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梅干しと梅漬けの違いはなに?似てるけど、同じじゃないの?

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

梅干しと梅漬け。
これらは似て非なるものでして。
しかし、殆ど同じじゃ~んって感じもありますよね。

梅干しと梅漬けは、ほぼ同じ。
似ているようで違うもの。

さて、
どうちがうのか?
何がちがうのか?
なにか意味があるのか?

今回は、梅干しと梅漬け、どう違う?
これについて書いていきます。

ではひとつずつ、見て行きましょ~。

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梅干しと梅漬けの違い

名は体を表すということでして。
梅干しと梅漬けには決定的な差があります。

それは、
・梅を干しているか
・干さずに梅酢に漬けたままにしているか
この違いだけ。

途中までの仕込みは同じです。

(1) 梅漬け※
梅の実を塩漬けにし、そのままの状態にしておく。
これで完成。

※補足。
塩漬け以外でも、梅を漬けた状態で干していないものを、総称して梅漬けといいます。
この記事においては、梅干しと梅漬け、似たものの違いを比較する趣旨で書きますので、
「梅漬け」と書いている場合は、「梅の塩漬け」を指しています。

(2) 梅干し
梅の実を塩漬けにし、天日で干しあげて完成とする。

ただ1つの違いが、干すか干さないかという、これだけの差。
しかしこの差だけでもいろいろと違いが出てくるものです。

見た目や風味、味の違いなど。
少々の差かもしれないですが、確実に違うものではあります。

これはどちらがいいとか、よくないとかの話ではなく、
どちらが好みかな?という嗜好の問題ですね。

市販品での表示基準

市販品の場合、「梅干し」と「梅漬け」は明確に分けられます。
食品の品質表示基準というものがあり、これに則って表示がされるのです。

以下、消費者庁の品質表示基準「農産物漬物品質表示基準」より抜粋。

(1) 梅漬け
“農産物塩漬け類のうち、梅の果実を漬けたもの
又はこれを梅酢若しくは梅酢に塩水を加えたものに漬けたもの
(しその葉で巻いたものを含む。)をいう。”

(2) 梅干し
“梅漬けを干したものをいう。”

(3) 表示に記載する名称について
“梅漬けにあっては「梅漬」(小梅を使用したものにあっては、「小梅漬」)と、
梅干しにあっては「梅干」(小梅を使用したものにあっては、「小梅干」)と、(中略)記載すること。”

このように市販品では、表示基準に基づいて梅干しと梅漬けは明確に分けられているのです。

見た目の違い

梅干しと梅漬け、その見た目の違いとはどんなものでしょう。

両者の違いは、干すか干さないかという違い。
その加工の違いによる結果なので、ある程度の推測は付くかも知れませんね。

(1) 梅漬けの見た目
・水分を含み、ぽちゃぽちゃしている
・しっとりしている
・瑞々しい
・張りがある
・シワが少なめ
・柔らかい(漬け込み具合にもよる)

(2) 梅干しの見た目(しっかり干しあげた場合)
・皮が乾いている
・実が凝縮されている
・塩を吹いている(塩分濃度にもよる)
・張りはなく柔らかい
・シワが多く深い

なお、梅干しの柔らかさは梅の質にも漬け方にもよります。

梅漬けと梅干しの見た目を見比べ、書き並べてみると、
まるで赤ちゃんと老人の肌の差のようだと思えてなりませんが…まさにそんな感じなのです。

日差しに晒されて年を取る…
いや、水分が抜けるんだもんねぇ…しかたないよね?

しかし、梅干しをしっかりと干しあげたときには、なんとも言えない風格が漂うのですよ~。
これも人と同じ…いや生物全般、似た風合いになるものなのですね。(しみじみ)

なんだか脱線してしまいました。

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味・風味の違い

梅干しと梅漬けの風味の違い。

ここではそれぞれを次の項目に分けて書いてみます。
(1) 香り
(2) 食感
(3) 味
(4) 総合的に見ると?

