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梅干しは青い梅では作れないの?その理由とホントのところ。

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

梅干し作りをしようとするとき。
指南本などには、たいていこう書かれています。

「熟した梅を用意しましょう」

これはなぜなのでしょうか。
まだ熟していない青梅では、梅干しを作ることができないのでしょうか?

実はそんなことはないのですよね。
青梅でもちゃあんと、梅干しを作ることができます。

じゃあなぜ熟した梅をすすめるのでしょう。
なぜ青梅ではダメだというのか。
青梅で作ったらどうなるのか。

今回は、このあたりについて書いていきますね。
ではひとつずつ見ていきましょう。

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なぜ熟した梅をすすめるの?

梅干しづくりで、熟した梅をすすめる理由。
その理由はおそらく、こんなこと。
・失敗しにくいため
・柔らかく仕上がるため

それはどういうことなのか。

失敗しにくいため

梅干し作りで熟した梅を使うと、何故失敗しにくいのか。
それは、梅を塩漬けにするときに関わります。

梅干しを作るには、まず梅を塩漬けにします。
そのとき気にしておくことは、梅から梅の汁(梅酢)がたくさん出るかということ。

梅酢がしっかり出てくれると、梅が梅酢に浸ります。
梅は液体(梅酢)に浸っていると、とても傷みにくくなるのです。
逆に梅酢があまり出てくれないと、梅はずっと空気に触れたままになり、痛みやすくなります。

熟した梅は、梅酢がとても出やすい状態なのですが、青梅は梅酢が出にくいもの。
それが青い梅よりも、熟した梅の方がいいとされる理由です。

柔らかく仕上がるため

梅干しというと、柔らかいイメージがあると思います。

柔らかくて、ねっとりとしているもの。
それが梅干し。
そんなイメージじゃないですか?

硬い梅干しと、柔らかい梅干し。
どちらかというと、柔らかい梅干しを好む人が多いのではないでしょうか。

手作りで梅干しを作るにしても、やはり柔らかい梅干しを目指す。
だから梅干しの指南本でも、柔らかく仕上がるように熟した梅を使うように書かれている。

つまり、熟した梅を使うようにすすめて書かれているのは、
初心者でも失敗しにくいためと、梅干しを柔らかく仕上げる目的のためなのです。

なぜ青梅はダメだというのか

青梅だからといって、梅干しが作れないわけではないのです。
青梅でも、ちゃんと梅干しは作れます。
そもそも昔は、殆ど青梅で梅干しを作っていたのではと思うのですが…。

じゃあなぜ今は、青梅じゃダメだというのでしょう。

それは先程書いたように、初心者でも失敗しにくいためと、柔らかい梅干しを目指すため。
そのほかには、単にこういった理由からではないかと思われます。
・ほとんどみんな柔らかい梅干しが好き
・青梅ではダメだと思い込んでいる

これだけです。たぶん(笑)

どうも梅干しは、柔らかいものの方がいい、というイメージが強いように思います。
柔らかく仕上がると成功、硬く仕上がると失敗、みたいなイメージ?

梅干しは柔らかくても硬くても、どちらもそれなりにいい面があるのに。
どちらを選ぶのかは、個人の好みそれぞれ。

硬かったり柔らかかったり。
いろいろな梅干しが出来るのは、いろいろな条件から違ってくるもの。

その条件のひとつが、青いか熟しか?ということ。
ただそれだけです。

追熟するのを忘れて、梅が青いまま漬けちゃった!
そんなとき、青梅だからといって必ずしも失敗というわけではなく、
単に硬めの梅干しが出来上がるだけなので、ご安心を(笑)

