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梅干を作るにはいろいろな方法があります。
方法の違いというのは、主に容器によるもの。
今回はその中でも、ジッパー付きビニール袋を用いた方法で梅干の作り方を紹介します。
なお、このジッパー付きビニール袋を用いた方法にはこんなメリットがあります。
・初心者でも気楽で簡単にできる
・少量を漬ける場合に便利
・とても扱いやすい
・中身が見えるので漬けやすい
・容器に場所を取らない
・とても安価に初められる
…こんなところでしょうか。
それでは、
ジッパー付きビニール袋で作る梅干しの作り方
を順に説明していきます。
使う材料と道具
まずは梅を漬ける材料と道具を揃えます。
特に珍しい道具などを使うことはないので、初めて漬ける場合でも気軽に始められますよ。
梅干しを漬ける材料
・梅 1kg (黄熟した梅)
・塩 180g (梅の重量の18%)
・焼酎 50cc (アルコール度数35度以上のもの)
※焼酎はホワイトリカーなどでOK。
(2020.06.18追記)
塩が18%の場合は焼酎なしでも大丈夫ですが、管理を怠ると危ないこともあるので焼酎を入れるほうが無難です。
焼酎を入れたくない場合は、塩20%以上にする方がいいでしょう。
梅干しを漬ける容器
・ジッパー付きビニール袋 (大きいサイズ)
厚手でジッパーがしっかりしているものを選びます。
このビニール袋については、必ず食品用のビニール袋を使うようにしましょう。
私はジップ○ックを使って作ってみました。
Lサイズが梅1kgを入れるのに丁度いい大きさです。
(ちなみにMサイズだと梅500gで丁度いい)
使う道具
〔洗ったり干したりに使う〕
・大きめの桶、またはボウル
・ザルなど水切りができるもの
〔梅の下ごしらえに使う〕
・キッチンペーパーや清潔な布巾など
・爪楊枝、または竹串
〔梅を漬け込むときに使う〕
・ボウル
・菜箸 (もしくはきれいに洗った手)
・トレイ(水漏れ防止用)
梅の準備と下ごしらえ
梅を漬ける前に、梅の準備と下ごしらえをします。
ここではざっと簡単に説明していきますね。
詳しく知りたい場合は、別記事をご参照くだいな。
梅を選別
まずは梅の状態を確認。
梅の状態をよく見ておくことは大事です。
梅の状態で気にすることは次の3つ
(1) 傷があるかどうか
(2) 傷み(カビや腐敗など)があるか
(3) 梅の熟度を見る
大きな傷があるもの、傷みなどがある梅は外します。
外した梅の中でもひどいものは処分。
一部分だけだったり、表面だけで中に問題のないものなら他の用途に使います。
そして熟度不足の梅は追熟をしていきます。
梅を追熟
追熟が必要な梅は、緑色だったり、まだ緑色がかっているもの。
すでに黄色っぽく柔らかくなっている梅は、即漬けてしまいましょう。
〔追熟方法〕
(1) 乾いたダンボール箱に梅を平らに並べ入れる
(2) ダンボール箱の蓋を軽く閉じ気味にする
(3) 風通しよく陽の当たらない場所に置いておく
時々、梅の色や変化を見てあげましょう。
そして追熟の完了は、梅の色や硬さなどを見て決めます。
〔追熟完了の目安〕
色: 黄色味を帯びているもの
硬さ: 表面が柔らかめで弾力のあるもの
香り: 桃のようないい香りがするもの
色は梅の収穫時期などにより、必ずしもきれいに黄色になるとは限らないので注意が必要です。
梅の状態をよく見て、色よりも柔らかさが出てきたら漬けるようにしましょう。
梅は熟してくるととてもいい香りがしますが、この時期を逃してしまうと香りがなくなります。
香りがなくなってしまうと熟す期間を超えて劣化していきますので置きすぎないようにしましょう。
梅を洗う
〔使う道具〕
・大きめの桶、またはボウル
大きめの桶、またはボウルなどにたっぷりの水を入れ、その中で梅をジャボジャボ洗ってあげます。
流水で洗いつつ、何回か桶の水も入れ替えて洗います。
梅は擦ったりせず、優しく扱いましょう。
また、熟した梅は水に弱いので、洗い終えたら手早く水から上げてしまいます。
アク抜き
熟した梅はアク抜き不要。この工程は飛ばしてもいい。
柔らかい梅はアクも抜けているので、アク抜きをする必要はないのです。
水に浸けすぎると変色してしまう恐れがあるので、水に必要以上に浸けっぱなしはやめること。
まだ硬さのある梅は、虫抜きも兼ねて30分くらい水に浸けてもいいでしょう。
それ以上は水に浸けないようにします。
虫抜きとは、梅の中に虫がいる場合に、水に浸けておくことで虫が出てくるもの。
梅を洗うときに水に浸けて洗っていれば、あらかた大丈夫かな~?