ただこれらは、私の主観で書いていきますので、
感覚的なずれがあるかも知れないことをご承知おきください。

たとえば、私の想定する梅干し・梅漬けと
他の人の想定する梅干し・梅漬けは違うタイプのものかも知れない。

そして同じものを食べたとしても、それぞれで受け取る感覚が違うでしょう。
ということで、以下はあくまでも私の個人的な感想ということになりますです^^;

梅漬けの味・風味

(1) 香り
・瑞々しい
・フルーティーな香り

漬け込んで一年目はとてもはっきりと香ります。
ただし、年々置くごとに徐々に薄れていきます。

(2) 食感
・瑞々しい
・柔らかい
・果肉がぷるん、ぽってりとしている

なお、柔らかさについては、漬け込み期間による。
漬け込み期間が長いほど、実は柔らかくなり崩れやすくなります。
なお、大きな梅ほど、食感がよりわかりやすく感じられます。

(3) 味
・梅干しに比べると水気が多いため、大味と感じるかも

(4) 総合的に見ると?
・これは梅干しのなり損ないなどではなく、これで完成。
・香りや食感は梅干しにはないものがあり、別物と言っていいでしょう。
・瑞々しさがあるので、梅干しよりも梅漬けが食べやすいと感じることもあります。

梅干しの味・風味

(1) 香り
・梅干し独特の酸味と塩の乾いた匂い
・梅干しにしかない濃縮された香り

(分かりづらいですよね^^;)
これはなかなか他には例えづらいものです。

梅の干し初めは、フルティーな香りがしたり、瑞々しい香り(梅漬け状態の香り)をしているのですが、
梅が随分乾いてくると、酸味と塩の香りが前面に出始めるようになります。
そんな香りなのですが…わかりづらいですよねぇ…(伝えるってむつかしいね)

(2) 食感
・ねっとり
・もったり

粘りがあって、まとわりつくような感じ。
ご飯に乗せて潰しちゃうと、ご飯に張り付く感じ。
これが梅漬けの場合だと、果肉はご飯に乗って、水分が染みる感じかな。

(3) 味
・酸味も塩味も濃縮される

酸味も塩味も、梅漬けより凝縮されて濃厚な味わいになる。

(4) 総合的に見ると?
・梅干しのもつ風味などは独特のもの。
・梅干しのねっとり感と濃厚さは、干すからこそ得られるもの。
・おにぎりやお弁当などには、やはり梅干しが合うでしょう。

なお、酸味や塩味などの味のバランスについては、梅自体の性質や塩加減などで変わってくるもの。
また、柔らかさについては、主に漬け込み時の梅の状態と漬け方でも違います。
干す工程では、干すことによる成分と味の濃縮、香りの変化が伴うものと思います。

栄養価の違い

梅干しと梅漬け(塩漬け)の栄養価は違うのか?

これはちょっと気になりますよね。
干すか干さないかで栄養価が違うものなら、いい方を選びたい。
しかしどうやら、あまり考えなくともよさそうです。

調べてみても、梅干しは梅漬けを干したものなので、ほぼ同じ扱いをされている感じ。
梅干しと梅漬けを、同じ数値で書かれている場合もありました。

しかし文部科学省の「食品成分データベース」によると、
梅干しと梅漬けの成分データとして、それぞれ別に数字が出されています。

その数値によれば、少々差が出ているのは、ナトリウムとカリウム。
これらは梅干しの方が少しばかり多いようです。
これは梅の水分が凝縮されることで出る数値の範囲での差なのかは定かではありません。

しかし梅干し・梅漬けはさほど量を食べるものではない。
数値に多少の差が出ていたとしても、ほんの少々です。
この場合、他の食材で補える量でしょうから、あまり気にする必要もなさそうですね。

後記

今回は、梅干しと梅漬けの違いについて書いてみました。

似ているようで似ていない。
似ていないようで、とても似ている。

見慣れないと見分けがつかないかも知れないし、
干し具合でも見分けがつかなくなります。

梅干しと梅漬け。
この違いは、しっかり梅を干し上げるとわかりやすいのですが、
そうでない場合にはとてもわかりにくいものかもしれないです。

それだけ曖昧なくらい似た者同士。
元は同じなのですから、当然ではありますね。

しかしそれぞれに風味が違い、食感も違うものなので、
ぜひ両方とも体験してみてほしいなぁ~と思います。

それでは、今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。

梅干しと梅漬け、この違いをぜひご堪能あれ~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
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