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梅干しに食品添加物は必要か。調べるほど不安が残るものも。

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

体にいいといわれている梅干し。

数百年も前に作られた梅干しが現存していることをご存じの方も多いでしょう。

しかも常温(冷暗所)で保存されていたにも関わらず、いまだに食べられるという素晴らしく保存性の高い梅干し。
梅干しがスーパー保存食と言われるのもわかりますよね。

しかし現代の梅干しはどうでしょう。
現代においても従来の作り方で梅干しを作れば、何年でも腐らないくらいの保存性はあります。

では市販品の食品添加物を使っているものはどうでしょう。
市販の”梅干し”製品の多くには、食品添加物が使用されています。

市販の”梅干し”に使われる食品添加物は、保存性を上げるために使用されている面が多くあるはずなのですが…それらの製品は残念ながらどれも保存性が低く、冷蔵での保存が必要で長期保存は難しい。

そもそも食品添加物はなぜ必要なのか。
また、それらはどんな物質で、どんな役割をしているのか。

今回はこのような、市販の”梅干し”に使われる食品添加物について書いていくことにします。

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梅干しに食品添加物は必要か

現代の市販の”梅干し”は、無条件に体にいいものではないのです。
(一昔…二昔前よりはずいぶんマシになったかもですが…)

本来の梅干しと、食品添加物を使用している市販の”梅干し”とでは、さまざまな点において差があります。

◇ 市販の”梅干し”
・保存性がない
・梅の成分が少ない
・食品添加物が使用されている

保存性がないのは、
塩漬けした梅から塩分(と梅の成分)を抜いてしまうから。

梅の成分が少ないのは、
塩分を抜くときに一緒に梅の成分も抜けてしまうから。

食品添加物を使用するのは、
塩分とともに抜け出てしまった梅の酸味や風味、保存性を補うためのもの。
また、消費者が好む味を付けるためのもの。

本来の梅干しとの違い

本来の梅干しと市販の”梅干し”。
その違いの第一は、塩を減らしたこと。

ではなぜ塩を減らす事になったのかといえば、
「健康のための減塩」ということからです。

梅干しは元来塩っぱくて酸っぱいもの。
そんな高塩分の梅干しも、3年置けば味が丸くなって食べやすくなるものですが、それだけのコストをかけられない。

そして、そもそも塩分が高いことがよくない、という減塩思考の消費者が多いこともあり、コストをかけずに減塩梅干しを作るためには、やはり食品添加物に頼らざるを得ないということもあるのです。

食品添加物は必須の味?

近年ではとくに塩分がどうこうというよりも、味の面で好みが分かれるようです。

多くの消費者が甘酸っぱい市販の”梅干し”の味に慣れている。

そのせいか、塩分の高い本来の梅干しが食べられないという方も多くいらっしゃるようです。
(…というよりは、甘酸っぱい梅干しが当たり前の世代も…)

たしかに塩っぱくて酸っぱい梅干しの味はキッツいですけどね。

市販の”梅干し”の味は、塩味や酸味がかなり優しい。
また、甘い味付けのはちみつ梅なんかも”梅干し”と認識されているからややこしい。

単にいろいろな味の種類があって食べやすく美味しく(?)なったと…そう思えればいいのでしょうけれど、本当にそいうことでいいのでしょうか。

表面的には優しく食べやすく美味しく(?)なったように見えても、その実は塩分とともに梅の成分が流れ出て保存性が低く、食品添加物を使用することでなんとか味を整え保存性を維持している。

安全性に疑問が残る食品添加物を使用することは、なかなかすんなりとは受け入れがたいものです。

市販の”梅干し”に使われる食品添加物

「梅干し」には定義があり、市販の食品には名称を表示する義務があります。

「梅干し」に使える材料は「梅、塩、(赤紫蘇)」のみ。
それ以外の材料や食品添加物を使用している場合には、「調味梅干し」という名称になります。

つまり市販の”梅干し”と呼ばれている製品の多くは、この「調味梅干し」なのです。

ではこの「調味梅干し」に使われている食品添加物には、どういったものがあるのでしょうか。
インターネット上で販売されている調味梅干しから、材料表示でよく記載されている食品添加物を上げてみます。