青梅を使うには

青梅を梅干しに使おうとしたときに、方法は2つあります。

(ア) 青いまま漬ける
(イ) 追熟(黄熟)させて漬ける

(ア)は、硬めの梅干しになる。
(イ)は、普通の柔らかい梅干しができる。

これはただ、追熟という一工程を入れるか入れないか。
元は同じ青梅でも、そのまま漬けるか少し置くかの違いです。

硬い梅干しを好むなら、青いまま漬ければいいし。
柔らかい梅干しを好むなら、追熟させてから漬ければいいのです。

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青梅で漬ける

青梅でも梅干しが作れます。
それは間違いないのですが、少しばかり注意点があります。

はじめに、熟した梅を使って漬ける方が失敗しにくい、と書きました。
その理由は、梅酢が出やすいかどうかということでしたよね。

青梅で梅干しを作るときには、梅酢の出具合について気にしておきましょう。
梅酢を出やすくするためには、次の対策をしておくといいです。

〔対策〕
・梅にくっつきやすい塩を選ぶ
・梅に塩をよく絡ませる
・塩の量を減らさない
・重石をする

主にこの4点かな。

梅にくっつきやすい塩を選ぶ

梅酢を抽出するには、塩による浸透圧を利用します。
梅に塩をくっつけることで、梅酢が出やすくするのです。

梅にくっつきやすい塩として、粗塩が一般的によく使われています。

粗塩は、苦汁成分を含んだしっとりとした塩のこと。
サラサラとした塩より、梅によくくっつき易い塩です。

梅に塩をよく絡ませる

梅を漬け込む際に、あらかじめ梅に塩を絡めます。

塩を絡める方法として、二通りの方法があります。
・梅に水分をもたせて塩を付ける
・乾いた梅に焼酎をまぶして塩を付ける

これは塩分濃度にも関わりますので、それぞれ説明します。

梅に水分をもたせて塩を付ける

梅と塩だけで漬ける方法。
塩分濃度が高い場合には塩だけで充分。

この場合、塩分は20%前後くらいがいいでしょう。
あまり塩分濃度が低いと、梅酢が出づらく梅が傷みやすくなります。

◇ 梅に塩を付ける
(1) 梅を洗って不要な水滴を落とす
(2) 梅が乾ききらないうちに、梅に塩を絡める
(3) 梅を漬け込む

梅は水気を嫌うので、あまり水分が残りすぎているとカビの原因になります。
梅が程々に湿っている程度にして、塩を付けましょう。

乾いた梅に焼酎をまぶして塩を付ける

梅と塩に焼酎を使い、漬ける方法。
塩分濃度が低い場合、殺菌作用のある焼酎を補助的に使う。
また、焼酎の刺激臭が苦手など、嫌な場合は酢でもよい。

塩分濃度が18%以下ならばこの方法がいいでしょう。
ただし、青梅は梅酢が出にくいので、あまり低塩で漬けることはおすすめしません。
だいたい塩分15%くらいまでにとどめておきましょう。

(1) 梅を洗って不要な水滴を落とし、よく乾かす
(2) アルコール度数35度以上の焼酎(ホワイトリカーなど)で梅を湿らせる
(3) 梅に塩を絡めて梅を漬け込む

アルコール度数の低い焼酎ではよくないので、必ず35度以上のものを使いましょう。
また、焼酎はだいたい梅1kgあたり50ccくらい入れておきましょう。
(酢に変えた場合も同様)

塩の量を減らさない

先程も書いたとおりですが、塩の量を減らさないことは重要です。

塩の量が多いほど梅酢の抽出は早いため、梅は傷みにくい。
塩の量を減らすと、梅酢の出が悪くなり、梅が梅酢に浸からないと梅が傷んでしまいます。

塩の量は18~20%で漬けるのが一番無難です。
減塩で漬けるのなら、少なくとも塩分15%くらいまでにしておきましょう。

そして減塩して漬けるならば、なるたけ空気に触れないよう密閉できる容器で漬けることをおすすめします。

重石をする

熟した柔らかい梅ほど梅酢は出やすい。
それに比べ青梅は実が硬く、梅酢の抽出が早くない。
そこで、重石をします。

重石をしておくと、重石をしない場合よりも梅酢の抽出は早くなります。
青梅の場合は特に、重石をしないよりは、するほうがいいでしょう。

青梅の梅干し

青梅で梅干しを作った場合、熟した梅で梅干しを作った場合とどうちがうのでしょう。
その差を私なりに書いてみます。

ただ、梅の鮮度や漬け方によっても多少の違いは出てきますので、
これはあくまでも私の経験と主観によるものですのでご了承くださいね。

食感

青梅の梅干しは、熟した梅で漬ける梅干しと比べ、硬くなります。
その触感はコリコリとして、とても歯ごたえのよいものです。

熟し梅で漬けた場合は柔らかいので、口に入れると潰れて「ぐにゃっ」ときますよね。
そもそもこの梅干しと青梅の梅干しとを比べるのもおかしなものだなぁと。
それだけ食感は違うもので、別物だと感じます。

新鮮な青梅で漬けた梅干しは、熟し梅で漬けたものと比べる対象にはならない。
青梅干しは食べごたえがあって、これはこれで美味しい梅干しといえるものでしょう。

熟しの梅干しだと、果肉はねっとり感と少々の繊維質を感じる。
青梅の梅干しは、しっかり果肉があってコリコリと噛むので、食べている感じがある。

カリカリ梅ほど硬いわけではなく、コリコリ。
漬物のコリコリ感と似てるかな。

私の場合は、青梅で漬けた梅はけっこう好みで、いいなぁと思えるものです。
初めて試しに作ってみたときには、500gしか漬けていなかった。
もっと漬けておけばよかったな~と、あとから思うことになりましたよ。

熟した梅で作った梅干しの味は、塩っぱいか酸っぱいか。
偏りがあったり、塩っぱいと酸っぱいが丁度よくバランスを取っていたり。

そして香りがあったりなかったり。
梅干しによって少しずつ違いますよね。

青梅で漬けた場合には、こんな感じ。

塩っぱさも酸っぱさもあるけど、あっさりとしている。
それでいて何より、梅の味が凝縮されてるなぁと。
青梅の梅干しは、梅らしく食べてすっきりとした梅の味わいがあります。

まとめ

さて、青梅で梅干しを作れることはもうわかりましたよね。
ここでざっとおさらいを。

・梅干しを作るのに、熟した梅をすすめるのは
漬け易さと、柔らかい梅干しを好む嗜好があるから。

・ほとんどの人が柔らかい梅干しを目指す
だから青梅で作るのは向かないという判断。

・初心者の場合、熟した梅で作るのが漬けやすい
初めて作って失敗しちゃうと、もうやりたく無くなってしまいますからね。

・青梅で漬けるなら、しっかり梅酢が出るように気をつける
・青梅で作った梅干しは、熟し梅で作った梅干しとは別物

・青梅の梅干しは硬めでコリコリした食感
・梅の味が凝縮されてすっきりした味わい

これは実際に作って食べてみないとわからないかも。

梅干しを作るのは、青梅か熟し梅か。
それは好みで決めればいいことです。

気になるなら、ぜひ青梅で梅干しを作ってみてはいかがでしょう。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

熟し梅干しと青梅干し。両方作って味わえる手作りの楽しさよ~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
>> https://mekurie.jp/profile/

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