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梅酒を漬けるのは楽しいもの。
作るのはとても簡単だし、
そしてとても長く保ちます。
毎年漬けてもいいし、
数年に一度漬けるのもいいでしょう。
梅酒は基本的に長期保存ができるため、
熟成させるのもまた一興。
3年もの、5年もの、10年もの…
年数を置いておくだけで、
じわじわと味わいが変わります。
焼酎などのお酒に漬けたばかりの梅酒は
正直キツイ。
1年くらいだとまだまだアルコールの
キツさが抜けないもの。
それが年数を経ていくとあら不思議。
アルコールのキツさが抜けて丸くなり、
味に深みが出て飲みやすくなります。
だからこそ、梅酒は長期保存が基本。
いろいろ試してみたいし
失敗はしたくないですよね。
そこで今回は、梅酒の基本と焼酎の種類、
漬け込むときの注意点などについて
調べ書いていくことにします。
梅酒には焼酎?
梅酒を漬けるときに
一般的におすすめされているのは
焼酎(ホワイトリカー)です。
よく「果実酒用」として売られているので、
きっとお酒好きさんは目にしたことが
あるでしょう。
ホワイトリカーは焼酎の一種で、
焼酎甲類に分類されており
梅酒などの果実酒を漬けるのに最適、
といわれているアルコール度数の高いお酒。
基本の梅酒を漬けるときには
アルコール度数35度のホワイトリカーを
選びます。
しかし梅酒に使うお酒というのは
ホワイトリカーと決まっているわけでは
ないので、じつは他のお酒で漬けることも
できるのです。
ただし、保存上においてとか、
法律上においてやってはいけないこと
などもあるので、
それらを念頭に置きつつ楽しく漬けて、
美味しくいただいていきましょう。
梅酒に向いているお酒の条件
梅酒に向くとされるお酒の条件は2点。
- アルコール度数が高いこと
- 風味にクセがないこと
そして梅酒に使ってはいけないお酒
というのもあるので後述します。
アルコール度数が高いこと
梅酒に使っていいお酒のアルコール度数は
20度以上のもの。
推奨されるアルコール度数は
35度以上です。
度数の低いお酒で梅を漬けると
痛みやすく、日持ちしない。
梅酒ができあがる前に傷んでしまうか、
仕上がったとしても保存が効かない。
梅エキスが抽出できれば梅を取り出し、
保存時には要冷蔵となります。
梅を漬け込むと梅の水分が出るために、
アルコール濃度がさらに薄まる。
アルコールが薄まると保存性が弱くなる
ため、アルコール度数の高いお酒を
使うほうがいいでしょう。
長期保存熟成させる梅酒を作りたい場合は、
アルコール35度以上の焼酎を用いるのが
望ましい。
この場合、梅を何年入れっぱなしでも
何年も冷暗所に保管しておいても、
傷む心配はほとんどないのです。
風味にクセがないこと
梅酒にホワイトリカーが推奨されるのは、
無味無臭でクセがないため。
梅の風味を生かして損ねない
という理由からです。
(個人的には、独特のアルコール臭さが強い
と思ってはいるのですけどね~)
しかし逆にいえば、
クセのあるお酒であっても
梅と風味が合うものならばいいでしょう。
一風変わった梅酒を作りたいのなら、
試してみるのもありですね。
気にしておきたい酒税法
梅酒を漬けるのは楽しいので、
いろいろと試してみたくなるのですが…
念のため、次のことを頭に入れておくと
いいでしょう。
そうでないと、
うっかり酒税法に引っかかってたよ~!
