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梅を漬けるときに使う容器の大きさ。
これは漬けたい梅の量によってサイズを選ぶ必要があります。
すでに容器を持っていれば、実際に梅を入れてみるのが一番確かなのですが、
これから容器を買おうとしている場合には、そうもいきませんよね。
梅を漬けるときに使う容器、その大きさを選ぶ目安についてどう考えるといいのか、決めるポイントなどについて書いていきます。
一般的に梅の漬け方レシピなどを見てみると「梅 2kg」ということだけが書いてある。
すると、あまり梅の大きさのことまで気に留めていなかったりもします。
人によって小さいものが好みだったり大きいものがよかったり。
基準はまちまちなので、いざ梅を漬けるときになってから「容器に入り切らないっ」なんてことが起きてしまいます。
そんなことになってから焦らなくていいように、前もって容器の大きさの予測をつけておきましょう。
梅を漬ける容器の大きさは、3つの条件で決まる
・漬けたい梅の量(kg)
・梅の大きさ(サイズ)
・梅で何を作るのか
漬けたい梅の量(kg)
梅を漬けるときのレシピは、梅の重量で書かれます。
まぁそれは当然のことなのですが…
ここで困るのは、重量と容量は違うということ。
梅は重量(kg)で表記され、容器の大きさは容量(L)で表記される。
仕方がないとはいえ、ここが悩んでしまうところなのですよね。
しかしこれにもある程度の目安があるので、後述します。
梅の大きさ(サイズ)
漬ける梅がどのくらいの大きさか、というのはけっこう重要です。
小さい梅なら容器の空間が空く程度ですが、大きい梅では容器に入り切らない場合も。
梅の実の大きさにはサイズの規格があります。
たとえば普通の梅はS~4Lサイズに分けられ、その直径は2.7~4.9cm。
Sサイズと4Lサイズでは、直径が2cmも違うのです。
梅は球体なので直径が大きいとそれだけ嵩(かさ)が増します。
容器に収まる量が変わってしまうのは当然ですね。
梅で何を作るのか
梅で何を作るのかによっても、容器の大きさは当然変わってきます。
例えば梅干しの場合、基本の材料は梅と塩。
更に足すとしても、赤紫蘇や少量の焼酎か酢くらいです。
しかし梅酒の場合では、梅と焼酎と氷砂糖。
梅の重さ以上の材料が入る場合には、容量は必然的に多くなります。
つまり梅で何を作るのかによっても、容量の大きさの目安を変える必要があるのです。
容器の大きさを選ぶ目安
梅を漬ける容器は、容量がピッタリくらいがいいのかいうと、そうでもなく。
容器の大きさが足りないと困るけど、少々余裕があるくらいは丁度いいのです。
梅干しの場合、漬け始めにはピッタリとした量であっても、時間が経つに連れて容器中の梅は徐々にしぼみ、全体の嵩は落ちて容器の空間は空きます。
他のものの場合は逆に、発酵してしまったときなどは一時的に大きく嵩が上がってしまうことも。
漬けている過程でいろいろなことが起きることもあるので、ピッタリすぎる容器よりはちょっと余裕のあるほうが安心です。
では実際に容器の大きさを選ぶにはどうすればいいのか?ということですが、梅の重さを基準にして、だいたいの容器の容量を決める目安があります。
それはこんなもの。
「容器の容量(L) = 漬けたい梅の量(kg) × ○倍 」
簡単でしょ?