【味を整えたり風味付けをする】
・ソルビトール
・ステビア
・スクラロース
・果糖ブドウ糖液糖
・酸味料
・クエン酸
・調味料(アミノ酸等)
※ソルビトールと果糖ぶどう糖液糖、酸味料とクエン酸は保存性を向上させる目的でも使われる。

【保存性を向上させる】
・ソルビン酸(ソルビン酸カリウム)
・酒精
・酸味料
・クエン酸
・ビタミンB1
・ユッカ抽出物

【色をつける】
・着色料(102号)
・野菜色素

【香りをつける】
・香料

それぞれの食品添加物がどのような物質なのか、次に簡単にまとめてみました。

◇ 味を整えたり風味付けをする

塩漬けした梅を水や湯につけて脱塩すると、梅の成分も抜けてしまいます。
その薄まった梅の味を整えたり風味付けをするために、添加されるもの。

ソルビトールと果糖ぶどう糖液糖、酸味料とクエン酸は、味付けなどの調整に使われるのと同時に、保存性を高める効果もある。(※酸味料とクエン酸については次の項目にて記載します。)

ソルビトール

【表示】
「ソルビトール」…製造用剤の場合
「甘味料(ソルビトール)」…甘味料の場合

【用途】
・食品の保湿性向上
・水分を保持し冷凍障害を防ぐ
・食品の浸透性を上げて味付きをよくする
・微生物の繁殖を抑えるため保存料としても使われる

糖アルコールの一種。
ジャガイモやとうもろこしのデンプンを使って人工的に作られたもの。

甘味度が低く、カロリーが低いが依存性がある。
過剰摂取では下痢や吐き気、嘔吐、脱水症状を引き起こす。

甘味料(ステビア)

【用途】
・塩味・酸味を和らげる
・清涼感のある甘味を与える

キク科の植物で甘味があり、南米では甘味料として古くから使用されてきており、日本では1972年に商品化された。
元は南米に自生していた植物だが、現在では原料の多くを中国から輸入している。

天然由来の甘味料。
砂糖の代わりとして使われるが、糖質ではない。
砂糖の約200~300倍の強い甘味がある。

海外では食品へのステビアの使用を認可していない国もある。

まれにアレルギー反応を起こす。
性ホルモンの減少やステビアに含まれる成分からの遺伝毒性があるともいわれている。

現在は人工のステビオール配糖体が作られているようです。

甘味料(スクラロース)

【用途】
・甘味を与える
・塩味・酸味を和らげる
・食品の匂いを緩和

摂取してもほとんどは分解されることなく排泄され、吸収されても代謝されず排出されるといわれているが、スクラロースに関するキーワードを並べてみると…

・人工甘味料
・有機塩素化合物
・高温に加熱することで有害な塩化水素ガスが発生する
・炭水化物と摂取するとインスリン感受性に有害な変化を起こす
・甘味への脳の反応低下がみられたという報告がある
・動物試験では下痢による流産が発生している

調べれば調べるほど…スクラロースの安全性を謳い使用を推奨する人々との乖離がこわいと感じます。

果糖ブドウ糖液糖

【用途】
・味の欠点を補う(食品をおいしくする)
・水分を保持する
・水分活性を減らし、微生物の繁殖を抑える

とうもろこしのデンプンが原料で、異性化糖とも呼ばれる。
果糖の割合が50%以上90%未満のものが果糖ぶどう糖液糖。

依存性が高い。
アメリカなどの遺伝子組み換えトウモロコシを使用しているものが多い。

調味料(アミノ酸等)

「調味料(アミノ酸等)」という表示。

これはアミノ酸の他にも複数の調味料を使用している場合の一括表示で、アミノ酸以外にはどの食品添加物が使われているのかがわからない。

【用途】
・味を付ける
・味を整える

「アミノ酸」の主成分はグルタミン酸ナトリウム。
かつては化学調味料と呼ばれていたもので、現在はうま味調味料という名称になっている。

次のような売り文句(?)を見たことがあるでしょう。
「化学調味料不使用」
「化学調味料無添加」

これらの言葉には良いイメージを持つ消費者が多い。

しかし実は「化学調味料」という明確な定義はないそうです。
定義がないものを不使用とか無添加とか書いている、これらの文言の使用も問題視されているようです。

アミノ酸は自然界にも存在する物質であり、天然の素材から作られているとうたわれている。

そこだけを見ると安心な気がするが、素材は天然のものであったとしても、その抽出は科学的であったり、分解するために塩酸を用いるなどの処理をするため、摂取し続けることに問題があるともいわれている。

