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市販の梅干しをまずいと感じるのは当然、それは別物だから。

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

市販の梅干しを「まずい」と感じるあなたはきっと、自家製の梅干しを食べてきたのでしょう。

梅干しは本来、梅と塩(と赤紫蘇)のみで作られたもの。
このシンプルな梅干しの味に慣れていると、市販の梅干しの味にはなかなか馴染めないものです。

実際私も、市販の梅干しを食べると後味が悪く、ものによっては気分が悪くなることもあります。

高級なものを食べたことがないからだと言われたこともありますが…さて、高級だからといって受け付けるかどうか…。
これは結局のところ食べてみないことには不明ですけどね^^;

逆に、市販の梅干しに慣れているという場合には、梅と塩だけで作った本来の梅干しは受け付けない、という方もいらっしゃるようです。

ということで今回は、
市販の梅干しがまずい(と感じる)理由はなんなのか。
本来の梅干しとの違いについて書いていきますよ。

それではいってみましょ~。

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市販の梅干しがまずいと感じる理由

味覚は人それぞれ好みもありますが、人は普段から食べ慣れている傾向の味を美味しいと感じるようです。

a. 塩(と赤紫蘇)のみで漬けた梅干し
b. 市販の減塩や風味付け梅干し

aの梅干しが本来の梅干し。
昔から各家庭で作られているもの。

自家製の梅干しは他に別の漬け方をしていたり、食べやすいように塩抜きしたり砂糖で漬けたりと工夫された漬け方のものも多数ある。

bの市販の梅干しは、減塩や味付け、風味づけをされたものが多くあるが、家庭で作るものとは根本的に違う部分があるのです。

その違う部分が、本来の梅干しを食べ慣れている人には合わないために、まずいと感じるのでしょう。

本来の梅干しと市販の梅干しは別物

本来の梅干しと市販の梅干し。
この両者はそもそもの違いがいくつかあるようです。

・目的の違い
・材料の違い
・作り方の違い

元は同じ梅の実であったとしても、目的や処理が変われば別物になります。

目的の違い

◇ 本来の梅干し
・大切な保存食
・薬のような役割

◇ 市販の梅干し
・売るため、買ってもらうための商品
・時代の流れに影響を受ける
・消費者の要望と企業の利益

昔と現代とでは環境も状況も違います。

梅は1年に一時期のみの収穫物。

冷蔵庫も冷凍庫もない時代には、この一時期に少なくとも一年分の梅干しを漬け、保存性を維持する必要があった。
また、梅干しは各家庭では薬のような役割も担っていたため、なおさら腐らせるわけにはいかない必需品のような存在。

現代は食品が余るくらいにあり、薬もいつでも手に入る。
梅干しの役割は軽減された。

減塩がよしとされ、保存性よりも食べやすく美味しく(?)あることが優先される。
そして安価であることが求められるため手間暇をかけられない。企業は利益の追求も必要というところもある。

市販の梅干しは、保存食というよりは嗜好品のようなものだなと感じます。

材料の違い

本来の梅干しと市販の梅干しは別物。

市販の梅干しをまずいと感じるのは、
実は当たり前のことなのです。

本来の梅干しは、梅を塩で漬け込み天日に干したもの。
他に足すとすれば、赤紫蘇のみ。

これに対して市販の”梅干し”の大半は、塩や赤紫蘇以外の材料が多数使われています。

その材料も普通の調味料などならばいいのですがそうではなく、化学的に処理された物質で、食品添加物やそれに準じる添加剤など、化学合成物が使われることが多いのです。

普段から加工品などをあまり食べつけない人々は、この味にはなかなか馴染めないもの。
後味が悪く、気分が悪くなることもあるのです。

ではなぜそのような物質を使うのでしょう。

それは味付けの問題だけではないのです。

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作り方の違い

本来の梅干しは保存食。
腐らせないために多めの塩を使います。

しかし世の中は減塩思考。
市販の梅干しも塩分が高いと売れないということがあり、減塩にしているものが多い。

梅干しを減塩する方法は大きく分けて2つ。
・始めから塩を減らす方法
・後から塩を減らす方法

余談ですが、そもそも塩を使わないという方法もありますが、これは「梅干し」の定義から外れるので、またの機会に書くことにします。

◇ 始めから塩を減らす方法

始めから塩を減らして作ることはできます。
しかし保存性が劣るために、通常よりも少々の手間がかかるのです。そして塩の割合によっては、冷蔵も必要になってきます。

手間暇もかかるし、コストもかかる。
下手をすると漬け込みの段階で梅を腐らせてしまうかもしれない。

そんなリスクを背負うより簡単なのが、次の方法。

◇ 後から塩を減らす方法

後から塩分を減らす方法は、前者と比べてリスクもコストも低いため、減塩梅干しを作る業者の多くは、こちらの方法を用いているようです。

・多めの塩の量で梅を漬け込む
→塩漬け完了後、梅から塩を抜く

塩抜き(脱塩)方法は簡単で、梅を一定時間水に浸けておくだけ。
しかしこれには問題もあるわけです。

塩を抜くことで、保存性は低下する。
水に浸けるために、同時に梅の成分も抜ける。
梅の成分が抜けるということは、梅の味も薄まってしまうのです。

これでは商品にならないですよね。

脱塩したがために抜け出てしまった、梅の酸味や風味。
これを補わなければならない。

そこで、調味液という調合した液体の中に、脱塩した梅を漬けるのです。

調味液の中身は業者によりさまざま。
塩以外の調味料であったり、食品添加物やその他の添加剤などの化学合成物質であったり。

この内容によっても、美味しいと感じるかまずいと感じるのか違いが出てくるでしょう。

さて、あなたはどんな梅干しが好みですか。

後記~余談…思い出の梅干し

市販の梅干しって、
私が子供の頃に印象に残っているのは
「かつお梅」

塩っぱくなく酸っぱさもほどほど。
当たり障りのない程度で、カツオ風味の梅干し。

これはとくに好きでも嫌いでもなかったかな。
というより子供だったので味覚が曖昧だったのかも。
(いや、記憶が曖昧…)

私が生まれた頃には減塩ブームだったようなので、市販の梅干しはこぞって減塩をうたっていたはず。

そもそも「かつお梅」は減塩梅干しの代表的な商品ですよね。
どこかの読み物には「画期的であった」などと書かれていたと記憶しています。

今思うと、減塩も腐りやすいけどカツオも腐りやすいよね…。

これに対して、自家製梅干しの印象は祖母の梅干し。

祖母は酸っぱいのが大嫌いな人でした…笑。

しかし梅干しは漬けていたようで、子供の頃にときどき母が貰ってきていたのを食べていたのですが、これは大好きでした。

その梅干しは酸っぱいけど甘い。
赤紫蘇の風味がとてもよかったのを覚えています。
おそらく赤しそ入りの梅干しを作った後に、砂糖を入れて漬けていたのでしょう。

今は亡き祖母。
生前にどうやって作っていたのか聞いておけばよかった…。

最近思い出したので、その味を近々再現してみたいと思います。

それでは今回はこのへんで。
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。

市販でも、いい梅干しに出会えますように~ヽ(´ー`)ノ

この記事を書いた人
のらうめ

梅を漬けるのが大好き。
いろいろなことを調べたり実践したりするなかで、成功や失敗、わかったことなどを含めて書いています。
梅の時期は短いけれど、生梅の香りや漬ける楽しさを、ぜひ広くおすすめしたい。

そのほか管理人のプロフィールはこちらから。
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