しかし問題はこの「○倍」の部分。
ここは何かというと「梅の大きさ」と「梅で何を作るのか」に掛かってきます。
私なりに容器のサイズを決定するための目安をまとめてみましたので順番に見ていくことにしましょう。
梅干しの場合
各容器メーカーが記載しているものを調べてみると、梅の容器は梅の重量の1.5倍、または1.8倍、あるいは2倍~2.5倍、はたまた3倍が目安…とバラバラです。
この数字の差は、容器の種類による場合もあるのかも知れませんが、梅のサイズの差からくるものが大きいのではないかと思います。
ですので梅干しを漬ける場合には、梅の量のだいたい2倍で考え、小さいサイズや小梅ならば1.8倍、大きな梅の場合なら2.5~3倍で考えるといいのではないでしょうか。
梅干しに使う容器の容量(L) = 梅の重量(kg) × 2
基本はこれで。
大きな梅だなぁ~という場合は、2.5~3倍とします。
厳密に言えば、同じサイズで同じ容量の梅でも、梅の熟度や梅の並べ方によっても違いは出てきます。
ですから、そのあたりはざっくりと、余裕のある容量で選ぶといいでしょう。
梅シロップの場合
梅シロップとは、梅に対して約半分~同量の氷砂糖などを入れるもの。
容器メーカーや農家さんのレシピでは、容器の容量は梅の2倍だったり4倍だったりとまちまち。
4倍の大きさの容器を使った写真を見てみると、かなり余裕で入っています。
ですから、梅の大きさを考慮してもだいたい2倍~3倍をみておけばいいでしょう。
梅シロップに使う容器の容量(L) = 梅の重量(kg) × 2
梅が大きいよ~と感じるなら3倍にしておきましょう。
それでも心配だぁーというなら4倍にしておけば心配ないですね。
梅酒の場合
梅酒を作る場合は、梅に対して1.8倍の焼酎と好みの量の氷砂糖などを入れるもの。
梅に対して焼酎の量が多いので、たいていどこも意見は一致。
梅の量の4倍が必要です。
梅酒に使う容器の容量(L)= 梅の重量(kg) × 4
梅酒は一度漬けると、その容器のまま大抵入れっぱなしで数年熟成させてしまいます。
梅味噌の場合
梅味噌とは、梅と同量の味噌と好みの量の砂糖を加えるもの。
梅味噌について容器の容量について語られているものが見つかりませんでした。
経験上では、梅1kgに対して4Lの瓶容器を使うと半分より少し多めになります。
(梅のサイズはだいたいL(3.3~3.7cm)くらいで漬けました。)
そして2kgの梅では4L瓶に入らなかったことがあるので、梅は1.5kgくらいが丁度いい。
つまり、このくらいでいいかな~。
梅味噌に使う容器の容量(L)= 梅の重量(kg) × 2.5
梅が大きければ、3~3.5倍にしてもいいかもしれません。
梅サワーの場合
梅サワーとは、梅と酢と砂糖で漬けるもの。
よく見かけるレシピは、それぞれの材料を同量で漬けるものですが、その場合は梅の量の3倍以上の容器でいいのではないでしょうか。
梅サワーに使う容器の容量(L)= 梅の重量(kg) × 3.5
梅が大きい場合には、4.5くらいをみておきますか。
ちなみにうちのレシピでは×2くらいでいいのですが、これは梅サワーに限らず、レシピによって変わってくるところなので気にしておくといいでしょう。
考慮しておくこと
先程も書いたとおり、レシピにより材料や分量がそれぞれ違います。
基本となるレシピとの違いが大きければ、容器の容量が変わることももちろんある、ということを考慮に入れておきましょう。
つい数字だけを見て単純計算をしてしまうと、あれ?ということになりかねません。
容器のサイズ選びに失敗しないためには、漬ける梅の量と大きさ、梅を漬けるレシピの材料と分量を見て、「この容器で入るかな~」という目算をしてみるといいでしょう。
梅を漬ける容器の大きさ、まとめ
梅を漬ける容器の大きさを決めるとき、必要な条件は3つ。
・漬けたい梅の量(kg)
・梅の大きさ(サイズ)
・梅で何を作るのか
この条件が揃えば、容器の大きさを選ぶ目安が計算できる。
基本的には以下の通り。
・梅干しに使う容器の容量(L)
= 梅の重量(kg) × 2
・梅シロップに使う容器の容量(L)
= 梅の重量(kg) × 2
・梅酒に使う容器の容量(L)
= 梅の重量(kg) × 4
・梅味噌に使う容器の容量(L)
= 梅の重量(kg) × 2.5
・梅サワーに使う容器の容量(L)
= 梅の重量(kg) × 3.5
とても大きい梅を使う場合には、これより一つ大きい数字で計算してみましょう。
ただし、これらはあくまでも机上での計算であり、ひとつの目安です。
梅の状態や入れ方によっても、入る量が違ってくることがあります。
一番確実なのは、漬ける前に梅を実際に容器に入れてみること。
けっきょくそれかっ…て感じですけど^^;
計算上では大丈夫でも、見た目で不安な場合には一番有効です。
そうして何度か梅を漬けていくうちに慣れてくるし、慣れてくれば、梅を並べて容器に入れるのが上手くなったりして、サイズぎりぎりの容器で漬けてみたりとか…いろいろやりだしますよ。
これが正解、というものは特にないのですから。
容器に梅がきちきちになっても、逆に梅より空気の方が多くなっても、梅が漬けられればそれでいいので、気楽にいろいろやってみてくださいね。
それでは、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。
容器の中の梅ちゃんを眺めつつ… 楽しんでいきましょうヽ(´ー`)ノ