また、アミノ酸のグルタミン酸ナトリウムの原料は、アメリカの遺伝子組み換えトウモロコシが使われている。

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◇ 保存性を向上させる

塩漬け梅を脱塩することで保存性が低くなるため、保存性を高める目的で使われる。

保存料(ソルビン酸)

【表示】
「保存料(ソルビン酸)」
あるいはソルビン酸カリウム、またはソルビン酸K。

バラ科ナナカマドの未成熟果汁の中に含まれる物質で、名前もこの植物の学名からきている。

食品添加物に使用されるのは化学合成されたもの。
カビや細菌、酵母菌などの微生物に対して静菌効果をもつ。
よく練り物に使用されるが漬物類にも使用されている。

以前から危険性があげられており、その使用には量に制限がある。

ソルビン酸、ソルビン酸カリウムは単体でも毒性が指摘されているが、亜硝酸塩(発色剤)との組み合わせでは毒性が増すという。
また、他の物質との組み合わせでも危険性が高まるということがあるようです。

とあるサイトでは、ソルビン酸は安全で、あたかも自然に存在している物質だから安心と匂わせる書き方をされていますが…。

酒精

食品添加物に指定されている発酵アルコール。
酒精の他にも、アルコール、エタノールと表示されることもある。

【用途】
・殺菌
・日持ち向上
・発酵を止める
日持ちを向上させる。

サトウキビなどの糖質とトウモロコシやさつまいもなどのデンプンを発酵させて作られたもの。
遺伝子組み換えトウモロコシを使用している場合が多いようです。

酸味料

酸味料は一括表示の名称であり、25種類ある。
(クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸ナトリウム、乳酸、氷酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸などなど)

【用途】(種類により用途は異なる)
・酸味を与える
・味を整える
・酸度を調整し菌の増殖を抑える(pH調整剤として)
など。

種類によって原料や製造工程も異なり、化学合成で作られるものもある。

食品に対して一種類だけ使われるとは限らず、同じ目的の用途で複数種類の物質が複合して使われることもあり、一括表示されるために何が使用されているのかわからない。

クエン酸

糖蜜やサツマイモ、トウモロコシなどのデンプンを発酵させて作られる。

【用途】
・酸味を与える
・pH調整剤(菌の増殖を抑えて保存性を高める)
・ビタミンCを安定させる

酸味料やpH調整剤としても使われ、一括表示ができる。
また、梅にクエン酸を入れると色が鮮やかになる。

ビタミンB1

【用途】
・ビタミン強化
・日持向上剤
・耐酸性

別名チアミンと呼ばれる。
自然の食品に含まれるビタミンB1は加熱により損なわれやすい。

食品添加物として認可されているのは、
「チアミンラウリル硫酸塩」という、チアミンに界面活性剤であるラウリル硫酸塩を結合させた合成物質。
(この物質は米国では使用を禁止されている)

保存料として使われるが、ビタミン強化剤としての使用の場合には表示が不要となる。
その他での使用の場合には、チアミン、ビタミンB1,V.B1と表示される。

ユッカ抽出物

ユッカとは、アメリカの乾燥地帯に生育するリュウゼツラン科植物で、有効成分であるサポニンを抽出したもの。

【用途】
・材料を混ざりやすくする(乳化剤)
・日持ち向上剤
・抗菌作用

◇ 色をつける

着色料は、梅干しの色味をよく見せるために添加される。

赤紫蘇の量が少ないと色づきがよくない。
また、漬け具合によって色づきがまばらになるが、食品添加物を使用することで均一な色味に仕上げる。

着色料(赤色102号)

