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梅を漬けようとするとき、
酢はちょいちょい登場しますよね。
酢は日常的に調理などで使われていますが、
その種類はいろいろ。
昔からある代表的なものとしては
- 米酢
- 穀物酢
これが一般的かと思います。
とくに近年は用途別の酢なども
多く出回っています。
「〇〇酢」という名前は付いていても、
酢としては別物というものもある。
普段の調理用にはいいけれど
梅を漬けるには向かないよね、
というものもあるのです。
趣旨の違う酢を使ってしまうと、
本来の「酢」を入れる目的が果たせない
場合もあるでしょう。
ということで今回は、
梅を漬けるときに使う酢の種類について
書いていきますよ。
それでは、いってみましょ~。
酢の種類
酢と名の付くものは
意外とたくさんありますね。
ここではまず、酢の種類について
紹介します。
ざっと、こんな種類があるな~
という感じで見てみましょう。
食酢
料理に使う酢は「食酢」といわれる。
これは大きく
「醸造酢」と「合成酢」に分けられる。
〔醸造酢〕
穀類、果実、野菜、その他の農産物、
もしくは蜂蜜を原料としたもろみ、
これにアルコールや砂糖などを加え
酢酸発酵させた液体調味料。
(氷酢酸または酢酸を使用していないもの)
〔合成酢〕
氷酢酸または酢酸を薄めたものに、
砂糖類、醸造酢を加えて混ぜたもの。
家で普段使う酢は、主に醸造酢。
梅を漬けるときに使う酢も、
基本的にはこの醸造酢を使います。
醸造酢
醸造酢にもいろいろ種類がある。
醸造酢には主に穀物酢と果実酢などがあり、
それぞれ定義が定められています。
◇ 穀物酢
- 穀物酢(米酢、米黒酢以外)
原材料に1~2種以上の穀類(40g以上/酢1L)を
使用したもの。
- 米酢(米黒酢を除く)
原材料に米(40g以上/酢1L)を使用したもの。
- 米黒酢
原材料に米(糠を取り除いたものを除く)、
または米(上記に同じ)に
小麦もしくは大麦のみを加え、
発酵・熟成により色づいたもの。
(米の使用量が180g以上/酢1L)
◇ 果実酢
- 果実酢(りんご酢・ぶどう酢以外)
原材料に1~2種以上の果実(300g以上/酢1L)を
使用したもの。
- りんご酢
りんご搾汁(300g以上/酢1L)を使用したもの。
- ぶどう酢
ぶどう搾汁(300g以上/酢1L)を使用したもの。
上記の定義は、
農林水産省「醸造酢の日本農林規格」より
簡単に概要を記述しました。
実際はもっと細かい定義があるので、
詳細を知りたい場合は
つぎのリンクからどうぞ。
〔農林水産省:醸造酢の日本農林規格〕
なお、泡盛のもろみ粕を原料にした
もろみ酢というものがありますが、
これは主成分がクエン酸。
酢酸を含まないため、食酢には含まれない。
梅に使う酢の種類
梅の加工時に使う酢の種類は、
基本的には醸造酢であれば
どれを使ってもいいでしょう。
なかには醸造酢以外の酢を使うという
レシピもありますが、
特定の酢を指定したレシピならば
そのままの材料を用いて作ること。
そうでないならば、
醸造酢を使うのが無難ということです。
酢を選ぶなら
店頭にはいろいろな酢が販売されていますが
表面のラベルを一見するだけでは
分かりづらいものもあるのです。
酢を選ぶときには、
ラベル表示の「名称」を確認。
「名称」の欄に次のように
記載されているものが醸造酢です。
◇ 醸造酢
- 穀物酢
- 米酢
- 米黒酢
- 大麦黒酢
- 果実酢
- りんご酢
- ぶどう酢
ワインビネガーなどは
外国製のぶどう酢です。
また、下記の名称が記載されているものは、
特定の目的で加工販売されているもの。
基本的には梅に用いるには適さない。
- 調味酢 …×
- 清涼飲料水 …×
調味酢というのは、
調理用に味などを整えられたもの。
清涼飲料水という記載のある酢は、
ドリンク用などの目的で作られたものが
多い。
そのため、酢以外に糖類や食塩、
香料や甘味料、酸化防止剤・防腐剤などの
保存料…などなど、
梅を漬けるためには不要なものが
入っているものも多いのです。
おすすめの酢
梅を漬けるための、おすすめの酢。
梅と相性がいいと思われるのは、
米酢やリンゴ酢でしょうか。
米酢の独特の香りがキツイと感じる場合は、
リンゴ酢がおすすめ。
ただ、やはり人により好みもあるため、
一度試してみるのがいいですね。
また、用途に合わせて酢を選ぶもの
いいでしょう。
酢を使う用途と効果
梅を漬けるときに酢を使う目的は
いくつかあります。
〔梅干しに使う〕
- 抗菌効果
- 梅酢を抽出する呼び水に
酢の主成分である酢酸が細菌を抑えるため、
抗菌効果がある。
酢を入れる量は多くないし、
天日に干せば酢の風味も飛ぶ。
そのため、風味が強いと感じる酢を使っても
ある程度は大丈夫でしょう。
これに酢を用いない場合は、
代わりに焼酎を用います。
〔梅シロップに使う〕
- 発酵止めに
梅シロップを作るには
梅と氷砂糖だけでもできる。
しかし発酵しやすいため、
酢を用いて防止するレシピもあります。
(ただし、必ず発酵しないわけではない)
発酵防止目的のために入れる酢の量は
あまり多くはない。
酸味を好む場合には、あえて多めに
酢を入れるレシピもありますが、
梅シロップの場合は
酢の量によっては風味に影響するので
好みの酢を使うといいでしょう。
個人的にオススメなのは、
やはりリンゴ酢ですね~。
〔梅の酢漬け(梅サワー)に使う〕
- ドリンクとして
飲む酢として作る場合は、
好みの酢を用いるといいでしょう。
酢の味がほぼ、そのまま残ります。
数種類の酢を混ぜて使う、
というのもありです。
後記
さて今回は、梅の加工に使うための
酢の種類について書いてみました。
酢は人により好き嫌いがありますよね。
酢の匂いや味がダメ
という場合もあるでしょう。
酢によってクセの強いものがありますからね。
梅に何かの補助目的で使う場合には、
味も匂いもあまり気にはならないもの。
しかし酢の風味が苦手だったりするのなら、
やはり一番のおすすめは、りんご酢です。
梅の酸味ともよく合い、
酢という感じが薄いながらも
なおかつ酸度は高め。
他の果実酢については、
梅との相性などもあるでしょうから
興味があればいろいろ試してみると
いいでしょう。
やはり梅の加工は好きに作ってみるのが
楽しいもの。
毎年少しずつ何かを変えつつ、
好みの味を追求しましょう^^
では今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
あなたと梅ちゃんに合うお酢が
見つかるといいですねヽ(´ー`)ノ