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気がついたら梅が変色してる!
もうだめ?
傷んでる?
腐るの?
いろいろと不安に思うことでしょう。
しかし落ち着きましょう。
一度変色してしまったものは
戻らないからです。
あとはそれが普通の状態なのか
そうでないかの判断。
よくない変色のときにはどうするのか、
ということ。
今回はそんな、梅が変色する
ということについて書いていきます。
それではひとつずつ行ってみましょ~。
梅を漬ける時の変色
梅で何かを作る時。
その工程によって
梅の変色が起こることがあります。
- 追熟時に変色
- アク抜き時に変色
- 梅の漬け込み時に変色など。
それぞれについて順に説明していきます。
追熟時に変色
追熟はおもに
梅干しを作る前にやりますよね。
梅干し作りには熟した梅が適している
とされています。
そのため青くて硬いままでは
使いづらいので、梅を追熟をさせます。
その追熟での失敗で、
梅が茶色くなってしまうことがあるのです。
それは梅を長く置きすぎたときに
起こります。
(冷蔵庫で追熟した場合にも起こりますが、
それはのちほど。)
梅がなかなか熟してくれないからと
長く置きすぎてしまったとき。
梅がしぼんできたり、
茶色くなったりしてきます。
梅は放置しておくと追熟はしますが、
同時にどんどん劣化していきます。
あまり何日もの長い間置きっぱなしに
すれば、傷んでしまうのです。
(1) 茶色くなった梅は
全体に茶色く、柔らかくなってしまった
ものは廃棄したほうがよさそうです。
部分的に茶色いものなら変色した部分だけを
削いで捨て、よい部分だけでジャムなどに
してしまいましょう。
まだ表面が少々茶色っぽいだけ、という
ものならそのまま使っても大丈夫かも。
どの程度かという状態にもよりますが、
実がブヨブヨしていたり、皮がめくれたよう
なものは梅干しに使うのはやめておきます。
(2) 回避するには
梅が熟したという基準を見誤らないこと。
梅が熟せば全体にきれいな黄色であったり
赤っぽくなるイメージがありますが、
そうはならない場合が多いです。
まだまだ…と思って置きすぎるうちに
梅は傷んでしまいます。
梅の追熟完了は、
次の状態を目安に決めるといいでしょう。
〔梅の色〕
色味がやわらかく変化
緑→黄色っぽく、うっすらと色づく程度
〔香り〕
いい香りが漂っている
この状態で梅干し作りを開始しましょう。
アク抜き時に変色
アク抜きをするときによくある失敗。
梅を水に浸けすぎたために、
茶色く変色してしまうもの。
これは梅の内部へ水が侵入してしまい
起こります。
(1) 茶色くなった梅は
- 使わないほうがいい梅の状態
よほどの濃い茶色になっていたり、
水を含んでブヨブヨしているような状態。
あるいはそれほどではないにしても、
漬けるには心配になるような状態の梅は
ジャムなどにしてしまいましょう。
- 梅干し用の場合
少々の軽い変色ならば
使ってもかまわないでしょう。
ただし、水気はしっかり取って
すぐに漬けること。
水に浸けすぎて変色してしまった梅は
水を含んでしまっています。
減塩で漬けるのはカビが生えたり
傷んでしまう可能性が高くなるので、
塩の量は減らさずに漬け、カビ防止のために
焼酎か酢を入れるといいでしょう。
- その他の加工用(青梅)の場合
青梅を使って漬けるものは基本的に
新鮮な青梅が向いているとされます。
それはある程度の硬さがある梅ですが、
水につけて変色がみられた梅は
少々熟度が進んでいたり古くなっている
かもしれないですね。
青梅を漬けるというレシピでも、
熟度が進んだ梅を使うのはかまわないです。
ただ、水を含んでしまったものは
梅酒には向かない。
水を含んだ梅ではアルコール分が薄まり、
保存性が低くなります。
もしこの梅を使うなら、表面を乾かしてから
使うといいでしょう。
梅酒は熟成させるほうがいいので、
長期保存できるように作りたいですよね。
梅シロップの場合は、
少々の変色ならまだ使えます。
ただし、この場合も水気はしっかりと
取ってから漬けます。
砂糖が溶けてシロップが抽出できれば
そのシロップは火にかけることができるので
そのぶん保存は大丈夫でしょう。
(2) 回避するには
青梅が水に浸けて変色するというのは、
収穫から少々日が経った梅かも。
スーパーで購入した梅はすでに
その時点で少々日が経っています。
一晩水に浸けておくというのは
やめておくほうがいいでしょう。
(状態によるのですが、初めて梅を扱う場合
には判断しづらいので。)
このような青梅をアク抜きする場合は
1~4時間程度を目安としてみておきます。
あくまでも目安であって、
この間は大丈夫というものではないため
その間放置するのではなく
度々様子を確認しておきましょう。
また、熟した梅はアク抜きの必要はなく、
水洗いしている時間の間
水に浸かっているだけでも充分です。
梅の漬け込み初期
梅の漬込み初期というのは
カビや傷みの危険が多いものです。
梅干しでいえば、
梅が梅酢(果汁)に完全に浸るまでの期間。
梅シロップいえば、
砂糖が溶けてシロップの中に梅が浸るまで。
このような、梅が液体に浸るまでの間に
梅が変色することがよくあります。
(1) 茶色くなった梅は
この場合の梅の変色は心配いりません。
ここでいう変色とは、梅の表面の色が
少々茶色っぽくなる程度のもの。
この状態ならば心配はいらないものです。
ただし、ここで安心して梅のお世話を
怠ってしまっては、ただの色の変化から
傷みに変わってしまうことになりかねない
ので、気を抜かないようにしましょう。
(2) 回避するには
梅がいつまでも空気にさらされている状態が
続くと、梅は傷んでしまいます。
そうならないよう、梅をなるべく早く
漬け液に浸らせる必要があります。
そのためには一日に数回は
液体が梅全体に触れるよう容器を揺らし、
お世話してあげましょう。
うっかりやってしまう変色
気がつくと梅が茶色に!
