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梅干しは身体にいいらしいけど、
塩分が気になる…
そんなときには、やはり減塩で梅干しを
作りますよね。
しかし減塩減塩というけれど、
塩を減らして作った梅干しは
傷みやすいもの。
では、どのくらいの塩分があれば
梅干しは腐らないのか。
そしてどのくらいまで塩分を落とせるのか。
塩分を減らした梅干しは
どのくらいもつのか。
そもそも梅干しは
どのくらいもてばいいものか。
どう保存すれば腐らせないで済むのか。
塩を減らさなければ
それほど心配することはないことでも、
塩を減らすというだけで、いろいろなことに
気を配る必要がでてきますよね。
梅干しを腐らせないというのは、
単に塩分の問題だけではないのです。
今回はそんなことを書いてみたいと思います。
梅干しは減塩でも保存食
梅干しを作るときは、
梅の重量の18%~20%以上の塩を入れるのが
いいとされています。
梅は1年に一定期間しか収穫出来ないもの。
そのためこの期間に、少なくとも一年分の
梅干しを仕込むわけです。
つまりは最低でも一年間は
保存がきくものでないといけない。
美味しい梅干しは3年熟成させたほうがいい
といいます。
3年以上の期間を持たせるためには、
やはり塩分18%~20%以上の塩分が安心。
3年熟成させたほうが美味しいというのは、
おそらく塩分が濃いために、3年くらい
寝かせたほうが丁度よくなるのでしょう。
保存のための塩分量ではあるのですが、
その塩分量のために3年寝かせたほうがいい
という部分もあるのだと思うのですよね…。
梅干しを漬けるのは年に一時期。
最低でも一年間は保てばいいので、
減塩で漬けた梅干しでも、1年くらい
保つものを作ればいいわけですよ。
少しでも塩分を減らしたいということが
前提にあるならば、最低で1年保つくらいの
塩の量で漬ければいいわけです。
では、梅干しを一年間持たせるための
塩分濃度とはどのくらいなのか。
それを考えてみます。
どのくらいから減塩なの
梅干しって、どのくらいの塩分から
減塩と呼ばれるのでしょう。
減塩の基準は人によって変わるのでしょう
けれど、一般的には塩分18%を切れば、
もうそれは減塩とされるようです。
塩分18%以上は通常の梅干し。
塩分18%未満は減塩梅干しとされる。
この線引きは、梅と塩だけで
梅が傷まずに済む塩の量。
常温(冷暗所)で、ある程度長期に渡って
保存をしても安心な量。
減塩で梅干しを作っているが、保存も
常温(冷暗所)という家庭も多いでしょう。
そして、減塩だけど数年間は傷まないよ、
という梅干しも多くあります。
しかし梅の品種や産地、状態、作り方や
保存状況などによって、各家庭の梅干しの
状態は全て違います。
同じ塩分濃度だからといって、
必ずしも同じように腐らずに保てる
という保証はないようです。
この差が、塩分18%というところの境目
なのでしょう。(塩分濃度のムラも考えれば
塩分20%以上にする方がより安心です)
たとえば、塩分18%以上なら常温(冷暗所)で
数年間の保存は大丈夫だけれど、
塩分18%未満なら、長期保存は場合によっては
だめかもね~、と。
減塩思考は突き進めるとキリがないようで。
その幅はとても広く、塩分18%未満から
限りなく0%へ近づいて…?