その名の通り、赤い色を付ける食品添加物。

色の後に番号が付けられている着色料は全てタール系色素であり、コールタールから作られたもの。これまでに発がん性が確認されて使用禁止になったタール系色素は多くある。

赤色102号は発がん性は確認されていないが、肝機能や赤血球異常、アレルギーが懸念されている。

イギリスではタール系色素を使用の際には注意喚起の表示を義務付けている。
(※ただし子供への多動性行動が見られたということについての懸念は、現在では根拠がないとされているようです。)
また、アメリカ、カナダ、ベルギーでは食品への使用を禁止されている。

近年では日本でも、このように危険が懸念されている食品添加物を極力使わないようにしていく傾向にあるが、依然として使用を続けられているものもある。

野菜色素

野菜から抽出された色素はいろいろある。
梅干しに使われるのは「赤キャベツ色素」や「シソ色素」

◇ 香りをつける

塩漬け梅を脱塩することで梅の香りも抜けてしまう。
そのために香りまで後付けすることになるのです。

香料

香料は一括で表示される名前。
何が使われているのかわからず、内容が知れない。

天然と合成のものが多くあり、これらを調合して作られる。

天然香料は600種余り。
天然香料は食品添加物の指定からは除外されている。

合成香料は2500種あるといわれている。
香料の抽出には有機溶剤等を使うこともあるようだが、内容がわからないために安全性も不明。

殆どの香料が安全性の確認がなされていないという話もあります。

食品添加物と他の添加物

さてここまで市販の”梅干し”こと、調味梅干しによく使われている食品添加物について書いてみました。

食品添加物の数はとても多いため、更に調べればここに挙げたもの以外にも使われているものがあるかと思います。

そして食品添加物以外にも、一見してよくわからない物質も添加されています。
さらに、表示がされていない物質というものもあるのです。

・食品添加物の扱いでない「食品」扱いのもの
・表示の省略を許されているもの
・表示の義務がないもの

全て安全なものならばいいのですが、なかには疑問が持たれる物質もあるようです。

これらについても掘り下げてまとめようと思いますが、さらに長くなりそうなので、また別の記事にて書いていくことにします。

後記

加工品を作るために何かを添加するということは、当たり前のことです。

しかしその添加される物質が、一見してどういうものなのかわかりづらいし、わからない。
調べてみたところで、わかるようなわからないようなものが多いのです。

その物質が真実、安全で安心できるものならば、何も問題はないのですけど。
本当に安全なものかどうかというのは、年数を置いてみないことにはわからないもの。

実際、食品添加物は国が認可しているから安心だということも言われていますが、認可されていたとしても、数年後には禁止になるようなものがあるわけです。

また、一度禁止されたものがなんらかの理由で認可し直されるということも過去にはあったようです。
他には、日本で認可されていても諸外国では禁止されている物質もあるのです。

物質単体で安全だと確認されていても、それが複合して摂取されるとどうなるのか。
量を制限されているからといっても、同時に別のものとで摂取してしまう可能性もある。

テストを通過したとしても、テストの方法、条件などによって結果が違うということもあるでしょう。

食によって人間の身体は作られ、維持されています。
身体が健やかであるかどうかは、食によるところが大きいのです。

現代はアレルギーを持つ人が多くいます。
私も少々のアレルギー体質ですが…。

それが食品添加物の摂取によるものかどうかは確定できない。
(食品添加物に対するアレルギーというのはあるようですが)
環境汚染や他のなにかしらの影響などによるところもあるでしょう。

けれど食品添加物が原因でないと断定することもできないでしょう。

私は日頃から加工品の摂取が少ない方ではあるかと思いますが、徹底して摂らないわけでもなく…
人に勧められるのを無下に拒否することもしないですし、なんならたまに袋麺とかも食べますし。
若い頃は気にしすぎて何も食べられない時期もありましたが、それでは身体が持たない。

本当に安心安全そうな食品もなかなかないですし…(お高いですしねー^^;)。

現代の日本では自給自足するしか手はなさそうですが、それもけっこう難しいこと。
ある程度は妥協せざるを得ないですよね。

せめて梅干しくらいは作ろうと、これだけは毎年続けているわけですが…少々の手間がかかるけど、なかなか楽しいものですよ。

長々と書いてしまいましたが、今回はこれまで。
それではここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。

市販の梅干しにも、安心できるものが見つかるといいですね~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
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