ついうっかりやってしまうことは
誰しもあることです。
しかし変色するということを知らずに
やってしまうこともあるでしょう。
(1) 変色する状況
次のようなことをしてしまうと
梅は変色してしまいます。
- 袋に入れっぱなし
- 冷蔵庫に入れっぱなし
- 水に浸けっぱなし
変色した梅は次のように対処します。
(2) 茶色くなった梅は
表面が軽く変色したくらいならば
まだ使えます。
部分的な変色ならば
そこだけ外してジャムなどに。
茶色く変色、柔らかくブヨブヨに
なったものは廃棄。
程度の問題ですが、明らかに変質したものは
やめておくほうが無難です。
そうなる前に、こんなことにならないように
回避しましょう。
袋に入れっぱなし
(1) 状況
- 梅を購入してビニール袋に詰めたまま
梅は呼吸をしています。
梅を袋に入れっぱなしだと酸素がなくなり、
二酸化炭素ばかりになります。
すると梅の生理的な代謝が阻害されて
水分が出てくるのです。
さらにそのまま放置していると
傷んでしまいます。
〔傷む原因〕酸素が足りない
(2) 回避するには
- 梅を購入したらすぐに
ビニールから出してあげる
スーパーなどで販売されている場合だけ
でなく、通販の場合も気をつけます。
外箱はダンボールでも、
内側にビニール袋に詰めて送られてくる
こともあります。
梅を受け取り次第、
確認したほうがいいでしょう。
ビニール袋に入れて送る理由も、
バラけないようにまとめるためであったり、
保湿のためや保存(ガスが入れてあるなど)の
ためであったりと、何かしらの理由があって
されていると思われます。
梅をビニール袋から出したらダンボール箱
などに開け、蓋は軽く開けておきます。
そして早めに処理をしてしまいましょう。
冷蔵庫に入れっぱなし
(1) 状況
- 冷蔵庫で梅を保管
追熟の為にと、梅を冷蔵庫に入れる場合も
あるようです。
温度が涼しいくらいに調整されていれば
長くもちます。
しかし寒すぎれば、低温障害をおこして
茶色く変色したり傷んでしまうことが
あるのです。
また、低温障害になれば、梅はうまく
追熟できなくなってしまうことがあります。
〔原因〕冷蔵庫の温度が低すぎる
(2) 回避するには
- 冷蔵保存は温度に注意
すぐ梅を処理できないのであれば、
食品保存用のビニール袋に入れて
新聞紙などで包み、温度設定をゆるくした
野菜室などに入れておきます。
この状態で保存しておいても、
水が出ていないかなど
ときどき様子を見ておきましょう。
水に浸けっぱなし
(1) 状況
- 梅を水に浸けてそのまま放置
先程のアク抜きも同様。
梅の状態にもよるのですが、
梅は水に長く浸けてしまうと
変色してしまいます。
水に浸けるのは、水洗い時とアク抜き時。
水洗いやアク抜きの途中で、
出かける用事が!なんてときには
梅をとりあえず水から上げておきましょう。
梅の状態によって、水に浸ける時間が
長すぎれば梅は変色してしまいます。
その見極めというのは難しいもの。
梅を水に浸けている間は外出せずに
ときどき様子を見るほうが安心です。
◯時間は浸けておいても大丈夫~、
などと過信するのは禁物。
それに、うっかり忘れてしまうことも
ありますし…ね。
〔原因〕過信とうっかり(笑)
(2) 回避するには
- タイマーをかける
アク抜きしていることを忘れそうなら
タイマーを仕掛けておきます。
想定する時間をいくつかに区切り、
何度か確認するなどしておくといいですね。
梅が変色するとき
梅が変色するときは、
梅に変化が起きている時。
あるいは負担がかかっているときでしょうか。
放置しておいて大丈夫な場合はいいですが、
よくない場合は早めの対処が必要です。
梅には、目視でわかりにくい傷や打ち身
などがあることもあります。
そして環境に変化があったり古くなってくる
と、弱った部分から変化が出てきます。
- 皮が茶色くなり、果肉も茶色くなる。
- 果肉の硬さはなくなり、柔らかくなる。
まだ変色の状態が浅ければ
そのまま使うこともできるし、
用途は違っても別の方法で使う
ということもできます。
しかし気づくのが遅れ対処が遅れて
しまうと、完全に傷んでしまいます。
あとから慌てないためには、
変色してしまう要因をなくすこと。
変化に早めに気づくことが大事ですね。
後記
今回は、梅の変色について書いてみました。
梅しごとは毎年やっていても、
え?ということがあります。
それだけ梅しごとには
いろいろなことがあるということ。
私はまだまだ経験が足りませんが、
調べてみることで、ものごとが以前より
よく見えるようになった気がします。
梅しごとは梅の性質がわかるようになれば、
ある程度失敗も少なくなるでしょう。
それでも失敗するときは
するでしょうけどね^^;
何か想定外のことが起きれば、調べてみる。
それは何故なのか、どうしてそうなったのか
を順序立てて考えてみる。
失敗したらもう一度、まずは基本のレシピに
沿って丁寧にやってみる。
成功したら次には、少し違うことをやってみる。
するとどんどん色々な漬け方をしたくなって
深みにハマります(笑)
梅は楽しいですよ。
では今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいまして
ありがとうございます。
梅の変色はよくあること。
凹まずに次につなげて
いきましょ~ヽ(´ー`)ノ