塩分15%くらいは結構大丈夫なのですが、
塩分3%とかいうと、もう危ういしなんだか
よくわかない…。
それでも、冷蔵でも1年持てばいいという
ところなのでしょう。
梅干しが腐らない塩分量は
減塩で梅干しを作るときに
腐らせないために必要なこと。
それは何も塩分の量だけのことでは
ないのです。
腐る要因
梅干しが出来上がるまでに
腐らせてしまう要因。
それは塩分濃度の他にいくつかあります。
- 雑菌
- 水滴、湿度
- 気温
- 空気
雑菌が付いている中で、湿度が高くて
気温が高いと雑菌の恰好の繁殖場に
なってしまいます。
梅干しを作る際には、その雑菌が
繁殖しないように気を配る必要があります。
腐らせないための作り方
梅を腐らせないためには、
雑菌が繁殖しやすい環境を
徹底して排除します。
そして塩分が足りない分を
別のことで補うことも必要です。
雑菌を排除するためには、雑菌を減らし、
繁殖できない環境にすることが大事。
次のような対処をしていればいいでしょう。
〔雑菌の対処〕
- 消毒を徹底
- 水気を排除
- 高温多湿を避ける
- 空気を入れない
そして塩が少ない分、塩と似た働きを
してくれるものを添加すること。
〔塩の代わりをするもの〕
- 焼酎あるいは酢など
焼酎や酢を添加しなくても
減塩梅干しは作れますが、添加すると
あるていど簡単に減塩梅干しが作れるし、
失敗は少なくなります。
腐らせないための梅干しの塩分量
減らした塩の代わりに、焼酎や酢を添加して
いれば、あるていどまでの減塩梅干しを
作るのは簡単です。
そしてその塩分量は、だいたい梅の重量の
10%まで減らすことは可能といいます。
実際にウチでは10%と8%は何度か実践済みで
常温(冷暗所)で1年はもちました。
しかし実際には10%より少ない塩分5%や3%
という塩の量で梅干しが作れることを
実証している方もいらっしゃいます。
それは基本的なことをやった上で、
次の事を徹底しているからでしょう。
- 空気を入れないこと
- 梅酢を早く抽出させること
このように減塩梅干しを腐らないよう
作り上げるためには、塩分を減らす
だけでなく、さまざまな要素が合わさって
できることなのです。
減塩で腐らせないための保存
減塩梅干しは1年保てばいいでしょう。
翌年に梅が出回り、梅干しを仕込んで
食べられるようになる頃までに消費して
しまえばいいので、1年というのは丁度いい
基準です。
また、1年で消費するなら
一番暑くて湿気の多い時期である夏場を
越えずに済みます。(地域にもよるけど…)
あとは保存場所。
常温(冷暗所)か冷蔵か、ですね。
減塩梅干しの常温(冷暗所)保存
- 塩分15%の梅干し
(焼酎か食酢を添加して作ったもの)の場合
いくつかの梅干しの指南本を見ると、
15%梅干しの保存場所については常温だったり
冷蔵だったりと記述が分かれています。
これらを見ると、減塩梅干しで常温保存の
境目って、塩分15%あたりなのかな~
とか思います。
これは地域性などもあるので、
本当に微妙なところ。
きっと10%や12%でも大丈夫な場合もあれば、
15%でも駄目な場合もあるのでしょう。
ちなみにウチは西日本在住ですが、
減塩梅干しであるていど安心して
常温保存できるのは、塩分14%や15%のもの。
10%や8%も常温保存していましたが、
1年を超えての夏場は心配。
これはウチの漬け方で環境で、
この塩分なら1年は安心だとか
それ以上置いてもある程度は大丈夫、
というのが経験上あります。
梅干しを保存する上で避けたいのは、
直射日光と高温多湿。
うちも湿度は大概髙いですが、
こればかりは住んでいる環境にもよるもの
なので、塩分15%あったとしても
不安ならば冷蔵庫保存が無難でしょう。
きっと大丈夫、と思えるなら常温でも
いいでしょうけど、こればかりは各自で
試してみるしかないのですよね。
減塩梅干しの冷蔵保存
- 塩分10%の梅干し
(焼酎か食酢を添加して作ったもの)の場合
こちらは梅干し指南本などでも
冷蔵保存となっています。
しかしウチでは毎年、塩分10%でも
常温で置いていました(^^;)
いつもは1年くらいで消費していたので、
傷むという心配を全くしなかったのです。
ですがある年、1年を越えて数ヶ月が
経ったときに、たまたま食べてみると
ちょっと味に変化が…
微量の苦味が出ていたのですよ。
それからすぐに冷蔵保存。
その後は通常通り美味しい梅干しのままで
早々に食べ切ることができましたが、
たまたまギリギリでタイミングがよかった
のかな。
いつもは減塩梅干しは1年くらいで使い切る
ところを、うっかり1年を超えて残していた
ために傷んでしまうところだった。
塩分10%以下ともなれば、
傷むギリギリまで常温で置いておかず
干し上げてしばらくは常温で熟成させるに
しても、早めに冷蔵で保存してしまうほうが
いいでしょう。
ただ、数ヶ月を置くと気温が下がって
冬に入るので、極端な減塩でなければ
冬の間はだいたい大丈夫。
暖かくなってきたら冷蔵庫へしまう
というのでもいいですね。
後記
今回は、梅干しが腐らない塩分量は
どのくらいか。
減塩で梅を腐らせないためには、
塩分だけでは不足なのですよ~
ということを書いてみました。
梅干しは不思議なものです。
ちゃんと作るといつまでも長く持ちます。
減塩で漬けたとしても、適切な対処を
きっちりしていれば1年は持ってくれますし
ものによってはそれ以上も。
つい沢山作りすぎちゃっても保存期間が
長いので、なんだかんだで消費します。
減塩であっても、干し上がってから
3ヶ月~半年は置いておいた方が美味しく
なるので、なかなかすぐに食べられないのは
もどかしいですけどね。
せっかく作った梅干しを腐らせないためにも
適切な作り方で適切な保存をしましょう。
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださって
ありがとうございます。
減塩梅干しを腐らせないように
うまくいきますようにヽ(´ー`)ノ