ということをやっちゃいそうだなと。
私も調べていく中で知りましたよ…。
梅酒に使ってはいけないお酒
自家製の梅酒を漬ける上で、
禁止されているお酒があります。
それは、アルコール度数20度未満の
お酒を用いること。
これについては酒税法という法律で
禁じられています。
また、20度以上のお酒を使って
梅酒を手作りすることは合法ではあるものの
これを他人に譲渡したり、
まして販売などしてしまうと
違法になってしまいますのでご注意を。
混ぜるな危険?お酒の混合
お酒好きさんの思考として、
一度仕上げた梅酒に梅や焼酎を継ぎ足して
増やそうとする考えが出るようですが、
これは不味くなるだけなので
新たに作るほうがいいでしょう。
また、新たに作る場合、
複数のお酒を混ぜて作るというのは
やめたほうがよさそうです。
これは酒税法の第43条、みなし製造に
引っかかるので注意が必要です。
これは2種類以上のお酒を混ぜる行為で、
カクテルなどのように、その場ですぐ飲む
という場合は引っかからないのですが、
これをすぐ飲まずに
保存瓶などに入れ置いたりする場合には、
みなし製造に抵触するということです。
くわしくはこちらをどうぞ~。
焼酎の種類
さて、ここからは焼酎の種類について
見ていきます。
焼酎とは具体的には
どんなお酒なのでしょうか。
基本的な分類などを知っておくだけでも
焼酎が選びやすくなります。
焼酎の定義
焼酎は蒸留酒。
原材料をアルコール発酵させて蒸留する。
蒸留とは、熱して沸騰させて出る蒸気を、
冷やすことで液体にして
アルコールを取り出すこと。
ウィスキー、ブランデー、ウォッカなども
蒸留酒だが、焼酎とは別に定義されている。
製法の違い
焼酎は蒸留方法の違いから、
大きく2種に分類される。
- 連続式蒸留焼酎
- 単式蒸留焼酎
連続式蒸留焼酎を、焼酎甲類。
単式蒸留焼酎を、焼酎乙類という。
(1) 焼酎甲類とは
糖蜜や酒粕を原料とする。
連続式蒸留器で
蒸留を何度も繰り返す製法。
蒸留を繰り返すため
アルコールの純度は高いが
これをアルコール度数36度未満にしたもの。
無色透明でクセが少ない。
梅酒づくりの定番である、
ホワイトリカーもこの焼酎甲類。
ホワイトリカーは糖蜜を発酵させて
作られたもの。
(2) 焼酎乙類とは
米や麦、蕎麦などの穀類や芋類などを
原料としている。
単式蒸留器で
蒸留を一度だけ行う製法。
原料本来の風味が生かされている。
アルコール度数は45度以下。
泡盛も乙類で、
黒麹を用いて作られたものをいう。
本格焼酎というのは、
乙類の中でも条件付きで表示が許される。
なお、乙類のホワイトリカー
というのもある。
乙類の場合は、ホワイトリカー(2)
という表示がされている。
これはコーンスターチなどの
精製穀類を原料にしたもの。
(3) その他
ほかに、混和焼酎というものがある。
甲類と乙類を混ぜられた焼酎で、
その割合によって表記が変わる。
- 焼酎甲類乙類混和
甲類が乙類より多い場合 - 焼酎乙類甲類混和
乙類が甲類より多い場合
材料の違い
焼酎の分類は、主に製法の違いから。
そしてその性質からか、材料も違います。
(1) 焼酎甲類 (連続式蒸留焼酎)
焼酎甲類では、一般的に糖蜜や酒粕などを
原料としている。
そこに水と酵母を入れて発酵させ、
蒸留したもの。
(2) 単式蒸留焼酎(焼酎乙類)
焼酎乙類では、米・麦・蕎麦・芋を
始めとして、穀類の麹や酒粕、酒類など
様々な材料を原料として作られる。
麹を作り発酵させ、
主原料となる材料を加えて発酵させる。
これ(あるいはこれら以外の酒類)を
蒸留したもの。
- 米焼酎
ほんのり甘くすっきりとした味わい。 - 麦焼酎
すっきりとしてクセが少ない - 芋焼酎
芋独特の甘味と風味が濃厚で、クセが強い。 - 泡盛
沖縄の焼酎を泡盛と呼ぶ。
独特のクセがあり、アルコール度数が高い。
ほかには蕎麦焼酎や
黒糖から作る黒糖焼酎など、
さまざまな原料から作られる焼酎がある。
焼酎には以上のように、
いろいろな種類があります。
無味無臭の無難なホワイトリカーを
使うのもいいし、
梅と合いそうな好みの焼酎があれば、
それで漬けてみるのもいいでしょう。
ただし、アルコール度数は
確認しておきましょう。
度数が高い焼酎ならば安心ですが、
低い場合には傷みやすいので
しっかり管理して漬ける必要があります。
後記
さて今回は、梅酒に使う焼酎について
調べてみました。
焼酎は種類も豊富なので
選ぶのは楽しいですね。
初めて梅酒を漬けるなら、
まずは基本である
甲類のホワイトリカーがいいでしょう。
ホワイトリカーは無臭…とはいえ、
アルコール臭がキツイと感じる方も
多いかと思います。
この匂いが苦手という場合もあるでしょう。
しかしこのホワイトリカーの刺激臭も、
3年あるいは5年くらい熟成すればかなり
気にならなくなり、味も丸くなります。
個人的には、梅酒は3年以上…
いえ、5年以上は寝かせるのが
いいと感じます。(というか好み)
リカーのアルコール臭も、風味も旨味も、
丸くなって一体感が出てくるのです。
梅の実も3年くらいからがおいしい。
(うちの8年ものは5年くらいからだったけど)
熟成具合も風味も味も、
梅の質や砂糖の量などにもよりますけどね。
ホワイトリカーだけでなく、
好きな焼酎で漬けてみるというのも
楽しいですね。
手作りの醍醐味は、
自分の好きにできること。
お酒を変えてみたり、氷砂糖の量を変えたり
砂糖自体を変えてみたり。
いろいろと挑戦してみましょう。
ちなみにホワイトリカーが苦手な場合は、
焼酎よりもブランデーで漬けるのが
オススメですよ~笑。(いい香りがします)
それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
あなたの梅酒が、まったりとおいしく
できあがりますようにヽ(´ー`)ノ