梅を乾かす
〔使う道具〕
・水切りができるザルなど
梅をザルなどに上げて乾かします。
梅の表面の水分が乾くまで、風通しのよいところなどに置いておくといいでしょう。
乾かす時間がないときなどは、水を丁寧に拭き取ってしまいます。
梅のヘタを取る
〔使う道具〕
・キッチンペーパーや清潔な布巾など、水気を拭うもの
・爪楊枝、または竹串
梅が乾いたら、梅のヘタを取ります。
梅にまだ水滴が付いていないか確認しつつ、梅のヘタを取ります。
特にヘタの部分は水が残りやすいので、キッチンペーパーなどで梅を拭きながらヘタ取り作業をするといいでしょう。
ここまでで梅の準備は終わり。
梅の下ごしらえについて詳しく知りたい場合には、別記事にて。
梅の漬け込み
梅の準備が出来たら、いよいよ梅を漬けます。
ビニール袋で梅を漬けるのはとても楽なので、あっという間ですよ。
もう一度材料と道具のおさらい。
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〔使う材料〕
・梅 1kg (黄熟した梅)
・塩 180g (梅の重量の18%)
・焼酎 50cc (アルコール度数35度以上のもの)
※焼酎はホワイトリカーなどでOK。
〔漬ける容器〕
・ジッパー付きビニール袋 (大きいサイズ)
※以下「袋」と記載します。
〔梅を漬け込むときに使う〕
・ボウル
・菜箸 (もしくはきれいに洗った手)
・トレイ(水漏れ防止用)
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〔漬け方〕
1. ボウルに焼酎を入れる
2. 1に梅を入れ、梅全体に焼酎を絡ませる
3. 2の梅に塩をまぶしつける
4. 3の梅を袋に入れる
5. 袋に全部梅が入ったら、残りの焼酎と塩をすべて入れる
6. 袋の中で梅と焼酎と塩とをなじませる
7. 梅を平らにし、袋の中の空気を外へ出すようにしてジッパーを閉める
8. 7をトレイに寝かせ、袋のジッパーの口が下がらないよう、上に向かせて置く
(手抜きの余談…
ビニール袋の大きさに余裕があれば、1~3を飛ばすのもあり。
袋に梅を入れ焼酎を入れて全体に馴染ませ、次に塩を入れて馴染ませる。これでOK。)
梅が柔らかければこのままでひとまず完了。
ただ梅がまだ硬いようなら、袋の上に本などの重石を乗せてもいい。
重石は何でもいいが、袋の中の梅が潰れない程度のものを均等に乗せる。
このまま常温で管理していきます。
以上。
漬込みは至って簡単。
ビニール袋なので、ある程度外から梅に触れられます。
かゆいところに手が届くという具合に、もみもみしたりが簡単にできるのでほんとに楽。
さて、しかしここで終わりではないのでまだ安心しないこと。
梅を干すまでの間
梅を漬けてしまうと安心しがちですが、ここからが大事。
まずは梅の中の梅酢を出さないといけません。
袋で漬けると、梅と塩との密着度は増すし空気に触れずに済むしで、比較的失敗もしにくいと思います。
しかし実際に梅酢が上がってくるまで油断は禁物。
とはいえ、大抵は1日である程度の梅酢が出てきます。
最終的には梅が全部、梅酢に浸れば安心。
それまでは1日に何度か袋をひっくり返したり様子を見たりしましょう。
梅酢がよく出てくれば、袋を立たせるように梅の配置を変えます。
袋を立たせて梅酢が梅の頭にかぶっていれば、そのまま梅を干す日まで置いておいても大丈夫。
それでも、もしも!ということがあるので、時折様子は見てあげましょうね。
赤紫蘇を入れるタイミングは、梅酢が上がった後や梅を干した後など、やりかたにより変わります。
赤紫蘇と梅の干し方については、また別記事にて記述していくことにします。
後記
梅干しを作る方法はいくつかありますが、今回のジッパー付きビニール袋が一番手軽で簡単な方法だと思います。
実際、初めてビニール袋で漬けたときには、その手軽さに驚きました。
こんなに簡単なんだねぇ…って。
しかしながら、一度に漬けられる量が少ないので少々物足りない。
そんなときにはジッパー付きビニール袋でなく、漬物用の分厚目のビニール袋で漬けてみるといいでしょう。
一度梅干しを漬けることを経験してみると、だいたいの雰囲気は掴めます。
容器によって多少の勝手が違うのですが、それもまた面白いと思いますよ。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。
梅ちゃんのビニール袋漬け、うまく仕上がりますよ~にヽ(´ー`)ノ