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梅干し作りにおいて失敗が多いのは
減塩して梅を漬ける時。
塩を減らして漬けるというだけで
いろいろな影響が出るものです。
その一つで最大のものが、保存性の低さ。
塩を減らせば保存性が低くなり、
梅は痛みやすくなります。
ですから通常の塩分で漬けるときより
よほど気をつける必要があるのです。
今回はそんな、
減塩で梅干しを作った時の失敗談を
書いていきます。
梅干しの失敗談
小さい樽で、小さめサイズの梅を
少量漬けた時のこと。
このころは主に
梅を瓶(ビン)で漬けていたので
樽漬けの経験が無く初めてのことでした。
この時は梅の時期も終わり頃で、
最後に残った梅の量が微妙だったことと、
丁度いい大きさの瓶が空いていなかった
ことなどから、
小さいプラスチックの樽を
使って漬けたのです。
条件
〔道具〕
- 容器:小さいプラスチック樽
- 落し蓋と重石:樽の直径に丁度入る小皿
- 蓋:付属のもの
〔材料〕
- 梅(サイズS~Mくらい):610g
- 塩:50g(8%強)
- 焼酎(度数35ホワイトリカー):1/4カップ(8%強)
経緯
〔準備〕
道具:きれいに洗浄、乾燥または拭き取り
消毒:焼酎(35度ホワイトリカー)で消毒
梅:きれいに洗い、乾かすか拭き取り
〔漬け込み〕
梅:焼酎に浸し、塩を付けて樽へ
塩:残った塩を樽へ
焼酎:残った焼酎を樽へ
漬け込み作業はすべて菜箸で行った。
〔漬け込み後〕
日に何度か容器を傾け、
梅酢が梅全体に行き渡るように回していた。
そうして数日。
落し蓋替わりの小皿に、梅酢がひたひたに
上がった。
さらに数日後、次のような結果に。
結果
異常に気づいたのは、
梅を塩漬けにして10日後のこと。
- 白い膜のようなものが出ていた
- 匂いがつく
- 梅酢が白く濁っていた
白い膜のようなものは、
今思い返せば産膜酵母。
今ならよく確認して、
救済できるか考えるが…
当時はもう、傷んだという思いしかない。
そして全て廃棄処分に。
失敗する要因
失敗する根本的な要因を書き出してみた。
痛みやすい条件はいくつかある。
◇ 痛みやすい条件
- 梅に対して塩の量が約8%程度
- 梅が小さく量も少ない
◇ 漬込み時に失敗する要因
- 状態の確認が不十分だった
- 容器の中が見えず気づくのが遅れた
失敗の経緯
梅酢が上がっていたので安心していた。
おそらくここまでは成功状態だった。
そして気にかけてはいたが確認を怠った。
まぁ大丈夫だろう、
と高をくくった結果が失敗。
想定外のこと
今回の場合には、想定外のことがあった。
落し蓋がわりの皿と、
梅や梅酢との間の隙間。
どうやらこの隙間に
空気が溜まっていたようで、
ここで産膜酵母が繁殖したのではないかと。
そう思うのは、皿を伏せているところまでは
梅酢が上がっているのを確認していたから。
梅酢にひたひたに浸かっているのだから、
大丈夫であろうと。
ここで安心してしまわず、
よくよく確認いればよかったのに。
梅酢がひたひたに上がっているのだからと
満足して蓋を開けずにいたのですよね。
もし早めに蓋を開けて、
ちゃんと皿の下までよく確認をしていれば、
傷まずに済んだかもしれない。
しかしあとのまつり。
比較
ちなみに同年、
同じ生産者の梅で漬けた梅干しがある。
これも塩分8%の減塩梅干しだが、
こちらは無事に仕上がった。
〔条件〕
- 容器:瓶※
- 落し蓋:なし※
- 重石:なし※
- 蓋:付属のもの
〔材料〕
- 梅:1kg
- 塩:80g(8%)
- 焼酎:1/2カップ(10%)※
※…失敗したものと条件が違う部分。
瓶の場合は中身が見えるので
蓋を開ける必要がない。
中身の確認をするたびに蓋を開けると、
新たな空気が入ってしまうことがない。
これが瓶の容器を使う利点。
梅酢が上がっているかどうかがわかるし、
梅がしっかり梅酢に浸っているかどうかも
よくわかる。
そして不穏なものが出ていない
というのもわかる。
日々見ながら、蓋を開けずに
世話をすることができる。
対して、不透明な樽で漬けたものは、
外から中を確認することが出来ない。
だからこそ蓋を開けての確認が必要だった。
しかし手を抜き、確認を怠ってしまった。
ここが一番の失敗した原因であるかと思う。
もちろん焼酎の分量にも違いがあるし、
そもそもが減塩で漬けているので
充分に気をつける必要があった。
それなのに確認を怠った
ということ。
なんにしても、特に減塩で漬けるときには
気を抜いてはいけない。
そう思い知る一件でした。
後記
今回は私の失敗談をご紹介。
うまくいっていると思いこんで
確認していなかったのが
よくなかったわけですよね。
減塩梅干しは失敗しやすくて痛みやすい。
梅干し作りはどこに失敗の原因があっても
おかしくはないので、
ひととおり書き出してみたのですが…。
自分なりに原因はここにあったのだと、
そう思っているのですけど、しかしこれが
必ずしも正解では無いかもしれない。
別の目で見ると、また違った原因という
ものが見えてくるのかもしれない。
同じように作った梅干しでも
同じようにならないこともあるのですから。
しかしそれはまぁ、
まれにということですけど。
梅干し作りは、梅や材料、道具を用意する
準備のところから、各工程、仕上げ、
保存に至るまでいろいろなことが
あります。
大事なのは、やはりそれぞれの記録を
取っておくこと。
そして失敗した時には
どうしてそうなったのか
原因はどこにあったのかを
振り返って考えてみること。
そうすることで失敗が回避できたり、
何かに気づくこともできるでしょう。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
この失敗が少しでも
参考になれば幸いですヽ(´ー`)ノ