど)
あるいは、漬込み期間が終わり、
保存時に火にかけて処理をするような場合。
火にかけていると泡が浮いてくるので、
これをこまめにすくって捨てることで
アク抜きになります。
(例:梅シロップや梅味噌、梅ジャムなど)
後記~アク抜きは好きずき
梅のアク抜きをする、アク抜きしない。
これは結論として、
どちらでもいいですよ~、と。
だからアク抜きを忘れていたとしても
まったく問題なしなのです。
梅のアク抜き自体、賛否両論なのですよ。
調べれば調べるほど、どちらでもいいのか!
と思ってしまうほどです。
梅を水に浸けること自体、
よくないとする意見もあるのです。
【梅を水に浸けるとよくない意見】
- 梅が傷む
- 梅の味が抜けて薄くなる
- 梅が柔らかくなってしまう
対して、
【梅を水に浸けアク抜きする方がいい意見】
- 渋み・エグみなどの雑味がなくなる
- 梅が柔らかくなる
などなど。
これらはまた、梅で何を作るのか
ということにも関わりますけどね。
用途によってアク抜きをする・しない、
と分けていることもあるのです。
これはもう、あとは好みと経験ですよね。
はっきりしていることは、
- 硬い青梅はエグみが強いものがある
- 熟した梅はアク抜きしない
ということで、あとはご自由に~^^
今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
梅しごとには色々あるけれど
押さえるところは押さえつつ、
自由にやっていきましょ~ヽ(´ー`)ノ
梅のアク抜きについての詳細は
こちらの記事へどうぞ → 梅のアク抜き